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七つの国に架かる橋《加筆修正作業中》  作者: くるねこ
番外編 ノクティス
55/60

23






 買い物へ行ってから数日たった。

城へ商品が到着した。


「こんなに、何を買ったんだ?」


なぜか執務室へ届けられた紙袋が五つ。


「見習いのみんなとミラやコルヌにプレゼントよ。」


そういいながら箱を一つ取り出し、中身を確かめて、机に置く。


「これはオーギュームさんへ」


神袋から小さな紙に包まれたものを取り出し、渡す。


「わたくしにもですか?」

「いつも面倒をかけていますから」

「ありがとうございます。」


包みを開けると中からヒヒの横顔、そこからファーファレノがぶら下がっている。

ブローチとしてこの場で胸に付けてくれるのはうれしい。


 紙袋を持って執務室を出る。


 店へ行き、皆へ配ると


「いいんですか!」

「これ姉ちゃんも持ってた!」

「気に入ってもらえると良いのだけど」


オーギュームさんと同じブローチだがファーファレノのではなくマームが付いている。


 寮でも似たような反応をしてくれた。


 私室に戻りミラとコルヌへ渡し、コルヌはカフカスの分も渡すと


「自分は恐れ多いからと買うことがないので兄もきっと喜びます!」


カフカスは人一倍愛国心があるようだ。

ヒヒを身に着けることこそ国への忠誠心だといわれ、軍服のボタンにもデザインされている。

でも、逆に愛国心が強すぎて失くすのが怖く、身に着けることも持つことも怖いという人は失くしただけで国を裏切ったと思うような人もいる。

そこまで重傷ではないだろうがカフカスもそのたぐいなのだろう。


 ギーを見つけたのは王女の元へ行こうと庭園へ出たところだった。


「あら、今行くとお邪魔ね。」

「そのようですね。」


私の方へフェーリアが歩いてくる。


 王女は東屋で以前のように椅子に座っているがギーはその足元に膝を付いている。

何をしているのかなとフェーリアに目を向けると


「何か御用でしょうか?」

「安物ですが先日の精油のお礼を」


「あら、それは流行りお店の神袋! 王女は町に行くことができませんから気になっておられるのです。お喜びになりますわ。」


回路の途中にあるテラスに置かれたテーブルセットに座り、二人の様子をみる。


「そんなに人気なんですかここ?」


フェーリアの分を先に渡すと早々にエプロンの胸元に付けてくれた。


「数か月前、パーティーでノクティス様が来ておられたドレスの刺繍がとても話題になりましてね。家紋や好きな物を目立たず刺繍させるのが清楚で上品、さらにあのすっきりとしたシルエットのドレスは注文殺到だそうですよ。王女は自分の身長では似合わないと断念されていましたが」


そうだな。

確かに背の低い人には似合わないかもしれない。

私がやけに背が高いというのもあるが


 「二人はあそこで何をしているの?」


東屋へ目を向けると王女が恥ずかしそうに笑っていた。


「毎月恒例の愛のささやき大会です。」

「……え、何それ?」


愛のささやき大会なんてなんでやっているの? 


