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腐敗惑星のアリス第17回●ゴーストトレインは再び腐敗惑星地表に出現。まわりは腐肉は見えず、旧い宇宙船の残骸が。「ここは腐敗惑星の機械城エリア。残念ながら、私の体はここでは動けない」

腐敗惑星のアリス第17回●

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー

manga動画http://www.youtube.com/user/yamadakikaku2009 ●

http://www.yamada-kikaku.com/


「さあ、ここよ」ゴーストトレインは再び地表に出現していた。

「ああーっやっと到着か。ここって」トリニティは救いの神、ゴーストトレインにたづねる。


 まわりは腐肉は見えず、旧い宇宙船の残骸がえんえんと続いていた。

「こんなところも、この星にあったの」


「ここが、腐敗惑星の機械城エリア。残念ながら、私の体はこのエリアに、はいれないのよ」

「どうして」


「ここは機械城よ。数kmに渡って機械だけで作りあげられた円形のドームなの」

「うわーっ、やめて、こんな所で一人にしないでよ」


「トリニティ、わかるでしょう、地中の中心まで機械だらけなのよ。そして私の体は半生

物。だから、この機械の中をつっきるわけにはいかないの。ごめんね、」

「禁断の実はここにあるの」


「そうよ、そう聞いているわ」

「聞いているって。あなたも詳しくはしらないの。それをどうしてあたしが探せるのよ。

どこにあるの」


「それは知らない、でもあなたが、選ばれた者なら、それはおのずとわかるはずよ」

「別に選ばれてほしくないよ-」


 トリニティの体は、ゴーストトレインの横腹から触手により出されていた。

「ああっ、いやだ。まだ、この安全なところから出たくない」


(でも、ゴーストトレインとはまた会うかもしれないから、ゴマスリしとこっと。味方は

多いほど良いからね)自分に言い聞かせるトリニティであった。


「これでおわかれなのね。ありがとう」

トリニティはゴーストトレインの大きな体にふれ

て、顔に向けてキスをした。涙ぐんでいた。

「ねえ、なぜ、ゴーストトレインというの」

「昔、私はね、ゴースト、つまり霊体を乗せてこの星を走り回っていた列車の生まれ変わりなのよ」


「霊体って」


「意識体のことよ。あなたみたいにね」

「ええっ、どういう意味」それは私っていきていないという意味なのか?


「いずれ、分かるわ。それより、トリニティ、戦闘16面体には気をつけてね。奴はあなたを殺

そうとするからね」


「ゲッ、脅かさないでよい。それなら、一緒にいて」

「無理よ。ともかくあなたが早く、禁断の実を見つけることが先決よ。皆期待しているわ」

「ええっ、皆って、誰」

「それもいずれわかるわ」


「わかりっこないよ。あたしはこの星で一番若い、経験のない子供なんだから。皆、もっ

とあたしを丁寧に扱ってよ、本当に。あたしだけで、謎の全部がわかるわけはないわ」

トリニティは一人ごちた。どうして次から次へと疑問がでてくるんだろう。


 風化した機械のかけらが小石の様に吹きとばされてきた。

ゴーストトレインの体にグサグサささる。うっつといううめき声が聞こえた。


「だめだわ、私の体がさびついてしまう。ここで消えるわね、トリニティ」

ゴーストトレインは腐敗肉の地表へすばやく潜り込む。

「さようなら」

 ああっ、いってしまった。さあ、どうしょうか。


 トリニティは、腐肉と機械城の境界をくぎっている機械の土手をこえた。

 瞬間、トリニティの体が振動する。


 「何なの。あたしの体はどうしたの」

 トリニティは機械表面の上に倒れた。


 続いて、機械砂の嵐がおそってきた。あらゆる機械をさびつかせるこまかい機械の砕片

砂の嵐だった。

それ機械砂の嵐が、ぶるぶるとふるえ倒れているトリニティの体の上におおおいかぶさってくる。 

トリニティの眼、鼻、口がふさがれ、吸収ができないのだ。


 あたしはここで、死んでしまうのかしら。

そしてトリニティの意識がとぎれた。


(続く)20210918改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.youtube.com/user/yamadakikaku2009 ●

●how to DRAW manga ●manga-training

http://www.yamada-kikaku.com/

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