表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七つの国に架かる橋《加筆修正作業中》  作者: くるねこ
番外編 ノクティス
PR
35/60

3

以前、5・6として掲載していた物になります。

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。






 「旦那様、奥さまが……」


誰かに連れていかれてしまった。

という前に口を閉じる。

旦那様は私が言いたいことが別の要件だったことに気づくはずもなく、


「ああ、そうだ。妻がせっかくの成人の祝いに出席できないこととても残念だといっていまして、体調がいい日に謁見を希望しております。」

「いつでも構わない。学校を卒業すれば城から出ることも少なるからな。」

「ありがとうございます。」


これで終わり、クリスタルは何も話せなかったと残念そうだがこれでいいのだ。


 先ほど見た光景は何だったのだろうか。

奥さまが担がれて運ばれていった。

動けない奥さまを運ぶのは簡単なこと、

見たことのない森の中、

川へ架かる橋、

古びた石作の小屋へ

入っていく奥さまを担いだ男ともう一人、細身の男がいた。


 言うべきだろうか。

旦那様はもう疲れた様子だ。

ただ見えたといっても知らない場所で、さらに城の中から見たなんてきっと信じてもらえない。

きっと一瞬、夢でも見ていたのだろう。


 そんなころを考えながら馬車は屋敷に戻ってきた。


「旦那様!」


母の悲痛な声がする。

その後ろから執事に支えられた父も来た。


「お父さん⁉」


何があったのかと駆け寄ると


「大変です。奥さまの姿が消えました。先ほど……」


そういいながら取り出した手紙を読む旦那様は開いた口がふさがらないといった顔で膝から崩れた。


 クリスタルが心配気に付き添い、手紙を見ると


「身代金……!」


私も駆け寄り手紙を見る。


「夜明けまでに下記の金額を用意できない場合伯爵夫人を殺す……」


汚い字、紙も粗悪品だ。


「どうやって侵入したの……?」


屋敷の警備は万全だ。

母も父も屋敷にいるし、シーアさんはできるだけ奥さまの近くにいる。


 「実は、屋敷の前で事故が遭ったんです。商家の坊ちゃんがケガをしたのでその手当をするために奥さまに許可をもらい、屋敷にあげたのですが馬丁の男が付き添って、気づいたときには応接間で相手をされていた奥さまがいなくなっていたんです……」

「シーアさんは一緒じゃなかったんですか?」


母親に動揺して敬語で聞いてしまう。


 場所は執務室に移動した。


「シーアは頭を強く打ったみたいで目を覚まさないんだ。」


もう立っているのもやっとのクリスタルが倒れそうになるのを支え、部屋へ連れていく。


 「そこに座って、ドレスを脱がすわよ。」

「……うん。」


気のない返事に手早く脱がし、入浴準備ができたといわれ、メイドにクリスタルを渡す。


 旦那様の元へ戻る途中、母とすれ違った。

旦那様も今着替えているようで、シーアさんの様子を見に行くところだというため付いて行くことに


 「奥さまを連れて逃げる場合、どこを通って逃げたんだろう。奥さまを担いでいた場合目立つのに……」

「……ん? 奥さま担がれてたの?」


あ、違う。

これは


「夢の話だった。忘れて」

「夢……遠くが見えるの?」


妙に食い気味に聞いてくる。


「遠く……そうね。遠くだと思う。でも見たことない場所で森が合って、川に橋があって、小屋があるの。そこにね、大きな男に奥さまが担がれて、細い男と入っていくところだったの。挨拶中にボーっとしてて、夢見ちゃったみたいなの。だめだよね、馬鹿だよね。」


