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対決ミドリマン 思い出編

この話は本筋とは関係無いので入れなくて良かったかも。

後のストーリーとのずれが生じそうなので削除しようと思ったのですが方法が分からず・・・

 

 決戦の土曜日、ランドセルを背負い教室をさっさと出て行く要にクラスメートの誰一人として声をかけなかった。

 いやかけれないのだ。

 数ヶ月前までは分かり易く要の教科書への落書きや机の中にゴミを入れる、基本的な手段として上履への画鋲仕込み、「アイジンの子!」という罵声を浴びせるなどの要するにイジメに遭っていた。

 そしてある日の事、昼休みにトイレから戻ってきた要が目にしたのは自分の机の中身がぶちまけられた状況だった。

 今までの要だったら黙って元通りに戻すはず、とその状況を見ていた首謀者や傍観者のクラスの連中は思っていただろ。

 だがその日の要は床に散らばる教科書をいくつか持ち上げてクンクンと臭いを嗅ぎ、さらに倒れた机の臭いも嗅ぎ立ち上がると目を閉じた。

 「おい、頭も余計おかしくなったんじゃねーの?」 

 「きゃははははっ!やっぱり汚い奴だからしょうがないんじゃないの~」

 クラスの中でリーダー的な男女とその取り巻きから嘲笑が要に浴びせられる。

 そんな侮蔑を無視するかのように、取り巻きの一人である男子児童の机の前に歩み寄った。

 「おい!汚れた手でオレの机に触んなよ!」

 その声を無視しておもむろに要は右手を振り上げるとためらいも無く机に叩き付けた。

 バキッ!

 軋みを含んだ音をさせながら机が真ん中からへし折れ、真ん中から割れ沈み、中にあった教科書や筆記用具が床に散らばった。

 「ひっ、ひぃっ!」

 要は尻餅をついて後ずさる男子児童を無視して、別の児童の机の前に移動する。

 「ね、ねぇっ!やめてよ!」

 クラスのリーダー格の女子児童は自分の机の前に立つ要の意図を察して懇願するが、もちろん要は無視して先ほどと同じように右の拳を叩き付けた。

 ズガンッ!

 「あっ、ひっ・・・」

 ぺたりと床にへたり込んだ女子児童の床には湯気の立つ液体がジワジワと広がってゆく。

 どうやら恐怖のあまりに粗相をしたようだ。

 声も出せずにその一部始終を見届けた他の児童達だったが、要がぎろりと彼らを見渡すとその均衡が崩れた。

 「わぁぁぁぁ!」

 全員が一斉に前後のドアを目指して走り出した。

 当然だろう、いままでに自分達がやってきた事の結果が、見るも無残な姿に成り果てた二つの机なのだ。

 あの拳が自分達に振るわれたら、という恐怖が取らせた本能的な行動であろうか。

 だが彼らの逃走を妨げる一喝が教室に響いた

 「全員動くなっ!」

 声の主はもちろん要だ。

 ビリビリと響いたその声に逃げようとした十数人の児童は要に背を向けたまま、もはや身動きひとつできない。

 「さて、みんなこっち向いてくれないかな」

 先ほどとはうって変わり優しい口調で続ける要に児童達は恐る恐る振り返った。

 「はぁ・・・今まで散々やってくれたけどもう面倒臭くなっちゃったよ。

  とりあえず今見たことは誰にも言わないでね。」

 にっこりと微笑む要に少しは安堵したのだが、続いた言葉に今まで以上に凍りついた。

 「もしも誰かに話したら・・・殺す。

  ああ、勘違いしないでほしいんだけど、殺すのはお前らじゃないよ。

  殺すのはお前らの家族、親兄弟だから。」

 児童達の体に震えが奔る。

 いや既にに震えと言うよりもはや痙攣に近い。

 「え~と、その机昼休みが終わる前に片付けといてね。

  先生に見られたら厄介だから。

  じゃくれぐれもよろしく~♪」

 簡単な約束をしたような調子で一方的な会話を終わらせてから要は教室から出て行った。

 残された児童達は床にへたり込む者、無言で互いに見やる者達などそれぞれだったが、少ししてからノロノロと動きだし机を片付け始めたのだった・・・

 それから数ヶ月、あの場に居なかった児童達は何が起こったのかさっぱり分からなかったが、リーダー格やその取り巻き連中、その他の児童達が急に大人しくなったばかりではなく、要にちょっかいを出そうとする児童を青ざめた様子であわてて止めに入るというワケが分からないという状況になった。

 要自体は「殺す」と言ったのは割りと冗談ではあったのだが、あれくらい脅さないと気がすまなかったというのが単純な理由だ。

 という理由でクラスや学校に誰一人として要の友達と言える者はおらず、本日の決戦には誰の邪魔も入らずに挑めるのだった。

 


大まかなストーリーは決めているのですが、ステータスやスキル周りは割りと適等です。追々煮詰めます。

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