と、聞きたくなったが今日の日付を思い出す。

毎月この日に仕事を休んで、ゲラダ王子のところに報告へ行っていたのだと思っていたが本来の目的がこっちだったのかと思ってしまう。


 お茶を飲み終わっても愛のささやき大会は終わっていないようで仕方なく、フェーリアに王女へ渡す物の箱とギーの分の時計チェーンをお願いすることにした。

懐中時計ポケットに入れているギーだがチェーンはつけておらず、位置とポケットに入れ損ねて落とし、秒針が外れたことがあった。

直すのにも時間がかかっていた。

ヒヒやファーファレノ、バラを並べたチェーンなのだが、見た目が派手にならないようにガラスはすべて透明にしておいた。


「王女もグローリア様も喜びますわ。」


フェーリアに挨拶をして、厨房にもよって、私室へ戻った。






 アヌビス様が手紙を寄越してから約一か月たった。

朝日で目を覚ますが身動きが取れない。背中にじっとりと汗を掻いている。

密着した感覚、腹部の圧迫感、私が抱きしめているのは長枕。

最近、枕を抱きしめたまま寝がえりを打ってしまうようで境界で置いた意味がない。

ゲラダ王子も枕を抱きしめて寝ていることもあるためか今日は枕の変わりにされている。


 サイドチェストに置かれた時計を見るとまだ起きるには早い。

とはいえ、二度寝する時間ではない。

動けないため少しボーっとしていると目の前が雨に変わる。

花を閉じたポルンチュが暗い印象を以前見たときの美しいオアシスに与えている。


 オアシスを歩くサンスはドラドラに何か指示を出していた。

そして指さす湖の上を青い鳥がドラドラに引きずられるようにやってきた。


 そこで急に視界が空へ引き付けられ、サンスがだんだんと小さくなっていく。

空の果、暗い色の雲の終わりに黄色い砂漠と青い海が見える。


 腹部を強く抱き寄せられたことで目の前はベッドに戻ってきた。


「どうした?」


眠たそうな声が耳元で聞こえる。


「ウィーンドミレの雨季が開けるわ。」


腹部の拘束が解かれたため起き上がる。


「そうか、ならそろそろ動き出すだろう。」

「何が?」


同じように起きあがったゲラダ王子はあくびをしながらそういった。


「オリーブの特務からの報告で雨季明けには何やら怪しい催し物があるという話だ。」

「怪しい……」


何だろう。

力で見たことはない。

遠くを見るこの力、最近よく見えてしまう。


 「あ!」

「まだ何かあるか?」


今まで普通に口にしてきたが、ゲラダ王子は一度も不思議と思っている様子はない。

特務から巫女について報告を受けているのだろうか。

それならば、何か言って来るものではないかとも思えるが、ゲラダ王子の性格を考えると最後まで言ってくれない可能性もある。


「……何も言わないから言わないことにする。」

「何をだ?」


鼻で笑われた。


 いつも通りに朝の支度をして、朝食をとって、今日は何をしようかと考える。


 店へ行き、薬を煎じながら今日のやることを考えるがすっかり私無しでも店が回っている今、使用人用の食事もおいしくなったため私の料理や食べたいとも言われない。

また買い物へ行こうかとも思うが前回の買い物が大きかったため持ち金はもうそんな多くない。

お店の利益は見習いのお手伝いのお給金と仕入れ、光熱費、水道代、そして改装費用の返済にあたっているため私の手元にはメディコスさんへの謝礼のあとに残った金額だけが入る。

食費でほとんどが消えている。

まあ、食費と言ってもほとんどがお菓子に代わっているのだが


「ノクティス、それ以上粉にすると外殻と中身が分けられなくなる。」

「あ…」


手元の薬草、小麦のように殻に入っている物をすりこぎで煎じながら殻を外していたが気が付いたら殻は粉々、中身の胚乳も外側の黄色くなっている部分が剥がれたようで、白い粒が見える。

