表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/31

腐敗惑星のアリス第22回腐敗惑星の「監視衛星フライトデッキ」は、連符軍独立装甲兵団に占領された。指揮官のトポール大佐は腐敗惑星に降下を命令する。

腐敗惑星のアリス第22回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

yamadakikaku2009ーyoutube



■「俺はお前の顔をしっている」

独立装甲兵団に占領された宇宙連邦軍・監視機構の船長は言った。


 腐敗惑星の監視衛星に行く途上で、船が彼らの艦「タイコンデガ」に拉致されていた。


宇宙連邦軍第2348軍区派遣団の船指令室も独立装甲兵団で一杯だ。

「それは光栄だね。私も有名になったものだ」トポール大佐は言う。


「トポール大佐、君たちは、何をしょうというのか」

「いい質問です。あなたの代わりに腐敗惑星に行くつもりです」


「ばかなことをいうな。あそこ腐敗惑星は、観察によっては破壊も可能との指令がすでにでている」

「ホホッ、ありがたい情報ですね。参考にさせていただきます」


「ともかく、船長、腐敗惑星の「監視衛星フライトデッキに到着するためのデータ、コードナンバーを教えていただきたい」

 情報が聞き出せた後、トポール大佐は、ほほの傷あとをさわる。


「それでは残念ですが、皆さんとはここでお別れです」

「やれっ」


監視機構全員の生命維持装置に毒ガスが注入された。

「あとのことはご心配なく、我々がうまくやりますから」

死体に向かって、トポール大佐をつぶやく。


 独立装甲兵団とは傭兵のあつまりである。

彼らの戦歴は恐るべきもので、ある星系の政治形態の変化があるとすれば、彼らの存在がうわさされていた。


特に独立装甲兵団のトポール大佐は、通常の宇宙連邦軍の将軍よりも優れているとの評価もあった。


 トポールは過去の戦歴、経験から、自らの肩の両サイドに補助頭脳を埋め込んでいた。

この補助頭脳には各生物の全戦歴、戦史がインプットされていた。

 また、独立装甲兵団のヘッドギアにはそれぞれ、

補助頭脳が装着され、視覚、聴覚などの6感能力が機械の力をかりて研ぎ澄まされ、

増幅されていた。

トポールを始め独立装甲兵団の頚部には情報端子があり、この部分で頭脳と結ばれていた。




 ■

腐敗惑星の「監視衛星フライトデッキ」に船が到着していた。

着艦部分から船のコックピット部位がこのコントロール室まで転がってきた。


 ミラー伍長とラフラタ中尉は下の活動に夢中になっていた。

 コックピット部位から装甲服で身をかためた1人の男が出てきた。

 ラフラタ中尉に挙手する。ヘッドギアをはずして言った。


「連邦軍第2348軍区派遣団です。監視機構から依頼されてまいりました。

このディスクが証明書と指令書です。私は指揮官のトポール大佐です」

 続いて13名の装甲兵がハッチからでてきた。


「私は、腐敗惑星の…、いや失礼しました。監視機構所属のデッキマン、ラフラタ中尉です。

こちらはウォッチマンのミラー伍長です」


 ラフラタは、本星から来たトポールに緊張しながら握手をした。

「現況はどうなっていますか、中尉」


精悍な顔つきのトポールは尋ねた。

「遺憾ながら、事件が発生しています。地下に残っていた地下羊宮{チャクラ}から生物が発生したようです」

「生物が」

「それも古代のこの星の女性幼体の姿をしています。コードネーム、トリニティです。」

「何か問題をおこしましたか」


「現在のところは、が、どうやら彼女トリニティは禁忌エリア機械城エリアに潜入したようなのです」

「何かをさがしているようなのです」

 このトポール大とミラー伍長が目くばせをしたように、見えたのは、私の気のせいだろうか。

ラクラタ大尉は思った。


「ラフラタ大尉、我々全員が地上へ降ります」

「何ですって、気でも違ったのですか。トポール大佐。ここは腐敗惑星なのですよ。

あなたの体が腐敗してしまう。そしてこの星の生態系に影響を与えかねない」


「そんな事はわかっていますよ、ラフラタ大尉、協力願いたいものです」

ミラー伍長が、背後からラフラタ大尉に銃をつきつけていた。

「きさま、ミラー伍長、何を考えている。トポール大佐、こやつを止めて下さい」

「残念ながら、ラフラタ大尉くん、彼ミラー伍長は我々の味方だ」

「何だと、すると君たちは」


「そう、残念ながら、連邦軍監視機構から派遣された正規の宇宙連邦軍ではない。独立装甲兵団だ」


「では、本来の船は」

「存在しない」

「きさまら…、そうか、トポール大佐、君たちはこの星・腐敗惑星の銀河最大級と言われる資産を盗みに来たのだな」

「そうだ。ご明察のとうりだ。我々は禁断の実、別名黄金のリンゴをいただきにきた」


「しかし、この星に降下すれば、体が腐敗するぞ」

「おきずかいは無用、ご心配なく、それよりもあなたの身の方を気づかう方がいいですね」

「きさまら、宇宙連邦に対する反乱罪で、全員処刑だ」


「それはあなたの方だ、ラフラタ大尉、我々を妨害しょうとするならばね」

「後悔するぞ」

「それはどうかな」

「ともかく、ラフラタ大尉。俺は、あなたの訳知り顔を今日からみなくてもすむ。観察には飽き飽きした」

ミラー伍長が言う。

「よし、用意ができたら、見張りを残して全員降下だ。


ラム中尉、君はここに残ってバックアップをたのむ。ミラー伍長、現況を手短に報告してくれ」

「わかりました」

(続く)


1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー

http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