とある2人のやり取り
このお話はキャラクターの会話文だけで構成されております。地の文は使わずにどれだけ世界を表現出来るか...お試し的にやってみています。ただのお遊びです。
「ふんふーふふーんふっふふっふふっふふーん、くるくる〜」
「あなたっていつも楽しそうにしてるわよねぇ」
「あっ、コロにゃん!こんなとこで会うなんて奇遇だねぇ!」
「...気分で呼び名変えるの慣れないからやめてくれる...?」
「にへへ、気が向いたらねぇ、コロネちゃん!赤くて長いスカート、素敵だよ?」
「...はぁ、まぁいいわ。フィアラ、あなたを探していたの。これを見てくれる?」
「ん?なぁに、この紙...依頼書?ヴァジリス山?これまたずいぶん遠くまで行くんだねぇ♪」
「この山って2つ向こうの山よね?あまりにも遠いから、あなたの...魔人フィアラお得意の転移魔法に頼ろうかと思って...お願いしていいかしら?」
「ふむふむ〜さすが最強の冒険者コロネリア。単騎で我がねぐらに乗り込み、極限まで追いつめるほどの強さを持つだけのことはある。その我こと魔人フィアラを便利な乗り物扱いとは、おそれいるなぁ!ふふふ」
「そんな魔人がひらひらふんわりした可愛い系の衣装を着て、白昼堂々人里を踊りながら歩いてる上に、腰を痛めて動けないおじいさんに寄り添いながら安全な場所まで移動する所を見たら、誰もが恐れおののくと思うわ」
「えっ見てたの?見てたなら一緒に助けてよ」
「知ってるかしら?あのおじいさん、女の子が助けようものなら全力でセクハラしてくる最低なジジイよ。ちなみに男の場合は舌打ちするらしいわ。常習的にそういうことしてるから、今度見つけたらしょっぴこうかと思ってたのだけど...」
「あー、それでなんかいやらしい感じに腰に手を回してきてたのかぁ...ってそれはそれでもっと助けて欲しかったなぁ!?」
「まぁ、そんな些事はどうでもいいわね」
「あたしの貞操の危機が些事!?」
「声が大きすぎて耳が痛いわ。それに貞操だなんてはしたない...淑女としてどうなの?」
「...むー、手伝うのやめよーかな...」
「あらあら、困ってる人を目の前にして放っておこうとするなんて、さすが魔人ね。恐ろしい...有害認定も捗るわ」
「...あんまりそういうこと言ってると、そろそろ泣くよ?」
「泣いてもいいけどヴァジリス山に転移お願いしていいかしら?こうしてる時間ももったいないわ」
「ヤダって言いたいけどもういい...すぐ行くよ?ちょちょいのちょいでびゅーんびゅーん、ほい到着ぅ!」
「ありがとう、助かるわ」
「急に素直になられると調子狂っちゃうねぇ...」
「くす、いじめられた方がいいだなんて、とんだマゾ気質ねぇ...」
「いじめてる自覚あるなら尚更やめた方がいいんじゃないかなぁ!?」
「大きな声出したら魔物に見つかるわ。ほら、しー、よ」
「...ハァ...それで、ここにはどんな用事だったんだっけ?」
「魔物退治よ」
「見つかってよくない!?」
「ええ、そうね。だから別に大きな声で泣いてても構わないわよ」
「...さすがのあたしもちょっと腹立ってきた。憂さ晴らしがてらに魔物退治で勝負しよう。多く倒した方が勝ち。どう?」
「1人でやってなさい。もう終わったから帰るわ」
「...え?いつのまに...?」
「あなたがため息をついた時。光波魔法使ったわ。ただ光を放つだけだから植物や生態系が焼かれることも流されることも無い。ただ山中に潜む、悪しき魔物や魔人だけを滅ぼせる。他の人では時間がかかるし不都合がある。私は不都合なくできる。だから私が来たのよ」
「...最強にも程がある...恐ろしい子だよ、コロネは...」
「ハッ、今更そんなこと言って...誰に鍛えられたと思ってるの?それに、そんな私の力を以てしても倒せないような凶悪な存在が私の隣にいるのだから、ほんと、世も末よ」
「...あれ、もしかしてその魔法、あたしも対象だった?」
「当たり前でしょう?なんでピンピンしてるのよ」
「協力者すら倒そうとするなんて、血も涙もないのかっ!?」
「無理だと思いながらも試しただけよ。無傷なんだもの。別にいいでしょ?」
「...もういいよ...でも、ふふ、いつか倒せるといいね?」
「無理ね。気分悪くなるから笑顔で言わないでくれる?...拠点に転移お願い」
「はぁい。それ指パッチン。ほい到着ぅ。今日の晩ご飯なににするの?」
「転移魔法のお礼と言ってはなんだけれど、あなたの好きなものでいいわよ?作ってあげるわ」
「やた!それじゃあねぇぇ...」
おわり
うちの子メインの2人のお話でした。
こんな感じで色々遊んでいきたいと思います。このお話は、しばらく続く予定です