やりすぎて半分に割れている物や、もう粉になった物もあるだろう。


 ふるいにかけながら粉と胚乳に分ける。

ボールからはみ出した飛んだ殻を小帚で集める。


「なに考えていたんだ?」


なんだか楽しそうなメディコスさん。

いつもより良いことがあったのだろう。

手元の手紙からして良い知らせだろうか。


「メディコスさんは何か良いことありましたか?」

「なんだ。わかるか?」


聞いてほしそうに見えたため聞いてみたがいつも以上に上機嫌で笑ってしまう。


 「前に隣国にいる白魔術師の友人から手紙が途絶えたと言っただろ。」

「黒い斑点の方ですね。」


私も気になっていたことでお茶を用意して、作業を進める。


「どうやらクサリキノコに感染し、寝たきりになっていたようだ。」

「もう大丈夫なんですか?」


クサリキノコで寝た切りとは、世話をする人もどんどんと倒れかねない状態だ。


「ああ、サンスがうまくやったらしい。あの子がいれば城にゲラダ王子もいるから医務室は楽になるだろうな。」


サンスの方が薬に詳しいし、アヌビス様を嫌いで拒絶したのはおそらくあの性格ゆえ、それに比べたらゲラダ王子程度の性格なら逆にちょっと困惑しそうだが、長く居ればきっと私と同じ……あの子の性格ならそれ以上に仲良くなれるだろう。

地位なんて、グリゼオと解れば反対と賛成が同数になりそうだ。

なんて、遠い目をしていると


 「ノクティス様! 一人で動き回らないでください!」


店のドアがいきなり開いたとコルヌが駆け込んできた。

皆が作業の手を止めて呆気になって見ている。


「コ、コルヌ…? どうしたのそんなに急いで……」

「ドレスが到着しましたので着てもらおうと思ったのに!」


そんなこと聞いてないもん。

どこか行っちゃうよ。

私が一日部屋にいたことないでしょ。


と、いいたかったがコルヌに引きずられ店から連れ出された。


 城の敷地に入ると普通に歩かせてもらったが、門番さんが不思議な顔をしていた。


 部屋に戻ると山のような箱の山。

二回も使いましたが山があります。


「何これ……」


「当初は婚約者選定終了お披露目パーティーのドレスと国際会議のドレスの二つだったのですが、使用人たちへのプレゼントのお礼にほかにもいろいろと用意させていただきました。衣裳部屋にあった一度も着ていないドレスや靴、アクセサリーは趣味に合う物だけ残して撤収しました。」


