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腐敗惑星のアリス第7回■連邦軍監視本部は会議を行い、予備軍団の派遣を決定。しかしノワク大佐は、腐敗惑星の重要性を訴えるが、ハノ将軍は取り合わない。

腐敗惑星のアリスー第7回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com


ミラー伍長からの「腐敗惑星への謎の人物の投下」連絡は、連邦軍監視本部へ届いた。

監視本部統合本部長の席へ、そのデータは届けられる。緊急会議が開かれることになった。


「ハノ将軍、どうします。一個中隊を派遣しますか」

「現在の対トルメン戦の現況では、最新兵団の派遣はできん」


「それなら、ちょうど補助軍団が近くの軍域にいるはずですが」

「ちょうどよい、彼らを行かせてはどうかな」ハノは言う。


「ハノ将軍、あの星の重要度から考えて、反対します。あの星には最新軍を行かせるべき

です」

「ノワク大佐、君は私の意見にいつも反対するね。で、どういう理由で最新軍を行かせるつ

もりかね」連邦軍監視本部のノワク大佐に向かって、ハノ将軍が言った。


「あの星ルーンα627、通称、腐敗惑星には、この宇宙の秘密をにぎる何かがあると考え

られます。それゆえ、前から私が主張していますように、あの星の監視体制も強化して、

そして最新軍を行かせるべきなのです」


「ほほ、あの腐敗惑星が、宇宙の秘密をだと。ノワク大佐、いいかげんにしたまえ。君の妄

想癖にはあきあきした。論議はもう終わりだ。ここの議長は私だ。私の命令に皆従っても

らう。腐敗惑星には、2348コマンドを行かせる。予備兵団だ」


「しかし、将軍。この星の状態はレッド信号のようですが」

「わかった。もし危険と現地が判断すれば、星を攻撃してもよい許可を彼らに与える。本

日の会議は以上だ」


ハノ将軍は会議を終えたあと、議場を出て行こうとするノワク大佐を呼び止めた。

「ノワク君、あとで私の室にきたまえ」

「何か、ご用が、将軍」


「それはあとでわかることだ」

「ノワク大佐、辞表を出したまえ。他の星庁に速やかに移管させてあげよう。今のうちだよ」

「将軍、それは私に対する脅しですか」


「そのとおりだ。ところで君は私の行動をチェックするように星庁監視機構に連絡したよ

うだね。私の友人はあちこちにいるからねえ。その種の情報はすぐ耳に入る。ノワク君、

私に対する口のききかたにせいぜい注意することだ。君はまだ若い。閑職で定年を迎えた

くはあるまい」


「将軍、あきらかに、私の発言はあなたの欠点をついたようですね」

ノワク大佐は強気で答えた。


「この青二才め。私がこの場でお前を殺さないことを有り難く思え。君は明日からここへ

来なくてよい。植民庁へ転任だ。植民庁で移民だまりの便所掃除でもやっていろ。それが

お前みたいな人間にはぴったりだ」


「将軍、私はあきらめませんよ」

ノワク大佐はそう言い残すと、ハノ将軍のプライベートルームを出ていった。


ドアの後ろからハノ将軍の腹心であるデル大尉が対出てくる。

「将軍、どうします。あやつノワク大佐の処理は」


「デル大尉、お前に処理を任すが、いいか、あいつノワク大佐がどの程度の情報を得ているか調べろ。処分はそれからだ」

「やり方は任せていただけますか」


「むろんだ。とにかく早急に。誰にも気付かれぬうちにな。妨害が入るとトポールたちが

動けないからな」


「わかりました。それでは」

デル大尉もハノ将軍の部屋から出ていった。


腐敗惑星のアリスー第7回(続く)20090501改定

(トリニテイ・イン・腐敗惑星・1975年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com

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