表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/31

腐敗惑星のアリス第21回●肉片の端々に機械部品が混ってキラキラと輝く。 ユニコーンはサイボーグだった。 ゆっくりと臭気の中をユニの肉片が舞い降りて 「よくも、ユニを…」 トリニティの眼が深紅に燃え上る




腐敗惑星のアリス第21回●

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画manga動画http://www.yamada-kikaku.com/


■肉片の端々に機械が混ってキラキラと輝く。

ユニはサイボーグだったのだ。

ゆっくりと臭気の中をユニコーンの肉片が舞い降りていく。


「よくも、ユニを…」

トリニティの眼がまっ赤に燃え上っていた。

 禁断の実を口にほおり込む。もう、やけくそよ


禁断の実は甘かった。

変な味。気持ちが悪い。


「禁断の実」は、トリニテイの喉の粘膜から、

流動化する。粒子になった流動化記憶データとして、

トリニテイの脳まで流れ込んだ。

 

 トリニテイの脳部位に、空白部分があった。

トリニテイの脳は、まだ完全ではなく、空きがあったのだ。

その場所をそれは占めた。

「あたしは誰なの」食べなきゃ良かった。


トリニティの意識が白濁する。

頭の中が、爆発したようだった。


 ■『娘よ』頭の中で声がする。

『私はお前の父だ』


 ええっ、どうしたの、私。知らないわよ、そんな事。聞いていない。


『それに、おまえは、配偶者でもあるのだ、私の体は、お前の体のおかげで復活できる』


わかんない。どういうこと。


『お前は運命の道を進んできた。お前はこの生命球を作り尚ねばならぬ。

この腐敗した世界を作り直さねばならぬ』


急にトリニティの自己意識がトリニティの脳から、消える。



■別の生物が心の奥底からうかびあがってきた。

トリニティのからだの細胞が分裂する。

別のDNA情戦闘報が浮かびあがってくる。

トリニティの体が急激に膨張し、姿形が急変する。


「ふふ、ようやく本当の姿をあらわしたな、寂寥王よ」


戦闘16面体は新しいトリニティの姿に対して言った。


■寂寥王が出現していた。


「私に復讐しょうというのか、戦闘16面体。まだそんな過去の事を覚えているのか」

「過去だと、お前のおかげで、我々がこんな姿に変化させられたのを、忘れたとはいわせない」


「そうだ、私が、お前たちの生体構造を書きかえた。その姿の方が動きやすいと思ってな」

「お前のおかげで、我々はこの肉体の牢獄から出ることができないのだ。

我々を元の姿に分解しろ、寂寥王よ」


「分解したければそうしてやる」

寂寥王は手をなぎはらった。


「ぐわっ」戦闘16面体は16個の三角錘にわかれて散らばった。

「さあ、それで、私に対して闘えるというのかね」

「卑怯だぞ。寂寥王、、」


「しかし、寂寥王よ忘れているな。ここは機械城、我々が作ったエリアだ」

16面体の一人が言った。16の生命体の1つだ。

「我々には長い時間があつたのだ。

寂寥王よ、我々のもてる力、もてる時間をもって、この城に仕掛けを作った。

それを充分に味わってもらおうか」


機械城のあらゆる方向から、ヤリが飛んで来る。

機械ででき、自分で考えるヤリだ。

それは、自分の意志をもち寂寥王のねらうべき一点をついてくる。


すなわち寂寥王の頭である。


16面体の一人一人が自らの脳波を使い、数本のヤリを操る。

一度に脳をハリネズミの様にしようというわけだ。

寂寥王に恨みを持つ16人の考えが一致しなければできない芸当だった。


寂寥王は攻撃の的確さに恐れを抱く。

「貴様ら」

寂寥王の怒りの精神波が、それぞれの三角錐を襲う。

巨大な渦の様に、ねめあげる痛みが16面体の全員の意識をフェイドアウトさせた。


同時に、 16本のヤリがみごとに、寂寥王の頭を突き破っていた。

寂寥王の頭はまるでハリネズミだ。

寂寥王は一瞬、ゆらゆらと体を動かし、唐突に、フロアに激突する。


寂寥王の体は緩やかに収斂し、口から「黄金のリンゴ」がころがり出てくる。


再びトリニティの意識が呼び戻されようとしていた。


トリニティの脳部位に流れ込んでいた機械脳が、

危険を感じ、黄金のリンゴに収斂していた。


(続く)20210921改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●how toDRAW manga ●manga-training

http://www.yamada-kikaku.com/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