何てちょっとふざけたことを言ってみたところで母の顔があまりに真剣でどうしたものかと考えてしまう。


 シーアさんはまだ目を覚ましておらず、屋敷お抱えの白魔術師も心配気に付き添っていたが何か変化があったら連絡するとし、休んでもらった。


 眠っているシーアさん以外、他人の居ないこの部屋で母は私と向き合うように座った。


「これから話すことはお父さんにも言っていないの。絶対にほかの人には言ってはいけないの。約束できるわね。」


声に出さずうなずく。






 母の産まれはウィーンドミレ。

巫女のために用意されたとはいえ、狭い部屋だったという。


 ウィーンドミレの巫女、表向きは国の祭事を担う役職なのだが実際はほぼ軟禁生活を送る複数のピスティアの血が混ざるテリーで遠くの雨の切れ間を見て、雨が上がるから祭事の用意をするように言ったり、作物の実りが悪くなる原因がリポネームからの冷風が原因だと当てたり、実際は長年受け継いできた知識で学識的根拠のある占いに似た感覚である。


 その巫女の選考から戦力外といわれた母は簡単に王族にナトラリベスに売られたという。


 ウィーンドミレとナトラリベスの奴隷の売買は有名だ。

いったいどこから売れる人間を集めて、売っぱらっているのやらと思っていたが自国の民を売っているなんて国だ。


 どうやら私には遠くを見るという能力があるようだ。


 意識して使ってみるように言われたがどうやって使えばいいのかわからない。

母も能力がないから売られた身のため使い方は解らない。






 「とにかく、秘密よ。偶然使えただけかもしれないし、今後も使えるとは限らない。」


まるで自分に言い聞かせるように母は何度もうなずいていた。


 朝が来た。

身代金は用意できたのだろうか。

あの後クリスタルが近くにいてほしいというため私は彼女のベッドに一緒に入り、眠りについたが、目がさえている状態で全く眠気はこないまま、遠くに朝日が見える。


 部屋の外があわただしい。

何か起きたのか。

そう思ってベッドから抜け出し、廊下を覗くとそこには旦那様に運ばれる奥さまがいた。


 血の気の引いた肌、

青紫の唇、

二度と開くことのない瞼。


死んでいるのだと直感してしまう。


「ノノ?」


クリスタルが起きてしまった。

こんな状況を見せるわけにはいかないと思っている私とは裏腹に旦那様は


「クリスタル、来なさい。」


冷たい声だった。






 葬儀中のクリスタルは実に冷静だった。

シーアさんが泣き続け、使用人たちも涙を流しているこの状況でクリスタルは涙一滴見せなかった。


 母親が死んだのに、と、噂する人もいる。

旦那様ですら意気消沈といった様子でうなだれている。


 土葬が終わり、屋敷に帰ってからクリスタルはベッドへダイブした。

しばらく使うことのないだろう喪服にしわが付くぐらい今日は良しとしよう。



 身代金の受け渡しのため遠く離れたナトラリベスとの国境近くにお金の入ったカバンは置かれた。

誰が受け取りに来るのか監視していた最中、奥さまの遺体は屋敷の前に捨てられていたのが見つかった。


 犯人を目撃した人は誰もおらず、監視していた者が一瞬目を離したすきに金だけが消えていたという。不可解な話だ。



 数日学校を休んだクリスタルが登校すると生暖かい目で見られた。

担任の計らいで私も教室へ同行し、クリスタルの様子を見ていたが授業の内容は全く頭に入ってきていないようだった。


 家に帰っても変わらず、お茶を飲んでお菓子を食べて、本を読んでいても、刺繍をしていても全く手が動いていない。そもそもどちらも苦手としているクリスタルが始めたことには驚いたが両方とも奥さまの趣味だったことだ。

