表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眼力無双~目つきで苦労する異世界転生。平穏なモブ生活への道は遠く~  作者: 唖鳴蝉
第一部 一年生一学期~裏腹な新生活の始まり~
62/356

第十五章 帰省の準備 3.冒険者装備その他

 ~Side ネモ~


 夏休みに帰省するとなると、道中に必要なものを揃えておかないと駄目だ。王都へ来る時は、色々足りないものがあって苦労したんだよな。その反省を踏まえて準備を整えておかないと。今のところ、資金面でも結構充実してるしな。


 まず必要なのは食糧だ。携帯食料が基本なんだろうが、俺の場合は【収納】があるからな。日保(ひも)ちや(かさ)の事なんか気にせずに、普通の食糧をそのまま持っていけばいい。水も【生活魔法】で出せる……いや……【給水】は【生活魔法】じゃないとか、クラスの連中が言ってたな……。俺のステータス画面じゃ【生活魔法】になってるんだが……まぁいい。何魔法だろうと、水が確保できるなら問題無い。

 あぁ……そう言えば、【収納】はあまり見せびらかすなって言われてたっけ。魔道具作製の授業で作った革袋を、マジックバッグに見せかけるか。先生のアドバイスを受けて、見かけだけはそれっぽいものに仕上げてあるからな。


 あとは……医薬品とか虫除けの(たぐい)か。マーディン先生に少しは教わったけど、まだまだ作れる薬は多くない。多少出費は(かさ)んでも、出来合いの薬を買い込んでおくべきだろう。……実家に残しておく事も考えて、少し多めに買っておくか。こういうところでケチると、後々(ろく)な事にならんというのがお約束だからな。

 ……そう言えば、携帯用の調合道具とかもあった方が好いか? ……いや、俺の場合は【収納】があるから、携帯性に(こだわ)る必要は無いか。携帯用となるとお高くなるのが普通だからな。今使ってるやつで充分かな? 学園の廃棄備品を貰えたんで助かってるけど……予備として中古品を買っておいた方が良いか。

 実家にいた頃は(ろく)な道具が無かったし、作れる薬は限られていたからなぁ……。それを考えると、やはり道具は充実させておいた方が好さそうだな。


 他には……衣料品や雨具・テントの(たぐい)だな。……この辺りは俺じゃ()く判らんな。冒険者ギルドでアドバイスしてもらうか。

 そう思いつつ冒険者ギルドに出勤したんだが……


「……え? 廻状を廻しておくって……俺、手配されるんですか?」


 サブマスターのミュレルさんが不穏な事を言い出したんで聞き返したら、


「違う違う。ネモ君、休みの間故郷に帰るって言ってたでしょう。それを聞きつけた(くす)()ギルドと魔導ギルド、皮革ギルドが、街道沿いの町にある支部に通知を出しておくから、良い素材が獲れたら持ち込んでくれ――という事のようですよ」

「……ひょっとして、蛇――ですか?」

「ひょっとしなくてもそうでしょう」

「いや……この前、結構売ったと思うんですけど……」

「火に油を注ぐ結果になっただけみたいですよ? あの時の素材を加工したものが出廻って、(かえ)ってその筋の関心を(あお)ったみたいですね」

「いや……蛇くらい、他の皆さんでも狩れるんじゃ?」

「討伐なら問題無いんですけどね。素材が獲れるように〝狩る〟となると、慣れないうちは難しいでしょう。致死毒持ちも多いですから、ギルドとしても推奨しにくいんですよ」


 ……何と……そういう事になってたのか。ミュレルさんによると、この後数年は俺の独占が続くんじゃないかという話だ。

 まぁ、廻状についての事情は解ったので、今度は俺の方の相談だ。テントや雨具について相談すると、懇切丁寧に教えてくれた。善い人だ。


「それよりネモ君、武器はどうするんですか? ……あの棒を?」


 ミュレルさんがそう訊いた途端、なぜかギルド内にいた冒険者たちがざわり、と()(じろ)いだんだが……?


「いえ、あれは切断されちゃいましたし、残骸はイズメイル師範がお望みだったので、差し上げておきました」


 何でか食い付いてたからなぁ……まぁ、こっちじゃ()(ぎり)()なんて珍しいんだろうが……


「イズメイル師範が……そうですか。……では、代わりの武器はどうするんです?」


 ……と、言われてもなぁ……。こっちの剣ってやつは、どうも慣れないんだよな。前世の日本刀と斬り方が違ってて。慣れてるのはナイフなんだが……リーチが短いのと威力に劣るのが問題だし……ミュレルさんが気にしてるのもそれなんだろうな。けど……()(ぎり)()みたいな長柄は、林の中だと取り回しが難しいし……フランキスカみたいな手斧も面白そうだけど、上手く使い(こな)せる自信は無い。


「……(なた)代わりに厚刃のショートソードでも()(つくろ)っておきます」


 結局、ミュレルさんお薦めの店でショートソードを買っておく事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