強さ
強くなりたいと思う。力ではなく、権力ではなく、心がだ。
人は人を平気で傷つけるし、それはとてもくだらないことが多くて。
それに言い返して抵抗する強さではなく、そんなことにいちいち傷つかないだけの強さがほしいのだ。
なんでもないって言うのは簡単だ。なんでもないってフリをするのも簡単だ。
ただひたすらに、忘れられなくて気にし続けて、なんども自分で自分を傷つけるのが嫌だと思う。
連鎖でしかないのだろう。傷つけられた者がまた、他者を傷つけるのだ。
自己確立のためなんだ。相手も可哀想なんだ、そんな風に思うことは慰めだけれど、自分についた傷は消えないものだ。同上なんかできないよ。
自分より弱いから、安心して罵倒するのだろう。最低な人間だ。だから、傷ついてやる必要すらないのに、落ちこんだ精神が元に戻ることがなかった。
人に関わらなければ不当に傷つくこともないけれど、人と関わらずに生きていくことは難しい。寂しいし、それこそ、死んでも誰も悲しむことのない、必要のない人間になってしまう。
ただ、負けたくないのだ。心が折れてしまわなければいいのだ。
くだらない人間に、優越感を与えなければいいのだ。
泣いてなんかやらない。絶対に。
死んじゃえばいいなんて、平気で思う。口に出さないけれど。実行しないけれど。それぐらい許される。
だってそうじゃないとこの世の中は生き辛くて。
みんなやっているからって許されないと誰も許されなくて。