■112 昏き淵よりの使者
■風属性にまとめていた雷魔法を雷属性に、水魔法にまとめていた氷魔法を氷属性に分割しました。持ってない属性スキルなのに使用している場面があるかもしれませんが、(火と風属性しか持ってないリゼルがサンダー系を使っている、など)見つけたらその都度直していきます。
元【エルドラド】のメンバー、現在はギルド【ザナドゥ】のギルマスとサブマスである、エミーリアさんとクローネさんからの依頼は難なくこなすことができた。
ついでといったらなんだけど、二人の装備の製作をリンカさんに頼んでみたらどうかと提案した。大手ギルドには大抵専属で生産職のプレイヤーがいるが、脱退した二人には【エルドラド】の生産職プレイヤーに作ってもらえないんじゃないかと思ったので。
それにリンカさんの【魔王の鉄鎚】と【復元】スキルなら狙った属性を付けることも可能だし。
対戦相手の弱点属性を付けることができれば有利に試合を運ぶことができるだろう。
噂だと僕と対戦したあの金髪黒鎧のプレイヤーは、【エルドラド】のギルマス、ゴールディに対戦相手から外されたらしい。悪いことしたかな、とチラッとだけ思ったが、すぐに忘れた。
リンカさんの手によりエミーリアさんの弓と、クローネさんの剣が完成したので、僕らは再びあのレストラン『ベル・エキップ』で待ち合わせをしていたのである。
「これがエミーリアさんの弓で、こっちがクローネさんの剣です。それぞれ雷と氷の属性が付いています。名前は付いてませんので、そちらで自由に付けて下さい」
僕はインベントリから黒地に金のラインが入った弓と、青白い輝きを放つ剣を取り出してテーブルへと置いた。鑑定済になっているので、まだ譲渡していない状態でもその性能は確認できるはずだ。
受け取って鑑定内容を確認した二人が驚きの声を上げる。
「す、すごい! 今使っている弓の1・5倍の威力がある……! それだけじゃなくてDEX(器用度)補正も付くなんて……!」
「こっちもだ……。追加効果の発動率が高い。こんな剣は初めて見た……」
ううむ、やっぱりやり過ぎだよな。リンカさん、手を抜かないからなぁ。かなり高性能な武器ができちゃったんだよね。
「あの、これは私どもが最初に提示した金額以上の物のような気がするんですが……」
「ですよね……。僕もそうだとは思うんですが、うちの生産職が勝手にやったことですし、そこらへんはサービスということで提示した金額で構いません」
頼まれた仕事以上のことを勝手にやっておいて、いいものができたから追加料金よこせってのはあまりにもね。
二人は『いや、でも』と受け取りを躊躇っていたが、無理矢理に提示された金額で押し付けた。毎度あり。
「私たちは助かりますが、いいんでしょうか……?」
「問題ないです。それよりも出どころはくれぐれも伏せて下さいね。それ込みのお値段ということで」
「わかったよ。決して口外はしない」
これであとは【エルドラド】と【ザナドゥ】、両ギルドの問題だ。この武器があればそう簡単には負けないと思うけど。
「あのあと【エルドラド】から何か言ってきたりしませんでしたか?」
「特には。ああ、ゴールディの機嫌がかなり悪くなったとか。ただでさえ【エルドラド】は今落ち目になりつつあります。そこにあの負けっぷりですからね。癇癪を起こしても仕方ないかもしれません。シロさんを目の敵にしなければいいのですが」
エミーリアさんの言葉を聞き、僕は少々うんざりした気分になってしまった。どんな形であれ、人の恨みを買うのは気分がいいものじゃない。
だけど僕が喧嘩を買ったのもまた事実だしな。それが嫌ならあそこで挑発せずに無視していればよかったわけで。いささか子供っぽかったか。
まあ、してしまったことは仕方がない。なるべく関わり合いにならないようにしよう。
そんな決意をしながらふと窓の外を見ると、木の陰からこちらをじっと見ているヘテロクロミアの瞳の持ち主と目があった。
僕に気がつくと、さっと隠れてしまったが。フードを被ってよく見えなかったけど、今のって【エルドラド】のギルマスだよな……?
