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七玉館殺人事件flag3〜容疑者

「さて、じゃあとりあえず現場の様子を確認しに……」

「待つのです!」

 俺は腰を浮かせたが、プーシャがあわてて制した。

「もし外で犯人が待ち受けてたらどうするのです? 死亡フラグだって刺さっているのです。確実に死ぬのです」

 それもそうだが、じゃあどうやって推理しろと?

「とりあえず、知っている範囲の情報を整理するのです」

 なるほど。プーシャ、意外と頭いいな。俺より名探偵に向いてるんじゃないか?

「私が名探偵になってしまったら狼牙さんは死ぬのです」

 やっぱそうだよな……。

「とりあえず、被害者と容疑者は誰なのです? できれば写真も見せてほしいのです」

 えーと、それなら確か、ここについたときに撮った写真が携帯に入ってたはず……。この離れ小島じゃ圏外だし、来た時に写真撮ってからずっとしまいっぱなしだから、だいぶ奥の方に入り込んじゃったな。

 俺は携帯をあけた。そういえば、写真を取った順番は俺の携帯が最後だったから、この写真が正真正銘先生の最後の写真になってしまったわけか……。

「真ん中にいる男の人が被害者さんです?」

「ああ。それが被害者の亀山仁先生。俺達中国拳法同好会の顧問だった」

 過去形で言い切るとき、思わず息が詰まった。あわてて話題を変える。

「一番左が俺で、隣の髪の長いヘアバンドの女子が同じクラスの大津三津子。同好会の会計だ。女子だけど人数少ないから一応練習試合にも出てるな。で、先生を挟んで、その横の背が低いのが一年の尾頭壱矢で、一番右が部長の空西悟。ちなみに俺含めて尾頭以外全員二年な」

 俺はそれぞれの顔を指差しながら説明した。いや、携帯の画面なんて小さいから実際きちんと指せてはないだろうが、口でも位置を説明したからわかるだろ。

「他の二年生の方々が部長さんと会計さん……ってことは狼牙さん、副部長さんです!?」

「そうだよ! ありえないとか思ってるんだろ? どうせ二年が三人ぴっただから自動的に決まっただけだよ!」

 いけない、話題がそれた。

「で、容疑者は狼牙さん含めて四人です?」

「まず違うとは思うけど一応もう一人いるな」

 俺は携帯を操作する。携帯写真は大体とり逃げなのでそういえばあまりギャラリーを開いたことってないな。

「ホラ、このお屋敷『七玉館』を管理してるメイドさんの九厘琴歌さん。先生とは初対面だから殺人の動機がないし、はずしてもいいとは思うけど。離れ小島に一つこのお屋敷が立っているだけだから、外部犯の可能性はないし、容疑者はこれだけだ」

「ふむふむ、わかったのです」

 プーシャはなにやら変なコードを携帯に接続し始めた。やはり携帯そのものには触れないらしく、携帯の位置は全く動いていないのに器用に接続している。そのコードの反対側にはなにやら黒いプリンターのような機械がついている。どこから出したのかにツッコみは入れない。そもそもプーシャがどこの空間から出てきたのか不明なので、同じ空間から出てきたのだろうと勝手に推測。もちろん、プーシャに携帯を壊す意図はないだろうから特に止めない。

 俺が横目で見ると、ガシガシ音を立てながら機械は紙を少しずつ吐き出していた。やっぱりプリンターだったのか、それ。

 死神が持っているだけあって科学では計り知れない特殊な技術が使われているのか、普通のプリンターでは考えられない時間でプリンターから一枚の紙が完全に吐き出された。

「できたのです!」

 できたのは見ればわかる。いったい何ができたんだよ。

「ジャーン! 七玉館殺人事件!」

 そういって彼女が得意げに見せたのは、容疑者全員の顔のアップの写真が綺麗に並べられた紙だった。ご丁寧に先生の顔だけ白黒に編集してある。

「お前いい加減にしろよ!?」

 その構図、自分の顔が次に暗転しそうで怖いって!


さて、いよいよ容疑者の名前が出ました。

犯人を推理するのと同時に名前の元ネタを推理していただけるとありがたいです。

章末のあとがきで元ネタクイズの答えは張ろうと思います。

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