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書『ただし魔法はケツより出づる』

作者: パテうめ

 書『ただし魔法はケツより出づる』 著ワインズ・エンハーソン



前文


この言葉を私に送ったクソ師匠と、これからこの言葉を聞くことになるであろう同志達を思い、この書を綴る。



一章:概要とその発言主


 ただし魔法はケツより出づる。

 突然ではあるが、この言葉を知っているだろうか。おそらく数多の魔導士諸君は首を縦に振ると思う。中にはこの言葉から少しずれた言葉を聞いたことがあるかもしれないが、言い回しが少し異なるだけでいずれも同じ言葉である。

 例えば、「ただし魔術は尻から出る」などがそれに当たる。

 あまりにも有名な言葉だ。もちろん良い意味ではない。

 およそ魔導を極めんとする者から出た言葉とは思えないが、しかしその言葉の強さ・圧というものは強い。あまりにも強すぎて、この言葉は世の魔導士達へ瞬く間に伝わった。伝染病もかくや、恐るべきことである。

 そもそもの出典はなんだったか。私にも鮮明に思い出すことは難しい。たしか魔方陣を用いた聖書の類だった気がする。

 そもそもこの時点でおかしい。魔方陣とは組んだ方陣を中心として発生する魔法なのだから、当然魔方陣から魔法が出なければならない。

 では私の記憶は間違いだったのだろうか。まずはその言葉の元となった話を探すことにした。

 結論から言えば、それは魔方陣を主に扱う魔導士の手記であった。いや、正確には彼の言葉であった。

 なぜだ、と突っ込んだ人もいるかもしれない。他ならぬ私がそうだ。なぜ魔方陣を使う魔導士がこのような言葉を放つに至ったのだと。

 彼には弟子が居て、その弟子に対して放った言葉である。これは推測になるが、もしかしたら弟子は早く魔法が使いたいがために基礎を疎かにする様な弟子だったのかもしれない。あるいは貴族の命令で早く使えるようにしろと命令されたのかもしれない。

 弟子がどんな存在だったかを推測しても仕方がない。ともかく彼には弟子がいた。

 そんな弟子に向けて、きっと冗談めかして言ったのだろう。正確に彼の放った言葉は以下の通りである。

「私の修行を受ければ、君は一年で魔法を撃ち出すことができるだろう。何、長い? そうか、では三ヶ月にすることも出来る。ただし魔法は尻から出る」

 彼はこんな冗談を弟子に言ったのだ。冗談だろう。冗談に決まっている。冗談であれ。

 確かにそんなことを言われれば「では三ヶ月で!」とは言わず「みっちり一年間お願いします」と言うに決まっている。

 この書を読んでいる者の中にはこれから魔法を覚える者も居るだろう。そのような者に誤解無きよう言っておくと、一年という修業期間ですら当時の常識を考えればとんでもなく短いものであった。

 半端に魔法を触るくらいなら恥しかかけぬ魔法しか教えぬと言いたかったのだろうか。それとも本当に三ヶ月で魔法をケツから出すことが出来るのだろうか。今となっては真意は分からないが、彼の弟子は一年間修行に励み、後世に名を遺す魔導士となった。

 兎にも角にも、この言葉の歴史を多少なりとも認識していただけただろう。

 過去の偉人の名誉の為にも、この言葉を生み出した者の名前は伏せたいところであるが、それだと私の書いたことが妄想・妄言の類だと言われかねない。故に私は止むを得ず、彼の名を綴ろう。


 名をワイズマン。

 ワイズマン・マクスウェルと言う。


 そう。

 偉大なる魔方陣開発の祖にして発展の父。

 そして私の名の元となった偉人でもある。



 ……誠に遺憾ながら、マジである。




 二章:魔法・魔力とは


 言葉の歴史について分かったところで、本題に入りたい……と思ったが、これから魔法を学ぶ者のためにも簡単に魔法とは何か、魔力とは何かについて触れたい。

 魔法とは魔力を元にして発生させたあらゆる現象のことを言う。

 火を出す。水を出す。風を生む。ありとあらゆる現象を起こすのが魔法であるが、その制御は難しい。

 調理場にある火を出す魔道具を思い浮かべれば分かりやすいだろうか。あれも魔法の一種だ。正確に言えば前章で出てきた魔方陣を組み込んだ魔道具であるのだが、「魔方陣を媒介に魔力を制御し火を起こす現象」は立派な魔法である。