「どうかしましたか?」
「いや、今……いえ、なんでもないです」
僕は思わず言いかけた言葉を飲み込んだ。また面倒なことになっても困る。ここは見なかったことにするのが一番だろう。
運ばれてきた紅茶を飲みながら、ちらりと視線を外に向けると、またあの金髪ツインテールがこちらを憎々しげに睨みつけていた。
気のせいかその視線はまっすぐ僕に向けられているような……。いや、元ギルドメンバーのこの二人を見てるんだろう。きっとそうだ。そうに違いない。
視界の端にちょこちょこ移る少女はなにやらぶつぶつとつぶやいているようにも見える。おいおい、呪いの言葉か!?
というか、取り巻きの奴らはなにしてるんだろう。さっさと連れ帰ってもらえないもんか。
ここにいると巻き込まれそうなので、僕は支払いを済ませて帰ることにした。僕ができるのはここまでだ。あとは二人で頑張ってもらいたい。
せっかくフレデリカに来たのだから、トーラスさんの『パラダイス』に寄るかとも思ったのだけれど、今回のこともあるし、しばらくは近づかない方がいいかな……。また誰かにバレると面倒だし。
悪いけど納品はトーラスさんの方から『星降る島』にきてもらおう。今日のところは帰るか。
踵を返して海沿いの道をポータルエリアへ向かおうとした僕の前に、腕組みをして踏ん反り返る金髪ツインテールのお嬢様が立ち塞がった。
「話があるんだけど」
「僕にはありませんが」
「そっちになくてもこっちにはあるのよ!」
癇癪を起こしたように地団駄を踏むゴールディ。この子、本当にアイドルなのかね……。
大声を出したため、注目の目が集まりだすと、ゴールディは慌ててフードを深く被り、僕の手を引いて走り始めた。ちょっ、なんだなんだ!?
裏路地に引き摺りこまれた僕と改めて対面した【エルドラド】のギルマスは、わざわざ積んであった木箱によじ登り、ビシッとその指を突きつけてきた。
「いいこと! 私の目の黒いうちはあの二人に指一本だって触らせないんだからね!」
「は?」
なに言ってんの、この子。
僕がポカンとしていると、金髪ツインテール……【エルドラド】のギルマス、ゴールディが畳み掛けるように叫んできた。
「あんたが自分のギルドにいろんな女の子を侍らせているのはわかってるのよ! エミーリアとクローネも特訓してあげるとか言って、たらしこんで引き抜くつもりでしょう! ハーレム気取り!? 最低ね! これだから男は……!」
「なんの話だ!?」
人聞きの悪い! なに結婚詐欺師かナンパ野郎みたいに言ってくれちゃってんの!? たらしこむってなんだ!?
「ちゃんと調べはついているのよ! あんたが女の子ばっかりのギルドに男一人でデレデレしてるってことは!」
「ちょっと待て! 確かに【月見兎】は僕以外みんな女の子だけど、その半分は子供だぞ!」
「子供まで……! 女であれば見境なしなのね!?」
「違うわッ!」
勝手に想像を膨らませ、暴走するゴールディに僕は思わず怒鳴ってしまう。こいつ、人の話を聞かないタイプだな!? わがままアイドルってのも納得だよ!
「口説いたって無駄よ! 今度の試合で私たちが勝って、あの二人は元通り【エルドラド】に戻るんだから! あんたなんかに好きにさせないから!」
「だから……」
その試合にエミーリアさんたちが勝とうが負けようが、僕には関係ないってのに。だけどここまで言われると、エミーリアさんたちに是非とも勝っていただきたい。
しかしこの子は、なんでこうまであの二人に執着するのだろう? 単に優秀な人材を逃したくないってんじゃなさそうだが。
「……ひょっとしてあの二人のことを心配しているのか?」
「なっ!? し、心配なんて別にしてない! ただ単に女性としてあんたが許せないだけよっ!」
顔を真っ赤にさせて否定してくるゴールディ。ナニコレ。ツンデレですか? 意外と仲間思いなのかな?
