■139 攻城戦開始
【双銃剣 ディアボロス】 Xランク
ATK(攻撃力)+134
耐久性 21/21
■魔力弾と魔法弾を放てる短銃剣。
魔法弾装弾数 0/6
□装備アイテム/短剣
□複数効果あり/二本まで
品質:S(標準品質)
■特殊効果:
5%の確率で【呪い】を付与。
【鑑定済】
「リンカさん、コレなんか【呪い】付与とか書いてあるんですけど……」
「【呪い】は状態異常の上位種類。【眠り】なら【昏睡】、【麻痺】なら【石化】とかをランダムで相手に付与される特殊効果」
ああ、状態異常を相手に発動させるってことか。この剣自体が呪われているってわけじゃないのね。
ていうか、そんな【呪い】を与える剣なんて呪われているとしか思えないが。
【呪い】の種類も【猛毒】【発狂】【恐怖】【洗脳】【失明】【即死】と禍々しいもののオンパレードだ。【洗脳】ってなんだよ……。モンスターを操れるのかね? まったく悪魔とは言い得て妙だな……。
発動確率は5%と高くはないから、そこまで有効ではないかもしれないけどさ。
「んで、これって魔法弾も撃てるんですか?」
「シロちゃん自身のMPを使って撃つ魔力弾と、あらかじめチャージされた魔法弾のどちらかを切り替えて撃てる」
チャージされた属性弾を撃てるんじゃないのか。
リンカさんに言われるがまま、海へ向けて引き金を引くと、先ほどのレンと同じく魔力の弾丸が勢いよく発射された。
「けっこうMPが減りますね」
「シロちゃんはINTやMNDが低いから変換効率が悪い。それは仕方ない」
うーむ、あくまで補助として使った方がいいということか。INTが低いから威力もそこまで高くないみたいだしな。
僕のMP最大値だと、撃てて六発がいいところか。
「魔力弾はわかりました。んで、こっちの魔法弾ってのは?」
「リゼル、ディアボロスを持って【ファイアアロー】を発動して」
「え? いいけど……」
ディアボロスを渡されたリゼルがそれを持って【ファイアアロー】を発動すると、ディアボロスの側面にあった六つの小さな宝玉のうち、一つが赤く輝いた。
魔法弾装弾数が1/6になってる。これでチャージしたってことなのか。
「これで魔法弾に切り替えれば【ファイアアロー】が撃てる。威力はリゼルの【ファイアアロー】と同じ」
おお! これは使えるんじゃないか? あらかじめチャージしておけば、僕も魔法を撃てるってことだろ?
「ただし一度撃つと丸一日はチャージできない。つまり一日に六発しか撃てない」
う、うーん、一日に六発か……。まあ、それでもかなり使える……よな。こっちは僕のMPを使うわけではないし。実質、タダで【ファイアアロー】を六発撃てるわけだし。いや、左右合わせれば十二発か。これはけっこうすごいんじゃないか?