 クリスタルが夕食も取らずに寝るというため私の仕事は終わった。


「旦那様にお夜食とコーヒーを持って行って」


シーアさんは近いうちに仕事をやめて実家に戻るらしい。

母の仕事が増えるためその手伝いをすることになった。


 ドアをノックし、


「失礼いたします。お夜食をお持ちしました。」

「ああ、開いている。」


以前と変わらない返事が返ってきた。


 夕食は部屋で食べたのかワゴンこ事残っていたためそれを持って部屋を出ようとした細くなっていくドアの隙間、旦那様が笑っているように見えた。






 月日が流れていくにつれ、クリスタルの性格の変貌は皆を驚かせるものだった。


「ごきげんようリーリア様」

「ごきげんようクリスタル様、今日も美しい御髪ですね。」

「ノノがやってくれたの。私、もうノノがいないと生きていけないわ。」


もったいなきお言葉でございます。

なんて返して教室に入っていくのを見送る。

そんなクリスタルへにらむような視線を送るのは以前、お茶会などによく来ていた成金貴族の令嬢とその取り巻きだ。


 ゲラダ様の成人のパーティーであのお方がどういう思想をお持ちなのかが分かったクリスタルはあのお方に好かれたいと必死で淑女になり、奴隷差別、人種差別を口にしなくなった。

それでも家では


「あの女本当にむかつく。死なないかしらきれいなのは髪だけじゃなくてあたしもでしょ!」


なんて言っているんだから元も子もない。

もとは変わらないのだ。

対外的は面だけ見繕い、素敵な女性がいるという噂が城まで届くと言いな、なんて安直な考えでいるが、そこは旦那様が娘を売り込んでいるため多方面からお見合いの話も来るほど素敵な女性として広まっている。


そのすべてを蹴って、ゲラダ様からお声がかかるのを待っているのだからあほらしいと思ってしまう。


 「さて、今日も素敵な淑女を演じるわよ。」


まるで二面性のある私素敵。なんて思っているかのような言葉にため息をつく。











 学校内でのクリスタルの評判は上々だ。


「ごきげんようお姉さま」

「ごきげんよう。今日もいい天気。」


なんて返せばキャーっという声とともに女子生徒は校舎へ走っていった。


「どうしたのかしら?」

「そんなことより、早くいかないと遅刻するわよ。」

「放課後二人でお茶に行かない? 昨日クラスの方においしいお茶のお店を教えてもらったの。」

「いいわよ。その代わり、今日のダンスの授業がテストだからしっかり合格してきてね。」

「もちろん。昔よりもダンス楽しくなってきたから、頑張るわよ。」


無邪気、愛らしい素敵な上級生と噂されるようになり、家に帰っても、昔ほど毒を吐かなくなった。


 授業は順調に終わり、校舎を出るとこれまた数名の令嬢に声をかけられ、丁寧に返しながら校門を出るまでたっぷり一時間かかる。

そこから馬車へ乗り、町へ行く。クリスタルのクラスの令嬢おすすめの店は確かにおいしいお茶の店で、帰りに茶葉と菓子をいくつか買って帰った。


 「おかえりクリスタル、ノクティス、遅かったな。」


玄関ホールにいた旦那様が私たちに気づき、さらに私の荷物を見ると笑顔になる。


「二人で出かけていたのか。どこに行ってきたんだ?」

「ただいま戻りましたお父様。ノノとクラスメイトおすすめのお店でお茶をしてきたの。とっても紅茶がおいしくて、ノノが買ってくれたからお父様も食後にいかがですか?」

「ああ、そうだな。たまには娘の学校生活の話も聞きたいしな。」

「はい。では、宿題もありますし、失礼いたします。」


間もなく十八歳となるクリスタル。

私も今年で十六歳となった。

お嬢様付きのメイドとして最も長く勤めている。

前までは奥さま付きのメイドの一部が産まれたときからついていたのだが、あの事件以降、どんどんとやめていってしまい、見習いの使用人が増えた。

その中には数名奴隷もいるが島外から来たようで国のことから、この家のことから、いろいろと教育しなくてはならず、仕事が日に日に増えていく。


 私の両親は今、旦那様に替わり、ナトラリベスへ大使の仕事へ行っている。

戻ってくることもあるがこの一年は忙しいようで連絡もない。

元からこまめに連絡を取る人でもないため気にしていない。

 夕食が終わり、楽な服装でクリスタルと旦那様は紅茶を飲んでいる。

旦那様は少しお酒を入れて、クリスタルはミルクたっぷりで、


「それで、その方のドレスがとてもステキでどこの仕立屋なのか聞いたらうちと同じところだったんです。最近どのドレスも少し苦しくなってしまってそろそろ新しい物が欲しいのですがいいですか?」