「もう一度言うけど、僕はあの二人を引き抜く気なんかないから。特訓なんかもしないし」
「本当でしょうね……? 卑怯な罠とか教えるのも無しよ!」
「なんだよ、卑怯な罠って……」
「動画で見たもん! PK相手に毒の撒菱撒いてた!」
うっ。ドウメキとのPvPか。あれは仕方ないというかなんというか。確かに動画にそういうコメントも飛び交っていたけど。ひ、卑怯と違うぞ、作戦だ。
「と、とにかく僕はこれ以上かかわらないから──」
「大変だっ! 海からサハギンたちが!」
背後から男の人の叫び声がして、僕らの注意はそちらへ向いた。多くの船が停泊する波止場から水柱が立ち、青緑色の鱗を纏った半魚人たちが飛び出してくる。手には三又の矛を持ち、赤い目がギョロリと動く。
波止場付近はあっという間に半魚人──海のモンスター、サハギンだらけになってしまった。
「突発イベントか?」
「……参加申請のウィンドウが開いたわ。緊急クエスト【昏き淵よりの使者】に参加しますか……だって。個人別のクエストみたい」
ギルドごとではなく、プレイヤー個人での参加イベントか。僕のところにも参加申請ウィンドウが開いてるな。もちろん、ここは────。
「「参加」」
「だな」
「ね」
「「む?」」
意図せずハモった僕らはお互いの顔を見合わせる。僕らは同時に【参加】をタッチして、問題なくそれは受理された。
「サハギンの鱗は硬いのよ? 速いだけが取り柄で魔法が使えないやつは邪魔になるからやめとけば?」
「そっちこそ取り巻きの連中がいないんだから、無理しない方がいいんじゃないか? 刺されるぞ?」
ぐぬぬ、と睨み合う僕とゴールディ。確かにサハギンは硬く、中途半端な攻撃では弾かれてしまう。有効なのはやはり魔法だ。確かに魔法職(であるだろう)ゴールディの方が有利と言える。
しかし僕にだって方法がないわけではない。サハギンは魔法、特に雷属性に弱い。僕はインベントリに装備していた『白焔改』と『黒焔改』をしまい、代わりに双雷剣『紫電一閃【迅】』と『電光石火【轟】』を取り出した。
これはリンカさんに『紫電一閃』と『電光石火』を打ち直してもらったものだ。『白焔改』、『黒焔改』と同じくらいの攻撃力がある。
まあ、今は第四エリアの敵だと火属性の方がいいからそっちを使っているが。
こいつがあれば、硬いサハギンでもある程度のダメージは通る……と思う。
「お先に」
「あっ! 抜け駆けしてんじゃないわよ!」
ゴールディを置いて路地裏から脱出する。すでにサハギンたちとプレイヤー同士の戦いは始まっていた。あとでミウラあたりがうるさそうだから、みんなにも一応イベントが始まってるってメールしとこう。間に合えば参加できるかもしれないし。
あとはアレンさんたちフレンドのみんなにも一斉送信っと。
『ギョロロロッ!』
「おっと」
メールを一斉送信した瞬間を狙ってか、サハギンの三又の矛が僕を襲う。上半身を横に移動して躱すと同時に、手にした『紫電一閃【迅】』と『電光石火【轟】』で腕を切り裂く。
『ギョロッ!?』
青い血のエフェクトが飛び、サハギンのHPが大きく減る。一撃では倒せないが、けっこうダメージは通るな。しかし、半魚人の血は青いのか。
『ギョロロッ!』
「よし、【スパイラル──】」
襲いかかってくるサハギンに戦技を放とうとしていた僕の横を、一筋の稲妻が駆け抜けていく。
『ギョバッ!?』
稲妻を浴びたサハギンは、一瞬にして光の粒となり消えていった。
今のは雷属性の魔法【サンダーボルト】だ。いったい誰が、って……一人しかいないよな。
振り向くと予想通り、杖を構えたドヤ顔のゴールディがいた。
「おい。人の獲物を横取りするのはマナー違反じゃないのか?」
