宇宙へ
「ん? 何だ? え? え? ちょっと…うわぁー!!」
ある日、突然一人の男の体が宙へと浮かび、そのまま空の遥か彼方へと消えていった。
「きゃー!!助けてー!!」
「うわ、何だよこれ!?」
男だけでなく、女、老人、子供、総理大臣に泥棒、犬、猫に至るまで、地球上の全生物の体が宙へ浮かんで空の彼方へ飛んでいく。
中には必死で建物にしがみつき堪える者もいたが、不思議な浮遊する力には勝てず、力尽きてやはり空へと飛んでいく。
地球の回転で発生した遠心力によって、宇宙へ投げ出されたのだ。