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七玉館殺人事件flag11〜動機、そして死亡フラグ

「空西先輩から大津先輩が亀山先生にセクハラを受けていると聞いて、許せないと思いました。大津先輩のクラスの方にも確認を取って、それで、校長先生に報告したんです」

 大津セクハラ事件、そんな大事件になってたのか。

「校長先生は事実確認のために大津先輩を呼び出しました。しかし、大津先輩に確認を取ったところ、『そのような事実はない』と一蹴されたといわれました。最初は事件の内容が内容だけに、言い出しにくかったのかと思いましたよ。しかし、そのあと僕は見てしまったんです――二人きりで話す大津先輩と亀山先生の姿を!」

 激昂して大声を出す尾頭に、みんなシンとなる。

「はめられた、そう思いました。大津先輩と亀山先生は最初から付き合っていて、僕は二人にまんまと踊らされたのだと。許せなかった――だから」

「尾頭君、違うの!」

 大津が割って入った。

「私も先生には困ってた。尾頭君が報告してくれて、嬉しかった!」

「それならなんで!」

「先生に口止めされたのよ! 空西君が本当は進級できなかったことを聞かされて、私が校長先生にばらしたら先生もそのことをばらすって――」


 尾頭は無言で手近にあった置物を持ち上げた。まさか、全員殺して逃げる気か? 俺たちは身構えた。

 しかし、尾頭はそのまま海側の窓に歩み寄ると、窓に置物を叩きつけた。窓ガラスは砕け散り、雨が降りこむ。金属製の置物は時々崖にあたりながら落下していった。俺は尾頭が何をする気か気づいた。推理とかそんなんじゃない。ただ、今尾頭の頭のてっぺんではためいているのは、まぎれもない――。


 死亡フラグ。


「さよなら大津先輩」

「尾頭君!」


 大津の悲鳴を聞きながら、俺の体は勝手に動いていた。

 俺は窓から飛び降りた尾頭の右腕を、しっかりとつかんだ。くっ、捕まる場所が割れたガラスじゃ、やっぱりキツイか。

「狼牙さん! 何をやっているのです!? このままじゃ狼牙さんも落ちちゃうのです! まだ死亡フラグも刺さったままなのです!」

 わかってるよ! だからって放っておくわけにいかねーだろ!

「それに、尾頭さんは殺人犯なのです!」

 知るかっ! 俺は目の前にいる死にそうな奴を助けるだけだ!

「――わかったのです」

 プーシャは俺たちの前の空中に躍り出た。やばい、そろそろ手がしびれてきた。

 突如、プーシャの手の中に鎌が現れる。プーシャはその鎌を尾頭の頭に振り下ろした。オイっ! まさか!


「止めろ!」


 俺が叫んだと同時に、ふっと体を強く後ろに引っ張られる感覚。

 振り向く余裕はなかったが、空西達が手伝ってくれているらしい。

「風祭、尾頭! 今引きあげるからな!」

 引きあげる力が強くなり、俺と尾頭は引きあげられた。


書いてた時、執筆BGMがちょうどウルフハリケーンのサビでした。

めっちゃノリノリだったんです。そのせいでなんだかかっこいいシーンに。

感想まってます。

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