「イベント中は許されるのよ。知らないの?」
いや、知ってるけど。ていうか、絶対狙ったろ……あ。
「【加速】」
「えっ?」
僕は【加速】を発動させて、ゴールディの背後に回り、飛んできた三又の矛を弾き飛ばした。
そのまま投擲したサハギンへと一瞬で距離を詰める。
「【スパイラルエッジ】」
『ギョロアアッ!?』
さっきは不発で終わった戦技を繰り出す。身体を切り刻まれたサハギンは宙へと舞い上がり、そのまま光の粒子となった。
「後ろに気をつけた方がいいぞ。今は仲間がいないんだからさ」
「わっ、わかってるわよっ! 今のはちょっと油断しただけっ!」
あ、そうですか。その油断が命取りにならなきゃいいけど。イベント序盤で脱落ってのもつまんないからな。
「いっ、一応お礼は言っとくわ! でもこれくらいでいい気にならないでよね!」
「はいはい」
僕が顔を真っ赤にして叫ぶゴールディを軽くあしらっていると、波止場の方に見覚えのある人物がサハギンと戦っていた。変な武器で。
「どないやねん!」
パァン!
「なんでやねん!」
パパァン! と、派手な音を立てながら、エセ関西弁のトーラスさんが、サハギンを打ち倒していく。巨大なハリセンで。なんでそんな掛け声……?
「おっ、シロちゃんやないか。【月見兎】も参加しとったんやな」
僕のことに気づいたトーラスさんが、どう見ても大きなハリセンにしか見えない武器を肩に担いでこちらにやってくる。
「いえ。僕だけたまたま。というか、なんですか、それ?」
「なにってハリセンやないか。お笑い界最強の武器やで」
あ、やっぱり武器なんだ、それ。確かスターコインの景品であったやつかな?
「武器属性は【棍棒】?」
「いや、【扇】や。『張り倒す扇子』でハリセンやからな。熟練度が上がれば【扇の心得】が取れるで」
特殊装備の武器か。
スキルオーブで覚える武器の【心得】とは別に、固定装備によって習得できる特殊な装備品がある。一番使われているのが【盾の心得】だな。
【盾の心得】というスキルオーブはない。盾を使い続けていると、熟練度が上がって習得できるスキルなのだ。【扇の心得】もその類なのだろう。……ひょっとしてあの掛け声って戦技名?
「ちゃうで。ツッコミ入れながらの方がおもろいやん」
おもしろいか? この人の笑いのセンスがよくわからない……。扇子だけに? 寒い。
「店に帰ろうとしたらこの突発イベントや。街中でのイベントは参加者も多いし、序盤から全力でいかんと上位に食い込めんからな。最強武器で参戦や」
まあ、本人が気に入っているんならどんな武器でもいいと思うけど。けっこうネタ武器とかあるらしいしな。竹槍とか出刃庖丁の大剣とか巨大フライパンのハンマーとか。僕は使おうとは思わないけれど。
「ところでシロちゃん、その後ろの子【エルドラド】のギルマスと違うか?」
「あれ、トーラスさん、この子のこと知ってるんですか?」
トーラスさんが僕の背後にいるゴールディを覗き込むようにして口を開く。ゴールディの方は怪しい関西弁を使うプレイヤーに、警戒心バリバリといった目付きをしていたが。
「当たり前やんか。アイドルやで。【DWO】じゃ有名人や。去年ちょいヒットした『初恋ボディブロー』って曲知らんか?」
「いえ、まったく聞いたことないですけど」
「なんでよ! 映画化もしたアニメ『恋愛撲殺日和』の主題歌よ!?」
なんだよ、その物騒なタイトルは。知らないものは知らないっての。
「あんた、中身は四十のおっさんじゃないでしょうね……?」
「失礼なこと言うな。健全な男子高校生だ」
疑わしい目を向けてきたゴールディに、ついリアルプロフィールを言ってしまった。いかんいかん。
