表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/31

腐敗惑星のアリス第11回ポッドで降下した男が白熱した後、腐敗惑星・静かの海に隣接するコンピュータが目覚め。地下羊宮チャクラは、人類の記憶バンク。静かの海で運命の少女トリニティが誕生する。


腐敗惑星のアリス第11回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所 山田企画manga動画

http://www.yamada-kikaku.com/


彼女は、海の中を漂っていた。混沌としている。

彼女の総てが、、まだ未成熟だ。


顔も、記憶も。ただ肉体だけが、浮遊している。

その海は、この星の中核部にあった。巨大な球体が腐肉から海を守っていた。


その中で彼女はまどろんでいる。

体は透明なカプセルに守られている。

何者なのか、ただ一人、この大いなる《静かの海》にたゆとうている。


この前はいつ目覚めたのか。

だれもしりはしない。

年もわからない。

幼児の体型だった。


通常は腐肉の表面までしか降下できないのに、

男の乗ったポッドは腐肉を突き切って来た。


フライトデッキから、ポッドで降下した男は、この球形世界《静かの海》にたどり着いていた。

男はこの海に装置されたコアにはいった。

そこにはモニターが設備されていた。操作卓に前に座る。


「トリニティ、我が子よ、目覚めてくれ、お願いだ」叫んでいた。

男の願いが通じたのか、彼女の意識が開いたようだった。

男はくいいるように覗きこむ。


男のいる操作卓のあるコアと《静かの海》は透明な膜でくぎられている。

まだ、二人は遠く離れているのだ。


男はその少女に精神波を送る。

「君、私がわかるか」


「おじさん、だれなの」

しばらくのち、か弱い彼女の思いが、彼の心に返ってきた。


「私は、君に命を与えるためにここに来た」

彼女にとってみしらぬ男はそう言った。


「どういう意味なの」

そう彼女が聞いた瞬間、操作卓の場所が白熱していた。

男の姿は消えている。


「一体、なによ。あたしを起こしてさ。何用なの。へんなおじさん。いい、も一度眠るもん」


 再び、トリニティと呼ばれた彼女はまどろみに戻った。

そのまどろみに入る前に、完全な彼女の顔ができあがっていた。




 男が白熱した後、このコアの付属設備が急に作動し始める。

《静かの海》に隣接した設備、

そのメインコンピュータが目覚めつつあった。


この《静かの海》に近接するコンピュータ地下羊宮チャクラ。

コンピュータ地下羊宮チャクラは、古代人類の記憶バンク。

 

《静かの海》で一人の運命の少女トリニティが、いままさに誕生しょうしていた。


■『おや、ついに、ついに発生したのね。早くここまでおいでよ。私の親よ、妹よ。早くここまでおいで。私、アリスがきれいに始末してあげる。ああ、楽しみだわ』


 腐敗惑星のどこかで、誰かの意識がそう、語っている。

 彼女はしたなめずりをする。少女トリニティと同じ顔をしていた。


■「どうやら、、、あの子トリニティは目覚めたようよ」


腐敗惑星のアリスは父に言う。


腐敗惑星の表面で唯一ヶ所。

大陸化された陸地。そこが「機械城」だった。


その中に「クリスタル=アリス」はいた。


彼女の精神の中で、何かがコトリと音を立てて動いたのだ。


それは、彼女と同一のモノが動き始めたことを意味した。


同時に、クリスタル=アリスか、あるいは新生少女「トリニティ」かどちらかが相手

によって倒されねばならないことを意味した。


本当は二人同時に存在すべきはない個体だった。


「本当か、アリス。いよいよ時が満ちたのだな」

「そのようよ、パパ」

「お前が「世界子せかいし」となれる日が近いのだな」

「うれしい、パパ。私が「世界子」となり、パパがその世界を統べることができるのよ」


父親はその答えをしばらくためらい、そしてつぶやく

「ああ、そういうことだな」


■「パパ見て、」


「ついに、禁断の果実、黄金のリンゴがなったわ」


目の前に広がる、機械城内部になる最後の楽園、その中央にある木に実がなっていた。



「ふふ、ついに、ついに、時は来たりぬか。我がフクシュウの時は来れり。セキリョウ寂寥王よ、早く出現せよ。我々の手にかかれ、ふふ」


アリスから父親と呼ばれたその男は、自己の気分が高揚して、来るべき時をまっている。


腐敗惑星のアリス(続く)20210911改訂

作飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●how to draw manga ●manga-training

http://www.yamada-kikaku.com/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