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〜はじめに〜

 

アトピー性皮膚炎とは何か。日本皮膚科学会の定義によれば、


『アトピー性皮膚炎は、増悪、寛解(病状が一時的に軽減、あるいは消失した状態)を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くがアトピー素因を持つ』


とあります。この本を手に取られた方は恐らく、ご自身がアトピー性皮膚炎の患者であるか、あるいは、ご家族や身近な人がアトピーで苦しんでおり、なんとかしたいという方であるかと思います。


しかし、アトピー性皮膚炎(特に成人を過ぎても治らないアトピー)は、様々な要因が複雑に絡み合う難病で、根本的な治療法が見つかっておらず、病院の先生によっても診察方法や処方薬が様々であるばかりか、情報も錯乱しており、何が真実かわからない状態です。それだけでなく、このような状況につけ込み、私腹を肥やすことを目的に、高額な医療費や薬代を請求する医者まで出てくる始末。


今のアトピー性皮膚炎を取り巻く状況は、まさにカオス(混沌)と呼ぶにふさわしい。では一体、何を信じて病状の改善及び完治を目指せば良いのか。私の考えを一言で表現するならば、


『自分で考え、実行する』


ということです。こう言うと、


『なんて無責任な奴だ!それが出来ない(分からない)から、こんなに苦しんでいるんじゃないか!』


と、お叱りの言葉を頂くかと思います。しかし、ここで一度本書を読み進むのを止め、しっかりと、以下の質問についてご自身で考え、その答えをノートに書き出してみて下さい。


・なぜ医者の言う通りにしているのに良くならないのか?

・なぜ医者によって言うことが違うのか?

・なぜこの本を手に取ったのか?


何分かかっても構いません。さぁ、一度本をおいて、ノートとペンを用意し、思うがままに書き出してみましょう。




 さぁ、あなたはどう考えたでしょうか。細かいことはゆくゆく話していくとして、あなたは最終的な答えとして一つ、このように考えた(あるいは考えていた)はずです。


「このままではいけない。何が真実かを自分で見極め、行動しなければならない」


 私は、そのように考える人たち、アトピーで苦しみ、将来に不安を感じる人たちのためにこの本を書こうと決心しました。なぜなら、私も幼児の頃からアトピーで苦しみ、また自分よりも辛そうにしている親の顔を見て育ち、30歳中頃になってようやく現代の一般的なアトピー治療に疑問を覚え、様々な情報やデータを吟味し、そこから導いた自分に必要だと考える治療法を実践、及び成果を出している医師の元を訪れ、直接治療法等の話を聞き、また、その医師と正反対の治療法を推進する(最新の知見と最適な医療を融合した、一般病院にはない総合的な診療機能を有すると標榜する)病院でも検査を受け、治療方針を聞き、その上で両者を冷静に比較し、その上で自分の納得いく治療方針を選び、入院を経て、現在ではステロイドはもちろんのこと、ワセリンなどの保湿剤さえ全く必要としないまでに回復した当事者であるからです。


 私は経営学の修士号(いわゆるMBA)を取得し、現在、某医療法人の事務長として活動する傍ら、経営コンサルタントとして、事業の経営相談を受けたりもします。経営コンサルタントとは、業績が振るわない、あるいは業績を伸ばしたいという企業に対して、どこに問題及び強みがあり、会社としてどのように行動することで成長を実現するかを考え、実行を支援する職業です。それには様々なデータや世の中の変化、ニーズなどを捉え、問題の本質を洗い出し、論理的な問題解決法の提示が欠かせません。私は、コンサルタントという職業を、【企業を患者とする医者】だと考えているのですが、私がアトピーを克服することができたのも、根本にはこの考え方があります。それはつまり、



『何が真実(あるいは問題)かを見極め、実行する』



ということです。そのためには様々なデータや情報を自分なりに精査し、一段一段階段を登るように、論理的に自分の症状と向き合い、治療法を導かなくてはなりません。この本を手に取ったあなたは、過去の私と同じように、現在の医療方法に疑問を覚え、真実を求めているはずです。その気持ちさえあれば、ゴールはすぐ近くに迫っています。


そのために、あなたが一番恐れなくてはならないのは、


『あの先生が言っているから間違いない』

『テレビで言っていたから間違いないでしょう』

『あの新聞にそう書いてあったんだから間違いない』


と言った考え方です。これを【思考停止】と言います。こういうタイプの人は、教育制度の問題もあり日本には多く存在しますが、もしあなたがこれに当てはまる節があるならば、直ちにこの考えは捨て、自分の頭で考える習慣を養わなければなりません。なぜなら【思考停止】が習慣化している人は、権威やメディア、あるいはあなたに何かを売ろうとする経営者に取って、格好の《カモ》となってしまうからです。ここで忘れて欲しくないのは、病院も営利目的で経営される企業の一つであるという事実です。この事実が、成人の難治化アトピーを生み出す結果となったのは疑いようがありません。この辺りも後に詳しく説明します。



 本書は、結果的には『脱ステロイド療法』を推進するものです。なぜなら、私がその方法でアトピーを克服することができたからです。この本は、以下の思いを抱く人たちにとって、価値あるものであると断言します。


・ステロイドを塗り続けてきたが、未だ完治しない

・この先もずっとステロイドを塗り続けなければいけないのか

・子供が生まれたのだが、ステロイドを塗った皮膚が子供に触れても大丈夫なのか

・アトピー性皮膚炎を持った我が子が可哀想でならない

・アトピー性皮膚炎にとって良いと聞けば、すべて試してきた(あるいは試したくなる)

・ステロイドに副作用はあるのか

・プロトピックは安心して使えるのか

・脱ステロイドを推進する医者は、なぜこんなに少ないのか

・なぜ脱ステロイドを批判する医者が多いのか

・良い主治医を見つけるにはどのようにすれば良いのか


 私は、医師免許を持つドクターではないので、当然直接患者を診断したことはありません。しかし、本書を書くにあたってはそれが大きな強みとなりました。なぜなら、門外漢の人間だからこそ、なんの遠慮もなく、誰に媚びる必要もなく本書の執筆が可能でしたので、実際に経験した事実や病院名も事実通り、真実を言えるという点です。医療業界は、業界人から《リアル白い巨塔(山崎豊子氏の長編小説。医局制度等、医学会の腐敗を鋭く追及した社会派小説で、度々ドラマ化されている)》と揶揄されるように、未だ闇が深い業界です。権威に逆らえば、業界で生きていけなくなるなんて事実はザラにあります。ですが、そんな業界事情は私には関係のない話。私は、私のようにアトピーで苦しむ人が一人でも少なくなればそれでいいですし、それこそが本書の目的であります。


 本書を執筆するにあたって、様々な医師、大手製薬会社のMR(正式には医薬情報担当者と呼ばれるが、要は製薬メーカーの営業)の方達にも話を伺うことができました。彼らの名前は先に言った点から明かすことはできませんが、皆様に真実を伝え、一人でも多くのアトピー性皮膚炎の患者を減らす大きな役割を担っていただいたことに、感謝を伝えます。また、脱ステロイドで予想される離脱症状を乗り越えてみせる決心させてくれた、生まれて間もない娘と、彼女を産み、そして脱ステによるリバウンドで苦しむ私を支え続けてくれた妻に大きな愛と感謝を。



あなたのアトピーは必ず良くなります。


さぁ、その一歩を今踏み出そう!

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