「私のMPはしっかりと減るんだけど」
「そこはリゼルさんが暇な時にチャージして下さればですね……」
ちょっと呆れたような目を向けてきたリゼルから目を逸らしながらそう答える。何も戦闘とかない日にチャージしてもらえばいいかなと……。MPも休めば自然回復するわけだしさ……。
「これってどんな魔法もチャージできるの? 【ファイアボール】とか、【ファイアストーム】なんかも?」
「それは無理。初級魔法の熟練度が低い魔法に限定される。せいぜいアロー系くらいまで。でも回復魔法もチャージできる」
回復魔法もチャージできるのか。【ハイヒール】くらいなら撃てるらしい。
と、なると、投擲ポーションよりも使えるか? いや、向こうのほうが残弾数に限りはないしな。……限りはあるけれども。
「それとチャージした順番にしか撃てない。つまり、【ファイアアロー】、【サンダーアロー】、【ハイヒール】という順番でチャージしたら、【ファイアアロー】と【サンダーアロー】を撃ち終わらない限り、【ハイヒール】を撃てない」
うーむ、それなりにデメリットはあるんだな……。そうなると六発全部同じ魔法の方が使いやすいか。
状況に応じてチャージする魔法を変えた方がいいとは思うけども、チャージできるのは初級で覚える魔法の一部だからな。切り札とはなるまい。
魔力弾から魔法弾に切り替えて、海へと向けて引き金を引く。
短筒の先から【ファイアアロー】が発射され、海の彼方へと消えていく。リゼルが放つ【ファイアアロー】となんら遜色ないな。威力はそのままみたいだ。
「これって魔法職じゃなくても魔法を使えるアイテムを作れるってことだよね!? たくさん量産したらすごくない!?」
「……お金と労力をかければできなくはない。ちなみにシロちゃんのそれを作るための素材探しにどれだけの苦労がかかっているか今ここで説明する?」
フッ、と乾いた笑いを浮かべたリンカさんに軽い考えを口にしたミウラが少し息を呑む。
銃の開発をするのに、【傲慢】にいるハルの所属するギルド、【フローレス】に何度もイエローコカトリスを狩らせたからな……。
このディアボロスだって作るのに何日もかかっているだろうし、気軽に量産しろと言われてもリンカさんも嫌なんだろう。僕だって嫌だ。
「ところでこれって使い続けていれば【銃の心得】を覚えられるの?」
カテゴリーでは短剣となっているが、銃でもある。双銃剣って書いてあるしな。【銃の心得】を獲得すれば、銃の戦技も覚えられることになるのだが。
「わからない。なにしろ『DWO』で初めてのガンブレードだから。シロちゃんが使って検証していくしかない」
うわ、マジか……。『DWO』初って。リンカさんの言う初ってのは、まだどこのサイトにも公表されてないってことで、実際に作っているプレイヤーはいるかもしれないけどな。
まあ、そんな武器を手に入れたプレイヤーがそれを使わないでいられるかって話なんだが。多分本当に『DWO』で初めての武器なんだろう。
【セーレの翼】による領国を超えた素材集めと、リンカさんの高い生産技術力、そして【魔王の鉄鎚】と【復元】スキルによるリセマラの結晶ってわけだ。
だからといって進んで検証する気はないんですけどね。
まー、使っているうちにわかるだろ。その手の検証は検証組のプレイヤーに任せることにしよう。どうせそのうち誰かが二作目のガンブレードを作るだろうし。
とにかく武器も防具も新たな物になり、準備万端整った。
いよいよ霧骸城攻略だな。
◇ ◇ ◇
薄暗く鬱蒼と茂る森を抜けると、小山の上にそそり立つ黒い和風の城が見えてくる。あいにくの鈍色の空と相まって、さらに不気味さが増していた。
僕らはこれ以上近づくと相手に察知されるギリギリのところに陣取っている。
向こうからではこの鬱蒼とした森のせいで僕らのことは見えないはずだ。
ちなみに裏手の崖から【登攀】スキルで襲いかかる強襲組はこことは別のところに集まっているはずだ。
「さて、ではもう一度作戦を確認しよう」
この攻城戦のリーダーであるアレンさんが集まったメンバーにそう切り出す。