 魔道具は魔法を起こすための道具。

 今や諸君らの生活のなんてことないものにさえ魔法が溢れているのだ。

 だからこそ、かの言葉の生みの親と魔道具の生みの親が同一だなんて信じたくなかった。

 ……話を戻そう。

 続いて魔力について簡単に説明する。

 魔力とは分かりやすく言えば便利な力の源だ。

 空気の中にも見えないだけで魔力は存在する。魔力の濃い場所と薄い場所といった違いはあるかもしれないが、基本的にどこにでもあるものだ。

 魔力がある場所は空間だけに留まらない。

 我々人間の体の中にも魔力は巡っている。人間だけではない。魔物も、動物も、何者であろうと魔力を持たない生命は存在しない。当然植物も生命に含まれる。

 極稀に魔力を全く感じさせない人間も出てくる。しかし、魔力を感じさせない・出せないことと魔力を持たないことは全く話が違うので、魔力を感じられないからと言って馬鹿にしたり雑に扱ったりしないよう注意していただきたい。

 大抵の場合、そのような特殊体質の持ち主を粗雑に扱うと手痛いしっぺ返しがあるものだ。

 さて、どのような存在であれ魔力を持っていると書いたが、それは死体であっても例外ではない。

 人が死ぬと体重がわずかに減少すると言われている。

 その『僅か』の正体は、かつて魂と呼ばれていた。しかし現在では体内の魔力が空間に排出されたためだと言われている。

 抜けきらなかった魔力が固まったものが魔石となって現れる。魔道具をよく扱う物ならば知っている通り、魔石は魔力の源だ。逆に言えば、魔石が残っている死体は未だ魔力を持っていると言えるだろう。

 そこらへんにある植物や小動物から魔石が取れないのは、元から微小な魔力しか持っていないため、その全てを空間に排出してしまうためだ。……と、これはあくまでも私がこの本を書いている時に主張されている通説であり、君がこの本を読んでいるときの通説とは違うかもしれない。

 興味があれば是非論文を読んでくれると、こんな本よりも余程有意義な時間を過ごせると信じている。



 三章:ケツから魔法。その可能性


 さて、ようやく本題である。諸君らは何か馬鹿なことを始めたと思うかもしれない。私もそう思う。

 だが待ってほしい。かの魔方陣の祖が放った言葉である。言葉通りの意味に受け取るべきかもしれないが、少しだけ裏を読んでもいいのではないだろうか。

 裏とはなんぞや。

 それは『尻の方が魔法を出力するのに向いている可能性』だ。

 何を馬鹿なことをと思ったかもしれない。私もそう思う。本当に、何が私をそこまで駆り立てたのか分からないのだが、この書を執筆しているということは検証を終えた後なのだ。後になっても、何を馬鹿なことをやっているのだろうと思う。

 諸君らは魔力を感じ取るとき、あるいは魔力を出力するときに、何を想像しろと言われただろうか。

 体の中を巡る血液?

 たしかに分かりやすい。実際魔力は血液に含まれていると考えられているので合理的だ。

 全身から吹き出る汗?

