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幕 間 到着日の夜
二話更新の二話目です。短いです。
~Side ???~
「ターゲットは無事キャンプハウスに到着したか?」
「あぁ、今晩はぐっすりとお寝みになるだろうよ」
「お疲れのご様子だからな、ゆっくり休んでもらうとしよう。――ゆっくりと、な」
その場に集まった男の一人がそう言うと、残りの面々がくぐもった笑いを漏らす。――どこか歪に満足げな声で。
「……例のものは、ちゃんと?」
「あぁ。ちゃんと所定の場所に放してきた。今頃はキャンプハウスに向かっている頃だ」
「……やつら……さぞや魂消るであろうな」
「だが、幾ら歯軋りしたところで、やつらに打つ手は無い」
「あぁ。頼みとしていたものの無力さに絶望しながら、その生を終えるがいいのだ」
――やがて、部屋の灯りが消えた。