今回もほとんどフロストジャイアント戦のメンバーなので、リーダーも同じでいいんじゃない? とアレンさんに簡単に決まった。まあ、決まったと言うか決められたと言うか。
「まずはあの城門への攻撃。ダメ元で炸裂弾を投擲後、【精霊使い】の【矢避け】をエンチャントした突撃部隊で牛頭と馬頭に攻撃を仕掛ける。魔法隊と弓矢隊は、城門にいる突撃部隊に攻撃を仕掛けようとする鉄砲持ちを牽制してくれ。その間に投石器設置して、城内で固まっている敵を狙う。たぶん牛頭馬頭を倒せば城門が開くと思うんだけど、もしも開かなかったら用意した破城槌でぶち開ける」
とにかくあの城門を開けないことにはなにも始まらない。ちなみに僕も突撃部隊の一人だ。後方にいても仕方ないからね。
いかに速くあの牛頭馬頭を倒せるかが鍵となる。最悪、無理だと判断したら退却もアリだ。
突撃部隊を追撃しようと城の中からモンスターたちが出てきたら、そのまま森の中まで引き寄せて、待ち受けていた伏兵が左右から攻撃、突撃部隊も転進して三方から叩くってわけだ。
「『釣り野伏せ』ですね」
「『釣り野伏せ』?」
「九州の戦国大名、島津家が得意とした戦法ですよ。まあ、本当は野戦で使われるものらしいので、攻城戦では無意味な気もしますが」
まあ、本来ならば城を守っていればいいわけだからな。わざわざ打って出る必要はないわけで。普通なら無理してまで追いかけない。
だけど相手はモンスターだからね。問答無用で襲い掛かってくる奴らだからさ。そこまでの知恵があるかどうか。
「門を破り、中に突入したら一丸となって本丸を目指す。タンク部隊を盾にして、あらゆる方向からの狙撃に備えるんだ。回復部隊もこまめな回復を頼むよ」
城の外から見た限りでは城内はなかなかに入り組んでいて、いろんなところから壁を隔てて狙い撃ちされるような作りになっている。
壁に空けられたいわゆる狭間という穴から、銃や矢で狙われるのだ。
まあ、土魔法などを使えばその穴を塞ぐことも可能なので、そこまでの不利ってわけじゃない。だけど注意を怠ると、致命的なミスを呼び込みかねないからな。気をつけていくに越したことはない。
あとは僕の【セーレの翼】による短距離転移が、あの場内で効果があるかどうかだな。
効果があるのであればうまくショートカットして本丸に近づけるかもしれない。
ただ、敵がいっぱいのところに飛び込んでしまうと単なる自殺行為になってしまうからなあ。一応、囲まれる前にまた転移で逃げるつもりだけど……。
そんな腹積りもあり、すでにこの森の場所にビーコンの羽を一つ置いてある。ま、念のためだ。
双銃剣ディアボロスには【ハイヒール】を六発、そしてもう片方には【付与魔法】の使い手が参加者にいたので、【ステータスアップ(LUK)】を六発チャージしてもらった。
これは自分に対して撃つ用だ。幸運値《LUK》を上げて、双銃剣ディアボロスの【呪い】付与の確率を引き上げる。
初級の【ステータスアップ】だから、そこまで劇的には変わらないかもしれないが……。一応【二連撃】とかもセットしてあるから、こっちの発動にも期待している。
なんで【ファイアアロー】とかにしなかったかというと、こういう状況だと魔法一発打てたところでそこまで戦況に大きく影響はないと思ったからだ。遠距離攻撃したいのなら普通に魔力弾の方を撃つし。
それに【ステータスアップ】の魔法は比較的長持ちする。六発あればかなりの間、支援効果が期待できるはずだ。
「よし、時間だ。それじゃあ攻城戦を始めよう」
アレンさんの言葉に一人の【魔人族】のプレイヤーが炸裂弾を手に前に進み出た。僕と同じく【投擲】持ちのプレイヤーであるが、かつては甲子園出場校のピッチャーだったらしい。
元ピッチャーは見事なフォームで炸裂弾を城門へ向けて投擲した。
狙い違わず城門の真ん中に炸裂弾がぶち当たり、派手な音を響かせて大爆発を起こす。
残念ながら予想していた通り、城門を破壊することはできなかったが、間近にいた牛頭馬頭の二匹にはそれなりのダメージを与えることには成功したようだ。
