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第七十一章 相乗り帰省道中記~五日目 カソルの町~ 2.冒険者ギルド(その2)

 ~Side ドルシラ~


 ネモさんは留めを刺すかのように、地面に叩き付けられてバウンドした男の蟀谷(こめかみ)を文字どおり(いっ)(しゅう)して、男の身体を蹴り飛ばしておしまいになると、その場でジロリと辺りを睥睨(へいげい)しました。


「どうした? 〝生意気な王都のガキに、目上に対する礼儀ってもんを教えて〟くれるんじゃなかったのか?」


 冷笑を浮かべて挑発し返すネモさんですが、地元の冒険者たちは皆一様に(うつむ)いて目を合わせようとしません。……当たり前ですわね。

 (いやしく)も「大陸七剣」の一人、「剛剣アレン」と互角に渡り合ったネモさんです。同じく「大陸七剣」の一人、お祖父様の護衛を務める「双剣のレミディオ」も、ネモさんには一目置いているようですし。田舎(いなか)(くすぶ)り冒険者如き、逆立ちしても(かな)う筈がありませんわ。


 何はともあれ、良い()(もの)でしたわ。得難い交渉カードも一枚手に入りましたし♪



 ********



 ~Side ネモ~


 カソルのギルドへ行ってみたら、去年の中二小僧(ルイス)はいなかったが、代わりに図体(ずうたい)のデカいだけの(くすぶ)り冒険者が絡んできやがった。この町にゃ(ろく)な冒険者はいねぇのかと言いたくなるが、冒険者なんて大なり小なりこんなもんだろう。王都にも似たような奴がいないわけじゃなかったし。……ビルとマットとかいったっけか? 「フクロウの巣穴亭」で暴れてたやつら。


 ま、それはそれとして……曲がりなりにも貴族であるお嬢たちが一緒にいるってのに、気にも留めずにやらかしやがったからな、このバカ。ここは同じ冒険者ギルドの末席を汚す者として、俺がケジメを付けなきゃ(まず)いだろう。ちょいと手荒い教育になるが、身から出た(さび)と思って諦めるんだな。


 (くすぶ)りが偉そうに上から目線で、


「生意気な王都のガキに、目上に対する礼儀ってもんを教えてやる」


 ――なんて抜かしやがったんで、


「そのチンケなお(つむ)に、他人(ひと)様に教えられるような上等なもんが詰まってんのか? 腹に較べりゃ大分ささやかみてぇだが?」


 ――と、少しばかり(あお)ってやったら、煽り耐性の無い単細胞だったらしく、逆上して殴りかかってきやがった。

 身を(かわ)(ざま)に一撃入れてやってもよかったんだが、ここは一つ派手に決めてやるか。


 殴りかかって来た手を押さえて引き倒す振りをしたら、奴さん慌てて身体を起こそうとしたんで、そのまま(ちゃ)()台返(だいがえ)し……じゃねぇ、仏壇(ぶつだん)(がえ)しに決めて、(のど)()から地べたに叩き付けてやった。


 (とど)めに一蹴りくれてやって、追加はいないのかと辺りを見廻したら……どいつもこいつも()(おく)れしたように目を伏せて、こっちを見ようともしねぇ。突っ張り通す事もできないようなら、最初から喧嘩を売るなってんだ。

 ……こりゃ、あの青二才(ルイス)以外にも(しつけ)直しが必要だな。


 関わっちまった責任もあるし、何なら手伝おうかとギルマスに言ったんだが、


「いや……それには及ばねぇ。……希望者がいりゃ別だがな」


 一斉に顔を(そむ)けたところを見ると、参加希望者はいないって事か。多少不安と不満は残るんだが、あとはギルドに任せるしか無いだろうな。

 あぁそうだ。お嬢たちの()(じょう)については、一言ギルマスに説明しておくか。場合によっては領主に釈明する必要もあるだろうしな。

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― 新着の感想 ―
→↓↘+パンチ!!からの~ ↓↙←+キック!!  ネモ YOU WIN!! (´・_・`) ストリートどころか公共施設(ギルド)内で勝てないのに喧嘩売ってくる無謀なファイターは、冒険者を辞めたほうが…
前回から改善できなかったギルマスに強烈な手土産(御令嬢と御婦人)ギルマスの胃に穴を空けよう
2025/12/23 21:09 退会済み
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