私が部屋に入りきるのか聞こうと思っていたら先手を打たれた。


「さあ、一度着てから閉まっていきましょう!」


 その後着せ替え人形のごとくたくさん着せられ、靴を履いて、アクセサリーを付けて、ターンをして脱がされる。

その繰り返し。

ドレスが数着終わるとちょっといい普段着は帽子やパラソルなどもある。

それも終われば普段着のワンピース、そして仕事着と白衣だ。


 白衣は良く汚すからあるとありがたいが仕事着はたくさんある。

衣裳部屋へどんどん仕舞われていくが


「まだまだ入りますね。」


「こんなに着なわよ。その、婚約者選定終了お披露目パーティーなんかが終われば私はここを出ていくのよ。」


そう言ったところでコルヌはにこやかに笑うだけだった。






 王女とのお茶会でちょっとおしゃれな普段着にパラソルを差して庭園を歩く。


 でも、私の視界は一瞬で冷たい海へ変わった。

ふわふわと、ゆらゆらと浮いているような感覚の後に背中から引き揚げられた。

男の人がしゃべっている。

どこかで見覚えのある人だ。

抱きあげられ、布にくるまり、視界は森の中を駆け抜ける。


 「ノクティス様。どうしたの?」


王女の言葉で目の前が庭園に戻ってきた。


「…あ、いいえ、何でもありません。見事な庭園に見とれてしまって」

「そう、ならいいのだけど」


今までこんなことはなかった。誰の目線だろうか。

男の人がずっと話しかけて着ていた。

その口元が『サンス』に見えたのは心配のし過ぎか。

なんだか私の方が全身ずぶぬれになった気分だった。


 お茶会後、執務室に向かおうとすると


「ノクティス!」


今この城にいない人物の声に振り返る。


「アヌビス様、お帰りだったのですね。お一人ですか……?」


サンスは一緒じゃない。

私は顔に出やすいようだ。

言いたいことをすぐに察されてしまう。


「サンスはウィーンドミレ脱出時に川へ落ちてしまい、そこから行方知れずだ。」


じゃあ、先ほど見たあの光景は本当にサンスだったのだろうか。


「……海へ」

「なんだ?」


小さくつぶやいた言葉を拾われる。


「海まで流され、リポネームにいる…あの人はサンスのお兄さんだったかしら?」

「ノクティス?」


アヌビス様が急にどうしたのかという顔をするが何かと思い出したかのように


「海へ行って、リポネームに流れ着いたんだな!」

「え、あ、はい。」


両肩をつかまれ、前後に揺らされ眼鏡が落ちる。


 「アヌビス、ノクティスが吐く前にやめろ。」


揺れが収まり、頭がくらくらし、後ろへよろける。

それをゲラダ王子が支えてくれた。


「俺への報告もなしに何やっているんだ?」

「サンスの居場所が分かった。船を出す!」

「待て!」


アヌビス様の服の襟を後ろからつかんだゲラダ王子。

そのせいでアヌビス様は首が閉まり、つぶれたカエルのような声が出る。

実際につぶしたことはないのだが


 「お前は執務室から出るな。荷物がたまっている。」

「そんなことしている場合じゃ!」

「女を追いかけて他国でずいぶん好き勝手しているようだな。ウィーンドミレの報告書を最優先に溜まっている仕事が終わり次第出立していいが、ウィーンドミレからの苦情があのへっぽこ王子から山のように着ている。」