「前衛部隊、突撃!」
『おおおおぉぁぁ──────ッ!』
アレンさんの号令に僕を含む前衛職のプレイヤーが一気に城門へ向けて駆け出した。
【精霊使い《エレメンタラー》】から矢避けの魔法が突撃部隊に付与される。突っ込んでいく僕らに放たれた矢が魔法によって逸れ、後方へと飛んでいく。うーむ、逸れるとわかっていても怖いな……。
矢はこれで防げるけど、鉄砲は防げないから気をつけないとな。
「【加速】」
矢避けの魔法をしてもらった僕は【加速】スキルを使い、みんなよりも前に出る。速さだけなら負けないからな。いや、短距離的な速さならミヤコさんの【縮地】に負けるけどさ。
そのミヤコさんは【縮地】を温存しておく作戦なのか追いかけてはこない。ならばこのまま一番槍をもらおう。
牛頭と馬頭、どっちに行くか……。角生えてるし、強そうだから牛頭は避けて馬頭に行こっと。
走りながら僕は左手のディアボロスを自分に向けて引き金を引く。【ステータスアップ(LUK)】の支援効果が発動し、僕の身体が淡い光に包まれた。これで確率が上がって【二連撃】とか出れば嬉しいんだが。
あ、最初だからダメ元で試してみるか。
「【首狩り】」
駆け寄ってくる僕に、刺又を振り下ろしてくる馬頭へ向けて、失敗覚悟で戦技を発動させる。
しかし【首狩り】は発動することはなかった、振り下ろされた刺又を【心眼】でなんとか見極めて躱す。
「やっはダメか」
体勢を立て直そうと後ろへ飛び退く直前、パァン! と何かが弾けたような音がした。
誰かが馬頭に攻撃を仕掛けたのかとそちらの方を見上げると、いままさに青い馬の首が城門前に落ちるところだった。
「え?」
『え?』
僕と後方から迫っていたみんなの声がハモる。
ごろりと転がった馬の首に続いて、馬頭の巨体がずぅん……とその場に倒れ、あっという間に光の粒となって消えてしまった。
え、待って待って。ひょっとして【首狩り】が成功した? 【ステータスアップ(LUK)】が効いたのか? ていうか、こいつ僕よりレベル下だったのかよ!
でも確実に失敗したのを確認したのに、遅れて発動したってのはなんでだ?
あ! 【二連撃】か!? 【二連撃】って奥義にも適用されるのか!? 一拍ラグがあったのが気になるが……。
奥義や戦技を放った時に【二連撃】が発動した時が無かったからわからんかった……。いや、攻略サイトに載ってたのかもしれないけど。
一撃で死んだ馬頭に、相方の牛頭はもちろん、弓や銃を構える他のモンスターたちも手が止まっていた。
こちらへと駆けていたはずの突撃部隊のみんなも思わず立ち止まっている。
『ブ、ブモォォォォォォォォォォ────!』
やがて我に返った牛頭がトゲドゲのついた金棒で僕を殴りつけてくる。
相方の仇だと言わんばかりの一撃を、僕は屈んで躱し、その場から一旦離脱する。逃がさん、と牛頭の凶悪な視線がこちらを向いた。うわ、怖っ。
「【風刃】」
『ブモッ!?』
僕を追いかけようとした牛頭に、二番手に駆けつけてきたミヤコさんの【風刃】が炸裂する。
【風刃】は刀術スキルの戦技のひとつだ。剣術スキルの【ソニックブーム】に当たる、見えない刃を飛ばす技である。
もっともミヤコさんの場合、リンカさんの作った刀である『千歳桜』の効果も相まって、炎の刃みたいになってしまっているが。
ミヤコさんの一撃に続いて、後続部隊が次々と牛頭に襲い掛かる。
牛頭の金棒に何人かは吹っ飛んだが、後衛からの回復魔法によりすぐに体勢を立て直して再び牛頭へと向かっていった。
はたから見ていると凄いな……。牛頭が金棒を振り回すたびに誰かが吹っ飛んでくる。
これ、馬頭までいたらけっこう手こずったかもしれん。【首狩り】が発動してよかった……。
たぶん牛頭も馬頭と同じくレベルは僕より低いんじゃないかと思い、もう一度【首狩り】をしてみたが、見事に外れ、STが大幅に減ってレッドゾーンに突入した。
即刻離脱し、スタミナポーションをがぶ飲みする。くそう、やはりさっきのはまぐれか!