 これも分かりやすい。自然体で放出されている微細な魔力は、内側よりじんわりと外へ出ていく汗を連想させる。

 そして指先や手のひらから魔法が出力されるさまを想像をする。これらが一般的であろう。

 私の場合は違った。

 私のクソ師匠は言った。

「お前、クソは出るか? それだ」

 おっと、急にこの書が香ばしくなってきたようだな。

 可能であればこの本を閉じないでほしい。だが今すぐ本を閉じたとしても、私は攻めることはしないとも。

 一応名誉の為に言っておくが、かの師匠も本気で言ったわけではなく、すぐに冗談として普通の方法を教えてくれた。

 さておき、ある程度何を言いたいか分かった人もいるかもしれない。鋭い諸君らは生徒としてであれば大変歓迎できるが、この話題で「鋭いな! 君は!」と褒められたくもないだろう。

 再度言うが、魔力を出力する方法について、だ。

 なぜ私が出力するのに尻が……いやもう取り繕うのはやめよう。出力するのにケツ穴が良いと思い至ったのかについて説明したい。

 人間というのはいろいろな機能を持った部位がある。

 息を吸い、吐くための器官。物を食べ、消化するための器官。異物を吐き出すための器官。あらゆる臓物。あらゆる循環器。指、頭、目、足、人間に備わったあらゆる部位。

 前述した指なんかは、何かを指し示すのに最適だ。そういう意味では『指向性を持たせる』ことに長けているのは指、あるいは伸ばした腕なのだろう。だが、指は何かを出すための器官だろうか。

 爪は出てくるが、本質的には出すための器官とは言えない。掴むなどありとあらゆる繊細な作業をするには適しているが、出力の第一歩という目的からは外れているだろう。

 一つ一つ人体の機能を考えていった時、体内から吐き出す以外に役目が無いものがある。

 それがケツの穴である。

 正確には尿道もそうであるが、これに関しては男女で狙いやすさが異なることは間違いない。それから私にはどうしても己の一物の先端から炎を出す想像が出来なかったというのも理由だ。あらゆる意味で嫌であった。……君たちがそれを試そうというなら止めはしないが、いざというときに使いものにならなかったら……。いざというときに暴発してしまったら……。そんなことを少しでも考えていただければ幸いだ。

 それであれば、まだケツの穴というのは常識の範囲内と言えるのではないだろうか。

 ……私は今自分の常識を疑っている。常識を持っていたらこんな検証などしないのだから、非常識の中でもまだギリギリ許せる範囲内では――というべきなのかもしれない。

 とにかく、これでなぜケツの穴が他の人間の部位よりも何かを出力するのに長けているかが多少は理解してもらえたかと思う。

 ここでかのワイズマン・マクスウェルの言葉を改めて振り返りたい。


「私の修行を受ければ、君は一年で魔法を撃ち出すことができるだろう。何、長い? そうか、では三ヶ月にすることも出来る。ただし魔法は尻から出る」


 普通に修行して一年で魔法を撃ち出すことが出来る。が、撃ち出すだけなら! 出すことに重きを置いた器官から魔法を出すだけなら! 三ヶ月で出来るのだ!

 そう考えるとこの説に一定の可能性が出てくるではないか。



 四章:ケツから魔法。その検証


 そして私は検証を始めた。

 まずは魔術に精通している者たち達を十名程集め、ケツから魔法を出すと何か変わるのかを確認してもらった。勿論私もその十名に含まれている、当然私もやった。

 自尊心を海の彼方へ放り投げ尊い犠牲になってくれた愛すべき友人アホどもに感謝を。


 検証したものは以下の通り。

 一つ。他の部位と比べ、出力しやすいか。

 二つ。他の部位と比べ、扱いやすさはどうか。

 三つ。他の部位と比べ、早く、強く出力できるか。

 四つ。『習得』を『なんでもいいから魔法を出すだけ』という限定すれば、他の部位よりも有用か。


 順番は前後してしまうが、一番最後の習得に限った話を先にさせていただく。

 これは「分からない」が皆の共通した意見である。

 というのも、我々はすでに成熟した魔導士なのだ。すでに魔法の出し方は慣れたものであり、今から魔法を使えなかった感覚には戻せない。これに関しては別の実験が必要である。

