14話 5さい
その日、私はワクワクしていた。
「そろそろ行こうか、エリザベス」
「はい、お父さま」
私の名前は、エリザベス・ブローシュ。ブローシュ伯爵家の次女。
今日は、聖女さまかどうかを調べるため、今年5歳と10歳になる女の子達が集められる日。
聖女さまは、光属性の魔法を使える女性のこと。
ずうっと昔は、聖女さまがたくさん居たんだって。だけど、だんだん光属性に適性がある人は減っていって、今はとってもめずらしいの。
だから、王様が保護しようってなって、毎年、5さいと10さいの子供たちは「まほうてきせいけんさ」っていうのをするの。
あと、もともと「聖女」さまは、むかしの王女さまに授けられた名前だったけど、いつしか、光属性が使える女性が「聖女」という名前になったんだって。それで、その王女さまは「大聖女」と呼ばれるようになったの。
「お父さま、私、聖女さまになれるかな」
「さあなぁ、リオには適性が無かったからなぁ。エリザベスは聖女になりたいのかい?」
「うん!」
リオ姉さまは、私と6歳違いのお姉さま。
お姉さまは聖女になりたい、っていつも仰っていた。だから去年の10歳の時には、緊張したお顔で、馬車でまほうてきせいけんさに向かわれた。父さまと一緒に帰ってきた時は、「私、聖女じゃ無かったわ!」と泣きながらで帰っていらしたの。
「父様や母様に会えなくなるんだよ。こんな事を言うのはダメかもしれないけど、父様はエリザベスに聖女になって欲しくないなぁ」
「でも、お母さまは、私はぜったい聖女さまだって」
「……そうか」
お父さまが少し悲しそうなお顔をなさった。
お母さまは、聖女さま。私の自慢のお母さまなの。
お母さまが、色んな人を治療する姿は本当にきれいで、わたしもそんな風になりたい。
お母さまは、「あなたはリオとは違って、髪も目も私そっくり。だから、あなたは聖女に間違いないわ」とよくおっしゃる。だから私、聖女だったら良いな。
お姉さまとお母さまは仲良しじゃないの。何回も、2人と一緒に遊ぼうとしたけど、一緒には遊んでくださらなかったな。
「さあエリザベス。着いたよ」
色んな考えごとをしていると、王城に着いた。
お父さまの手を借りて馬車を降りる。
「わぁ!きれいなお城!」
私たち貴族は、王城で検査を受ける。貴族の方が、魔法に適性がある人が多いからなんだって。
私たちの馬車のところに1人の方が走ってくる。
「ブローシュ伯爵家の方ですね。こちらへ」
本物の騎士さまだわ。とってもかっこいい。
「エリザベス、お父さまと手を繋ごう」
騎士さまをずっと見ていたり、キョロキョロしたりしていると、お父さまに不意に声をかけられる。
「?はい。わかりました」
ワクワクしながら、私は王城を歩き始める。
だけど、私はあんまり体を動かしたことがないから、すぐに疲れてしまう。
「お父さま、まだつかないの?」
王城を右に左にいっぱい歩いた。そろそろしんどいよ…
騎士さまが私を見てクスッと笑うと、1つの扉の前で立ち止まった。
「こちらが会場です。どうぞお入りください」
私はお父さまと案内された部屋の中に入ったのだった。
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