前置きの後に本題をいう辺りは貴族らしい会話だろう。


「そうだな。体の成長も著しい時期だ。すべて作り直してしまえ。装飾品も併せて買いなおしてもいいだろう。そろそろ時代遅れのものや子供っぽいものも多いだろうからね。好きなだけ買いなさい。」

「ありがとうございますお父様。」


相変わらず娘に甘いと思いながら紅茶のお替りを注いでいると


 「そろそろ成人パーティーのドレスも作らないとな。」

「まだあと半年もありますわ。」

「早いに越したことはない。会場は家のホールを突くとして、招待状も送らないといけないし、食事も一流の食材を準備しないとな。」


何とも楽しそうにいう旦那様にクリスタルは困ったという顔をする。






 学校が休みの日、朝食後から仕立屋を呼び、採寸すると胸囲がだいぶ大きくなっていた。

これは苦しいだろう。

腰回りも少し変わっている。

コルセットや下着も新調するついでに、パジャマも買い替えよう。

仕立屋に話をしている間にデザイン画の山から選別を行っている。


 リストを作り、作る服の数を確認する。


 下着から、日常のドレス、パーティー用と三か月かけて順に到着。

王家からの注文も受けている仕立屋はいつも忙しそうだが、クリスタルのドレスを優先的に納品してくれた。


「なんだか最近、ゲラダ様ったら庶民的な服ばかりを注文されるんですよね。」


の一言にクリスタルは反応、だが、彼女の口から聞くことができないため


「なぜ、庶民的な服を?」


と、聞いてあげると嬉しそうに笑う。


「まあ、お忍びで町を歩き、視察をしているようですが、目的は結婚相手探しではないですかね。女性の好みを話しながらアヌビス様と採寸をされたことがありまして、その時は自立心があって、親の言いなりになっているような女性はどうせ王妃になりたいだけだったり、王妃の父という地位が欲しい家ばかりだと、どうやら令嬢は……」


