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第1章 ステロイドについて知る

アトピー性皮膚炎の処方薬として一般的に普及している『ステロイド外用剤(飲み薬ではなく、皮膚に直接塗る薬剤)』ですが、そもそもステロイドとは何なのか。

なぜそれを塗ることが効果的とされるのか。

一番基本的なことですが、


「ステロイドとは一体なんですか?」


と言うこの質問に、しっかりと自信を持って答えることが出来る人は、以外と少ないのではないかと思います。

現に、この私がそうでした。

しかし、『ステロイドとは何なのか』を理解することは、現状、つまり今の自分の状況、おかれている環境を把握するという意味でとても重要です。


少し話がそれますが、ビジネスの世界では、目標を達成するためによく『戦略』という言葉が使われます。

経営戦略、事業戦略、マーケティング戦略等々あげればキリがないのですが、なぜ戦略を立てる必要があるのかということを簡単にまとめますと、『目標を効率良く達成するため』と言えます。

戦略とは、目標を『どのように』達成するか、英語で言う『How』の部分です。

目標(理想)と現実の間にはギャップがあり、そのギャップを埋めるために『どうするか』を決めるのが『戦略』です。


 ダイエットで例えてみましょう。あなたは現在、標準体重より10キロ太っていると仮定します(現状)。

数ヶ月後には、10年ぶりの同窓会が控えており、何とかそれまでに体重を10キロ落としたい(理想)。

どうやって10キロ痩せよう。そのために計画した『ダイエット成功に向けた行動プラン』、これが『戦略』です。


1日の摂取カロリーが多いとしたら、間食の回数が多いのでそれを減らす必要があるのか、それとも、高カロリーなメニューを食べる頻度が高いので、低カロリーメニューに変更する必要があるのか、また、摂取カロリーに消費カロリーが追いついていないので、もっと運動をしてカロリー消費を心がける必要があるのか。

この行動プランこそが『戦略』なのです。

そして、『戦略』を立てるためには、『目標(理想)』と『現実(現状)』をしっかりと認識することが不可欠です。何となく「痩せたいなぁ」という思いだけでは、ダイエットのほとんどは失敗に終わってしまうのは、周知の事実かと思います。


それはなぜか。目標がなければ、具体的な、目に見える実行プランである『戦略』の立てようがないからです。戦略(この場合は『ダイエット成功に向けた行動プラン』)がなければ、行動に移すことができませんし、自分が行ったことを評価(今日は達成出来た、出来なかったや、もっとこうした方が良い等)出来ません。

逆も然り、今の自分の体重や食生活という現状がわからなければ、ダイエットに向けた行動プランも立てようがありません。


 話を戻しましょう。私は、私の病状回復の理想を『アトピー性皮膚炎の完治』、つまり、毎日ステロイド外用剤及び保湿剤を塗らなくても良い生活、塗り薬から解放された生活を『理想』と置きました。

『現状』は、ステロイド外用剤がなければ生きていけない生活。ちょっと出かける際でも持っていないと不安な生活。

ちょっと待てよ、そもそもステロイドって何だ?これを理解することなしに、戦略なんて立てられるはずがないではないか!

思考停止に陥っていた自分を恥じたのは、先に話した通りです。




【身を以て認識していた副作用について】


私はアトピーが再発してからの約20年、ステロイドを塗り続けてきたことに対する副作用として、大きく以下の5つのことを認識していました。


1.皮膚が薄くなっている(いわゆる皮膚萎縮)。そのため、ちょっと掻いただけで皮膚が破れ、血や浸出液が出る。

2.常時全身が赤みを帯びている状態である。日焼けに弱く、油断するとひどい水ぶくれに苦しむ。

3.ヘルペスやニキビ、吹き出物ができやすい。また、外耳炎および中耳炎など、感染症にかかりやすい。

4.ステロイド外用剤及び保湿剤がないと生きていけない。私の場合、1泊以上の外泊の時はもちろんのこと、外出時も常に携帯していた。

5.肌(私の場合は主に上半身)が浅黒く、色素沈着を起こしている。


 上記5点において、健康な人からすれば絶対に避けたい状態であると思いますが、私が特に重要視したのは4の状態です。

いつも塗るタイミングで薬を塗らなければ(私の場合は、主に入浴直後)、数時間後には全身に蟻が群がってくるような痒みが襲ってくるのです。

それがなくては、日常生活を送ることがままならない状態であることを意味します。


これは完全な依存、あるいは中毒状態にあるのではないか。お酒を飲まずにはいられない人をアルコール中毒、タバコがどうしても止められない人をニコチン中毒と呼ぶが、薬に頼らずには生きられない私は薬物中毒者に当てはまるのではないかと思い、それらの定義を調べて見ることにしました。

『依存』とは、臨床精神医学の定義によると、


【身体的依存を伴う、もしくは伴わない、薬物や化学物質の反復的使用である】


とある。身体的依存とは、


【耐性を形成する薬物の慢性的な使用と、急な断薬や減量のために、離脱による否定的な身体症状を生じさせる状態である。生理的依存とも呼ばれる。耐性、離脱症状、薬物の使用の抑制が困難といった特徴が、薬物依存症の診断基準である】


とある。耐性とは、


【病気の治療に用いられる医薬品などを反復して投与するうちに、投与された人や動物が抵抗性を獲得して、効力が低下していく現象のこと。薬物耐性とも呼ばれるが、向精神薬に対する耐性のことを特に薬物耐性と呼ぶことも多い。耐性は薬物依存症の診断基準の一つである】


とある。

アトピー性皮膚炎を患っており、10年以上ステロイド外用剤を塗り続けている人であれば、以上の定義を読んでいただければ、瞬時に、そして直感的に自分がまさに依存状態、中毒状態にあると理解していただけたのではないでしょうか。現に私がそうでした。ちなみに、中毒とは、


【「毒にあたる」の意味であり、生体に対して毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されること】


であります。

ここまで理解したのち、私には次の疑問が浮かびました。


「ステロイド外用剤を塗り続けてきたことによって、身体の正常な機能が阻害されていることは身をもって感じている。ではそもそも、ステロイドとは何なのだ?なぜ『中毒』とも呼ぶことが出来る症状を引き起こしているのか?何より、生体に対して毒性を持つ物質なのか?」


と言う疑問です。

さぁ、ステロイドとは一体なんだ!?

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