へっぽこ王子で誰だろう。


 ウィーンドミレには二人の王子と一人の王女がいるが表に出るのは第一王子と第一王女が中心で、王女は先日、家臣の家へ嫁いだという記事が新聞にあった。

第二王子は表に出ない分、法改正などの提案をしているが兄と父からの反対で何も進んでいないようだ。


 「国際会議もある。会議の場で陛下が恥じをかくようなことのないようにしろ。」

「……解りましたよ。父上に迷惑はかけられません。」


二人はそれぞれの執務室へ向かっていった。

特にすることのない私が付いて行っても邪魔なので散歩でもしようと庭園に戻る。


 回路から階段を下りて芝の上に出ようとすると足に何かが引っかかる。


「師匠!」


シルバだ。

回路を走ってシルバが来ると認識するとすぐ隣が急に暗くなった。


 何かと思っていると地面に茶色い水たまり。

匂いもないため泥水だと思われる。


「うわ!」


シルバが驚いたような声を出す。


「危なかったですね。でも、なんで急に?」

 「悪い悪い。」


上から声がした。

庭へ手で、太陽の眩しさにパラソルを開き、見上げる。


「ちゃんと栓してあったんだけどな。」


そういいながら首をかしげるのは城の庭師の男性。

庭園は外部のリリアたちにお願いしている老年の方で、今はもっぱら、王妃や王女の近くに植木の花を置くための作業をする人となっている。

どうやら回路の上で作業中、水が溜まっていた雨どいは泥水になってしまったため栓をして詰まらせないようにしていたようだ。


「お気になさらず」

「でも、師匠のスカート泥付いちゃいましたよ?」


そこは黙っていてあげようよ。

と、思いつつ、


「この程度すぐ落ちるから部屋に戻るわ。」


シミ取り以外にやることないが今日はもう部屋でおとなしくしていよう。


 浴室で洗った服をミラがもう一度洗ってくるというので、たらいに入れて預ける。


 なんかやることはないかとコルヌに聞くと


「刺繍が得意と聞きましたので道具がそろっていますよ。」


とのこと、仕方なく、特にやることもないためソファーでチクチク、作業をする。


 夕方、もうすぐご飯時、部屋がノックされ、コルヌが開けるとまた箱があった。処理してくるというのを見送る。






 それから一週間近く立った夕飯前、今日もノックのあとにドアを開けると箱があった。

コルヌが出ていき、私は手元を見るがこれで何枚目かというほどハンカチに刺繍をした。

もうあきたな。

と思うと視界の端で何かが動く。

窓際で黒い物が動いたように思ったがそこには誰もいなかった。


 夕食の席、食事が運ばれてくる前、珍しくゲラダ王子が口を開いた。


「悪いがこれからリポネームへ行かなくてはならなくなった。少し開けるがそれぞれ今まで通り生活するように、何もないように」


何だろうか。

念押しされた。


 食事をとることなくダイニングを王子が出ていくとそれに続いて候補たちも立ち上がり、


「あんたたちと食べる理由ないし」


そう言ってグッダ令嬢がでていく。


「王子がいないのなら部屋で食べるわ。」


インペラートル令嬢がメイドに言いつける。


「そもそも、奴隷と食べる食事なんてまずいのよ。」


クリスタルの見下したような眼が私を見ている。


 耐えきれなくなり、ダイニングを出るとオーギュームさんがおり、


「これを」


と、手紙を渡された。

差出人はゲーラだった。


「とても今更な話ですがゲーラとは王子のあだ名、幼名、愛称のようなもので、親しい者だけに呼ばせる大切な名前です。王子は信頼している人にだけ呼ばれたい名前なのです。」


一礼して離れていく。

コルヌとともに部屋へ戻ると窓の外が明るかった。


 テラスへ出てみてみると城の白魔術師、灰魔術師見習い数名、赤坊隊、海軍の制服が整列していた。

もう出発なのかと見下ろすが、そこにゲラダ王子はいるがアヌビス様はいなかった。


 すぐに城の裏門より出発し港へ向かっていった。


「ともに応援要請をしたケティーナはもう出発しておられます。我が国も急がねばなりません。」

「何があったの?」


コルヌは手元の手紙を読むように言った。


 対国リポネームが自警団からの仕掛けで内戦が勃発してしまった。

だが、どうやら裏で糸を引いている者がいるようで、国民の避難のための船を出してほしいという手紙がサンス・オールの名とともに届いた。

だが、我が国は現在ウィーンドミレと交渉中。

行きはナトラリベス、アクアムの海上を行くが、帰りはウィーンドミレを通る。

ケティーナは水源条約があるため手を出されることはないが我が国は先日の一件以来、いつ戦争を仕掛けられてもおかしくない。

何とか交渉により、すべての解決を国際会議の場へ。

それまでに手を出した国は多大な賠償金をはじめとした処罰を戦後に下すことになるだろう。


 とのこと、戦争を吹っ掛けて、勝っても損、負けたら大損、これなら仕掛けてくることはないだろうが、船の上は逃げ場がない。

何もないといいが、そう思いながら湯浴みへ行くことになった。


 湯船につかって、手紙の内容を思いだす。

自警団を吹っ掛けた者も気になる。


 天井を煽り、ボーっとしていると目の前が森に変わった。

バタバタと鳥が落ちてくる。何があったのかと思うとサンスが駆け抜けていった。

あとを追いかけようとするとも、体は動かなかった。

その時、急に息苦しく、頭を押さえつけられている感覚に目の前が戻る。


 花びらの浮く湯船。私がもがくことで気泡が水中を舞う。


「ノクティス様!」


水中ではこもった音で聞こえたがミラが浴室に入ってきたのだろう。

頭を押し付けていた手が離れ、ミラに引き上げてもらった。


「ゴホッ、ゴッホッ……」


飲み込んた水を吐き出すために咳をするがのども鼻も痛い。


「大丈夫ですか? 医師を」

「…平気、大丈夫……」


顔面からおぼれるわけがない。

そんなことは引き上げたミラもわかっているだろうが


「今日は早く休まれましょう。」


荒い息を整え、浴槽の淵で疲れ切っている私。

ミラにより栓が抜かれる。


 バスローブを羽織って近くのカウチへ座り、髪の水気を取ってもらう。


 冷たい物をもらい、飲み干せばだいぶすっきり、体力も回復した。

でも、ミラの言う通り早めに寝ようと浴室のドアをしっかりと鍵も閉めて寝ることにした。







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