そんなに都合よくポンポン発動できれば世話はない。
やっぱり普通に攻撃しよっと……。
「【兜割り】!」
『ブモォォ!』
全力で振り下ろしたガルガドさんの戦技の一撃を金棒で受け止める牛頭。
その隙を狙って何人かのプレイヤーが斬りかかるが、牛頭が繰り出した蹴りに吹き飛ばされ、三人が吹っ飛んでいく。
『ブモォォォォォォ!』
大きく息を吸い込んだ牛頭が、口から炎のブレスを吐く。正面にいたガルガドさんをはじめ、何人かのプレイヤーが炎の洗礼を浴びてしまった。
おまけにその炎は【燃焼】の追加効果もあったらしく、プレイヤーたちは燃えたまま後方へと下がっていった。
『ブモガァァ!』
牛頭が放った金棒のめった打ちを、ガルガドさんたちの代わりに前に出たアレンさんやウェンディさんらの盾職部隊が防ぐ。
その盾職部隊の左右から牛頭へと迫る影が二つ。
白虎の着ぐるみを着た【拳闘士】のレーヴェさんと、身体に稲妻を纏わせた【雷帝】こと【強撃者】のユウだ。
「「【螺旋掌】」」
『ブッ! グモッッ……! ガァァァァァ!』
左右の脇腹に同じ戦技を喰らった牛頭が片膝を突きつつも金棒を横に薙ぎ払う。それをブロックしたレーヴェさんが吹っ飛び、なんとか躱したユウはバックステップでその場から離れた。
入れ替わるように今度はギルド【六花】のアイリスが牛頭の足元に飛び込み、手にした細剣を一閃する。
「【氷縛】!」
『ブモッ!?』
アイリスの持つソロモンスキル、【クロケルの氷刃】により、牛頭の膝を突いた方の足が地面に凍りついていく。力任せに氷を砕きつつ立ちあがろうとした牛頭の頭上に、高くジャンプしたミウラが大剣を振りかぶって待ち構えていた。
「【双烈斬】!」
ミウラの奥義が牛頭の左右の首筋に二撃炸裂する。
『ブモォ……!』
牛頭がバランスを崩し、大きく後ろへと仰け反る。しかしよろけながらも踏みとどまった牛頭は、金棒をミウラへとスイングし、打たれたミウラは後方へと吹っ飛ばされた。
「みんな牛頭から離れろ!」
アレンさんの声に振り向くと、天へと流星剣メテオラを翳した彼の姿が飛び込んできた。
彼の次の行動を察し、みんなが牛頭から蜘蛛の子を散らすようにして離れていく。もちろん僕もすぐにその場から離れた。
「【メテオ】!」
アレンさんが剣を振り下ろすと、鈍色の空の一部が切り裂かれ、燃え盛るバスケットボールほどの隕石が落ちてきた。
隕石は真っ直ぐに動きの鈍った牛頭へと向かって落ちていき、耳をつん裂くような爆発音と共にまともに激突した。
爆発したと言うのに城門はやはり壊れなかったが、その前にいた焼け焦げた牛頭は盛大にぶっ倒れ、光の粒となって消えた。
牛頭と馬頭、門番の二頭が倒されたからなのか、城門が軋みをあげてゆっくりと内側に開いていった。
その先には槍や刀を構えた落武者ゴブリン、鉞を担いだ落武者オーク、カタカタ笑うスケルトン武者などがぞろっと並んで僕らを出迎えている。
おうおう、これはこれは……どうやら僕らは大歓迎されているようだ。
それじゃ本格的に攻城戦を開始しますか!
【DWO無関係 ちょこっと解説】
■釣り野伏せ
九州の戦国大名、島津義久が考え出したと言われる戦法の一つ。要は囮を使って敵を誘き寄せ、包囲殲滅するというものであるが、寡兵をもって相手を殲滅するという戦法であるため、かなり高い練度が必要とされた。『九州の桶狭間』とも言われる1572年の伊東家との『木崎原の戦い』では、島津義弘率いる300の兵が、相手側3000という10倍もの戦力差をひっくり返した。しかし島津軍も無事とは言い難く、八割以上の討死が出たという。それだけ覚悟のいる戦法である。