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裏事情を抱えた僕はお偉い様の召使いです。  作者:
一幕 出会いと再び
1/5

一話 出会い

「これからお世話になります……。」

「ふん、好きにしろ。俺はお前に期待してない。」


僕はこの人の執事になる。……これも自分のためなんだ、何がなんでも耐えないと。


ー数日前

「……痛い……、やめて……」

「はぁ?やめるわけねぇだろ!」

「お願いしま……す。」


僕は(れん)。今は、とあるお店の裏でカツアゲらしきことを受けている。これも今日で6回目、慣れたというかなんというか……僕は昔からこうなんだ。


「おい。」

「あぁ?何だおめぇ?」


誰かが助けに来てくれたみたいだ、でもさほど期待はしていない。……見捨てられるくらいなら、1人で大人しくしていた方がよっぽどいい。だけど……助けてくれるだけでもお願いしたい。僕は心の中で望んでいた。


「俺か?ただの通りすがりだ。」

「……はぁ?喧嘩売ってんのか!?」

「喧嘩は売ってない。そこの奴がなんかしたのか?」

「……(下を向いて俯く)」


僕はビクッと身を震わせた。カツアゲらしきことをしてきた人が変なことを言ったら、もしかしたら警察沙汰になるかもしれないと直感が言っている。僕は再度、身を震わせた。


「あぁ、コイツが俺らの財布全部盗んだんだ。」

「ほぅ?(蓮を見る)」

「(こっち見たやん……終わった)」

「……そんなことする人には見えないがな?」

「あぁ?」

「え?」


素の声が出てしまった。そんなこと言うとは全く思わず……。僕は上を見上げ、その人の顔を見た。とても綺麗で美しい顔立ちをしている。何処かの王子様っぽい感じだ。


「俺らが嘘を言ってると?」

「あぁ。何か?」

「ふざけんなよ!」


殴りに行った、あの人はもう終わりだ……。と思った矢先、


「ぐはっ」

「……え、ど、どういうこと……?」


カツアゲ勢がみんなやられていた。そんなに強かったのか…この人と目の前の光景を見ながら心の中で感じていた。


「おい、お前。」

「!は、はい。」

「大丈夫か?」

「へ、平気です、助かりました……ありがとうございます。」

「……」


助けられたのはいいが、実のことを言うと迷惑をかけるのだ。その実のことは、()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。……まぁ、こんな事態になるのはクビにされた人が受ける罰だと感じていた。……慣れたから。


「お前、この店で働いてるのか?」

「……まぁ、ついさっきまでですが。」

「ふーん?……俺の()使()()にならないか?」

「……は?」


急に召使い?!どういうことだ……。僕は今までにないほど動揺と混乱が脳を襲っていた。


「だから、召使い。ど?」

「……なんで僕なんかに……?」

「人手が足りないから。じゃ、承認ってことでよろしく。」

「はぁ……わかりました。助けられた借りですね。」

「まぁ、そういうことでいい。来い、俺の家に連れて行く。」

「……はい。」


こうして、僕は召使いという新たな仕事をクビの直後に貰ったのだ。仕事は数日後に始まる、それまでに色々と準備をした。服、道具、働き場所の内装等などを頭の中に入れた。こう見えて記憶力だけはとても良いのだ。そして今に至る……

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