【DWO】ではプレイヤーの性別は変えられないが、年齢を変えることはできる。
レンたちのように15歳未満は見た目の年齢を変化することはできないけど、これは見た目で子供プレイヤーと判断できるようにだ。
そう考えるとゴールディもなのか。中学生アイドルって話だしな。13歳以上だから保護者はいらないんだろうけど。
彼女の言う通り、四十のおっさんが若者アバターの容姿でプレイすることもできる。ただ、実年齢からあまりにも乖離すると、パラメータの成長率《伸び》が悪くなる……という噂があったりするが、本当のところはどうなんだろう。
『ギュロロロッ!』
『ギュアッ、ギュアッ!』
こちらへ向けて数匹のサハギンが群れになって突っ込んでくる。
「【一文字斬り】」
僕はその間を駆け抜けるようにして、サハギンたちに一撃を加えていった。後方に抜けた数匹のサハギンをトーラスさんのハリセンが捉える。
「なんでやねん! なんでやねん! なんでやねーん!」
「すみません、その掛け声気が散るんでやめてもらえませんかね?」
「なんでやねん!」
なんでもかんでもあるかい。うるさいんだっつーの。
「ちょっと! こっちに来てる!」
気がつくとゴールディの方へサハギンが向かっていた。彼女は詠唱を続けているようだが、間に合いそうにない。
僕はウェストポーチから十字手裏剣を三枚取り出し、ゴールディに迫るサハギンの背中に向けて投擲した。
『ギュロッ!?』
あやまたず手裏剣が全て背中に命中したサハギンが仰け反り、憎々しげに僕の方へ振り向く。おい、いいのか、こっち見ていて。
「【ライトニングボール】!」
『ギュアオオォォ!?』
巨大な雷球がゴールディの杖の先から放たれ、目の前にいたサハギンを黒焦げにする。
「ひゅー、やるやないか」
「ざ、ざっとこんなもんね!」
トーラスさんの言葉に胸を張るゴールディだが、ギリギリだったぞ、今の。やっぱりこの子は完全遠距離型だな。【月見兎】のリゼルと同じだ。
とりあえず向こうにサハギンがいかないように注意しよう。
『ギュロロロロッ!』
再び水柱が何本も立ち、新たなサハギンたちが飛び出してくる。多いなあ!
僕らの他にも何人かのプレイヤーたちが戦っているけど、突発的なイベントだったので、まだ人が少ない。僕と同じように、他の知り合いに連絡しているなら、じきに増えるとは思うけど。
「シロちゃん、あれ見い」
「え?」
飛び出してきた多くのサハギンに混じって一匹だけ、一回り体躯の大きなサハギンがいた。腕が四本もあるぞ。その腕に、手斧、棍棒、盾、短槍の四つの武器を持っている。
「なんだありゃ……」
「サハギンキングやな。サハギンの上位種や。たぶんあれがこのイベントのボスやろ」
サハギンキングは停泊している船の後方、後部デッキに陣取り、僕らを見下ろしている。プレイヤーたちが魔法や矢を放っているが、手にした盾で弾き返している。魔法まで弾くとは、なんらかのマジックアイテムなんだろうか。
あのサハギンキングを討伐すればクリアってことか。せっかくのイベントなんだ、僕らも狙わない手はないよな。
「よし、やってみるか」
僕は双雷剣『紫電一閃【迅】』と『電光石火【轟】』を握り直した。
【DWO ちょこっと解説】
■アバターについて③
年齢変更は初期設定においてのみであるが、実年齢から離れるほど成長率は落ちる。年齢が上下することによって得られるメリットは容姿が変化することしかないので、公式ではそのままの年齢でプレイすることを勧めている。が、【DMO】において、外見年齢が三十代以上のプレイヤーは少ない。年齢変更ができない種族もいる。(アールヴなど長命種は選択すると自動的に若い姿になる)




