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七玉館殺人事件flag13〜推理は終わらない

それから三週間が過ぎた。最初の一週間は事件のショックが大きいだろうということもあり、俺、大津、空西の三人は半ば強制的に学校を休まされた。もちろん尾頭は港に着いたらすぐ警察に出頭したぜ。で、その後学校に出てったら今度は事件を解決したことがいつの間にか噂になってたらしく、学校中のほとんどの人がヤジ馬として集まってきたりして――。

 そんなこんなで非日常気味の日常にすっかり慣れてしまったからだろうか。

「今日は転入生を紹介します」

 普通ならちょっとわくわくしそうな先生の一言を、当然のこととしてスルーしかけたのは。

 だが、その転入生の顔と名前はさすがにスルー出来なかった。

 だって彼女は――。


「転入生のプーシャ・アルシュバルツです」


「ぷ、プーシャっ!?」

 マジか、まさかこんなに早くお迎えかっ!? あわてて頭の上に死亡フラグを探すが、どうやらないみたいでほっと胸をなでおろす。

「よろしくお願いするのですっ」

 プーシャは俺に向かって微笑みかけ、手を振った。手になんか書いてあるぞ? なになに、『騒いだら殺す』……死神のお約束なのか、それ。


「――で、なんでお前が転入してくるんだよ」

 その日の昼休み、俺はプーシャに訪ねた。同じクラスなんだからもっと早く話しかけてもよかったんだが、転入生のプーシャの周りにはもちろん、相変らず名探偵のほとぼりが冷めていない俺の周りにもヤジ馬が集まりっぱなしで、二人で話せる機会がなかったんだ。

「この前の事件は私としても考えさせられることがあったのです。なので、人間の生死観を学ぶためにちょっとこっちに留学なのです。手続きに三週間もかかってしまったのです」

 プーシャが説明する。そういえば、『手続きなしで現世のものに直接物理的な影響を与える事は出来ない』って言ってたけど、逆に手続きがあれば大丈夫ってことか。

 ちなみに俺は転入生を案内するという名目で、昼食を早めに済ませてあの世からの転入生とともに校内をぶらぶら中。プーシャとの会話に集中していると。

 ズガッ! 何者かに突然足払いをかけられて派手に転倒した。しかも手をつき損ねて顔面を強打。痛ぇ!

「ろ、狼牙さん、だいじょうぶなのです?」

 心配してくれてるプーシャの横で、クスクス笑いの足払い犯人。謝れよっ!

「ゴメン、あんまり足もとがお留守だったからつい……」

 っ! その声は大津!

「それより大変なのよ。私の親戚の結婚式にね、殺人予告が届いたの!」

 なんだって!?

「どうします、狼牙さん?」


 ――まったく、冗談じゃない。

 でも、一人で部屋にこもってるわけにもいかない。


「いいぜ」

 俺は力強く宣言した。

「さすが名探偵!」

 ああ、そう。俺が――


「俺が噂の名探偵、狼牙さ!」



「七玉館殺人事件」、まさかぴったり「死亡フラグ十三法則」の十三話で終わるとは、作者もびっくりです。

最初は全部まとめて一本の短編だったのを分割したので。

次回は大津の親戚の結婚式で殺人事件が起こります。


さて、ではでは、登場人物の名前元ネタ当てクイズの回答を↓

風祭狼牙:ヤムチャ(狼牙風々拳より)

プーシャ・アルシュバルツ:プーアル(名前と名字の頭をくっつけると「プーアル」となる)

大津三津子:天津飯(「大津」の「大」の上に一本棒を足すと「天津」になる。「三津子」は「三つ目族」より)

空西悟:孫悟空(「悟空」をひっくり返し、間に「西遊記」の「西」)

九厘琴歌:クリリン(「クリリンのことかー!」より)

尾頭壱矢:チャオズ(「チャオズ」のアナグラムに語調を整える意味で「イ」を追加し「オズイチヤ」)

亀山仁:亀仙人(「亀仙」からにんべんをとり「亀山」。「仁」は「ニン」とも読めるので)


皆さんは何人わかりましたか?

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