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眼力無双~目つきで苦労する異世界転生。平穏なモブ生活への道は遠く~  作者: 唖鳴蝉
第一部 一年生一学期~裏腹な新生活の始まり~
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第十六章 仮免講習会 2.疑惑の影

 ~Side レベッカ~


 講習会の二日目を終えて帰る途中、偶然にもナイジェル君とクラリスさんに出会いました。お二人は冒険者としての修行中で、やはりご自宅にお帰りになる途中だったようです。


「ご自宅……ってほど立派なとこじゃないんだけどな、俺ん()は」

「いえ、王都にご自宅があるだけで立派ですよ。わたしの家なんかド田舎の(あば)()ですもん」

「実家自慢はそれくらいにして、レベッカは仮免講習の帰り?」

「はい。今日で二日目ですね。明日が最終日です」

「で? ネモ君とは上手くコンタクトできたの?」


 クラリスさんは興味津々で訊いてくるんですけど……どうなんですかねぇ……


「何よ? 随分煮え切らない答じゃない?」

「煮え切らない……そうですね、何と言うか……違和感があるんですよ」


 この際ですから、お二人に相談してみましょうか。


「「違和感?」」


 あら、こういうところは、お二人とも息がぴったりなんですね。まぁ、それはそれとして……


「何と言うか……ネモ君、わたしを警戒しているような感じなんですよね」

「「警戒?」」


 自分でもおかしな事を言ってるな、という気はするんですけど……他に言いようが無いんですよね、この感じ。


「普段から(たま)輿(こし)なんて言ってるから、警戒されたんじゃないのか? でなかったら、単に単に嫌われてるとか」


 ……はっきり言いますね、ナイジェル君は。女の子に対しては、もう少しデリケートな言い回しをするもんですよ?


「う~ん……やっぱり、嫌われてるって感じじゃないですね。よそよそしい気はしますけど、嫌悪感を抱いている――というのとは、少し違うと思います。わたし、こう見えても対人関係には敏感なんですよ」

「あぁ……そういう感じはするよな……」

「女子が苦手なだけっていうのは?」

「違うと思います。他の女の子に対しては、話していたわけじゃありませんけど、特に苦手意識を持っているようには見えませんでした」

「やっぱり嫌われてるだけ「ナイジェル、あんた、ちょっと黙ってなさい」」


 クラリスさんが割って入ってきておっしゃるには――


「……実は、あたしも似たような印象を受けた事はあるの」


 クラリスさんも?


「――と言っても、あたしの事じゃないんだけどね。モートン先生が何かの用事でネモ君に話しかけた時、ネモ君の態度がそんな感じだったのよ。よそよそしいというか……上手く言えないけど、何となく変だった」

「いや、俺だって先生たちと仲良くしたくはないぞ? まぁ、モートン先生は話が解る方だけど……」


 ナイジェル君も何か違和感を感じているんでしょうか。台詞(せりふ)尻窄(しりすぼ)みになっていますね。


「……よそよそしいっていうのとは少し違うかもしれないけどよ……あいつ、時々妙に大人びた感じがしないか?」

「……そう言えば、あんた、このあいだもそんな事言ってたわね」

「あぁ。俺が受けた第一印象は、年長者って感じだったんだよ。(もっと)も、これってあいつが長男だからなのかもしれないけどな」


 う~ん……大人びた……っていうのも、あるんですかねぇ……


「気になるのは、ネモ君が警戒した素振りを見せるのは誰なのかって事なんです。何となくですけど、警戒している相手とそうじゃない相手がいるみたいなんですよね」

「あまり首を突っ込むのはお薦めしないぞ? 何しろ、相手は『恐怖の大王(アンゴルモア)』で『凶眼の断罪者』だ」

「そうね。人それぞれに事情があるんだろうし、あまり詮索するのも悪いわよ」

「それはそうなんですけど……何となく、この事は知っておいた方が良いような気がするんですよねぇ……」


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