まで言って言葉詰まる。

クリスタルが急激にうなだれたからだろう。


「では、ゲラダ様は自立し、自身の稼ぎで生活で来るような女性が良いのですね。令嬢だからと親のすねかじりをせず、身の丈に合った生活をしている女性ですか。」


出来上がった成人の真っ白のドレスはいくつもの水晶が付けられており、ライトが当たりキラキラ眩しいがそんな物には目もくれすゲラダ王子の絵を見ている。


 王族の肖像画は十歳の祝いや成人の祝いの際に発売される。

二年前の絵を写真立てに入れて毎日眺めている。

そして、


「よし!」


と、何か意気込みベッドへ入っていった。



 旦那様はナトラリベスへ出張中。

今日の昼頃戻ってくる。

学校へ行かないといけないクリスタルは昨夜意気込んだことを旦那様に伝えたいといい、今日はまっすぐ帰ってくるから時間を作っておくように執事へ言って馬車に乗り込んだ。


「一体何をしようというの?」


馬車に揺られる数分の間に聞いてしまおうと口にすると


「私、卒業したら自立して、一人暮らしをしようと思うの。ノノも一緒に暮らさない?」


一緒に暮らすのは一人ぐらいではないぞ。

と、言いたのを飲み込み、


「私はあなたのメイドなのだからどこへでも付いて行くわよ。でも、生活するには稼がないと、どこか働き口はあるの?」

「もちろん。お父様の許可が出たら交渉に行くつもりよ。」


外の生活を知れば自分がどれほど恵まれているのかわかるだろう。

いい機会だ。

反対はしない。

私も学校以外で外に出るのはクリスタル関係でのみ、自由に街を歩くにはあと四年は努めないといけないが金銭感覚も私はおかしいだろうから勉強機関だろう。


 学校へ到着するとまだ誰も登校していない時間だった。

でも、自分の席に座ったクリスタルは視界に入った物に首をかしげる。


「ねえ、あの席ってリーリア様の席よね?」

「席替えをしていなければそのはずですが……」


私も視界へ入れた光景はまさしくいじめと発展する物だろう。


 「これは片付けた方がいいわよね。」

「そうですね。私が預かります。ほかに気になることがあったらすぐに言ってくださいね。」

「わかっているはこんなひどいこと、誰がするのかしら」


口の開いた箱、誰かが一度興味本位で開けたのか、床に蓋らしき板が落ちていた。


 クリスタルからは箱の中身は見えないだろうが明らかハエがたかっているということは何かの生き物かと箱をのぞき込む。

そこには肉の塊があった。


「生き物ではありませんでした。あ、いえ、生きていたことには変わらないのですが……」


なんて表せばいいかと思いつつ、


「ああ、食用のお肉が腐敗しているようです。昨日はお休みでしたし、この暑さですから腐敗とハエがたかったのでしょう。」


箱に近づくと匂いがする。

蓋をして持ち出す。


 生徒が登校すると数名がきょろきょろとしていたが犯人とは確定できず、名前を憶えておく。



 学校が終わって馬車に乗り込むのが今日はやけに早いと周りは思っていただろうがクリスタルが思い立つと行動が早くなるのはいいところだ。


「旦那様になんて言って許可を取るつもり?」

「そりゃあ、王子の目に留まるために町娘になるって言うわ。それに自立した生活も将来に役に立つだろうっていえば少しの間だけよ。きっと大丈夫。」

「旦那様はあなたに弱いからきっと受け入れてくださるでしょうけど、本当に一人暮らしできるの?」

「ノノがいれば大丈夫よ。卒業まであと半年あるし、生活水準を落とす準備もしないと、買ってもらったドレスも着ないともったいないし」


ふふふ、と、楽しそうに笑っている。


 屋敷に着くと駆け足になるのは昔からの癖で、旦那様の部屋をノックもせずにのぞき込む。


「クリスタル、ノックは大事だぞ。来客中だったらどうする?」


困ったように笑う旦那様にクリスタルはいたずらっぽく笑い、


「もし来客中ならみんなが止めてくれるわ。」


と、言ってソファーに座るため、私は紅茶の準備をする。


 「それで、話とはなんだ?」


世間話もそこそこに本題に入った。


「お父様、私、卒業したら家を出ようと思いますの。」


ガーン、という表現がぴったりな顔をする旦那様を見てクリスタルは楽しそうに笑う。


「家出をするわけではありませんの。自立した暮らしができるようになりたいと思っておりまして、それにゲラダ王子はどうやら庶民が好きなようなのです。私が令嬢なのは隠せないことなので庶民的な令嬢として出会いたいと思うのです。」


旦那様は仕事の手を止めうでを組む。


「その話では私からの支援を一切受けないということだ。つまり働くというんだな。当てはあるのか?」

「生け花の花を下ろしてくださるお花屋さんがずっと人手がなくて店を空けることができないから配達に出にくいと言っていたのです。昔からの吉見できっとお願いすれば聞いてくれるのではないでしょうか。もしかしたらもっといいところを教えてくれるかもしれません。」

「住むところは?」

「それは卒業までに探します。ノノも手伝ってくれますから、ああ、そうだ。家を出る際にノノも連れていっていいですか。ノノはぜひ付いて行きたいと言ってくれたのですが」

「そうか。ちゃんと考えているのなら好きにしなさい。」

「ありがとうございますお父様。」


クリスタルは浮足立って部屋を出ていく。


 私はカップを片付けようと動き出すと


「ノクティス、クリスタルを任せたぞ。」

「もちろんでございます旦那様。」


食器をワゴンにのせ、部屋を出た。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