 そして他の部位と比べ、出力しやすいか。

 これは人による。

 すでに魔法の出力には慣れたものであり、指先だけでなく額からでも魔法を撃ち出すことが出来る人選である。出る先がケツになろうが大差ないと思われた。

 結果は二名が大差ない。

 三名が羞恥からか、出力を躊躇う。さもありなん。

 私を含む五名は僅かながら出力しやすいような気がする。

 なんとも微妙な結果だ。

 だがしかし、僅かながら出力しやすいという意見もあるのだから無視は出来ない。

 それでは扱いやすさはどうか。

 これは全会一致で「扱いにくい」であった。

 まるで初心者の作った魔道具の変換機を切り替えるかのように、大雑把な魔法ばかりとなった。熟練した魔導士であってもこうなるとは、意外でもある。

 しかし考えてみればケツの穴というのは出すときは気合を入れて全力で出しにかかるもので、それ以外は出ないように閉じるものだ。

 ……用途を考えれば納得出来てしまうのがこの実験の恐ろしいところである。

 残るは他よりも早く、強く出力出来るか……であるが、これは出力の時と同じように人による。

 羞恥によるものか、不安によるものかは分からない。

 早く出来る者、早くはないが強くは出来る者、早さも強さもない者、早くも強くも出来る者、基本は強くも早くもないが、ある一定の条件下でのみ自在に操れる者(なぜか放屁する想像でケツから空気を出し空を飛んでいたが、奴は真正の異常者なのかもしれない)等。

 これらの結果から分かることは、ケツから出す魔法は大雑把な威力になりがちであるということ、もしかしたら出しやすいのかもしれないという程度である。

 我々が熟練者だからこそ分からないのかもしれない。

 そこで、次の検証である。

 魔法に興味はないが魔法の素質のある農村の子供を百人ほど集め、魔法を学ばせた。

 半分は従来通り、腕や手・指から魔法を出力することに注力した。残りの半分はケツから出すことに集中させたもの。

 意欲的に取り組んでいただくために、魔法を出すことが出来たら成功報酬として大金を渡すことを約束した。勿論労働力を奪うことになるのだから、魔法が使えなくても一定の報酬を払うことにした。

 この結果は驚くものであった。

 今現在の指導法であれば、平均的に半年で魔法を撃ち出すことが出来る。前者のグループは多少の差はあれど、この半年に収まる程度であった。

 そしてケツ指導した中でも早い子供は一月で出すことが出来たのだ。さらに男子で、年齢が低い方が早くなる傾向にあった。

 推測するに、年齢が上がるにつれて羞恥が強くなっていくのだと思う。年齢の低い男子は屁、それに類似する下ネタに躊躇がない。むしろ好きであろう。その差が結果となって現れたのだと推測する。

 ただしその逆もある。推測できたことだろうが、女子は中々魔法を出力しなかった。

 しかしながら一部の子供の指導方法を逆転させたとき、ケツから出すように指導していた子は少しの時間で指から出すことが出来、指から出すように指導していた子は中々進展しなかった。

 彼女らはすでにケツから出力するための感覚をつかんでいたが、それを言い出すことが出来なかっただけなのではないか。出力する場所を変えることで恥を感じることなく出力出来たのではないか。

 そう推測することが出来るだろう。

 つまり、魔法は早く習得出来たと言える。

 だがしかし、これには罠があった。

 最初にケツから出力することを目的とした子らは細かな調整が苦手なままであった。

 逆に従来の子らは細かな調整は早い。魔法の完成度を求めたとき、より完成に近付いたのは従来の子らである。

 さらに一部のケツ指導の子は従来の指導に切り替えた後でも指から魔法を出せなかった子供もいた。了承を得た実験だったとはいえ、なんと残酷なことをしてしまったのだろう。



 五章:結論。ケツから魔法は有りか


 とにもかくにも、実験は一通り実施した。

 これらの実験結果から、以下のことが言えるのはないかと考える。

 早く魔法を覚えるためにはケツから学ぶと早い。出力する"だけ"ならばケツから出力する方が良いが、魔法は大雑把なものしか使えず、人によってはケツからしか魔法が出せなくなる危険性もある。

 従来のやり方では時間はかかるが、より精密な魔法が扱える。


 本格的な魔導士になりたいのならば、やはり魔法は指から始めよう。



 終わりに


 この実験をし、一点反省をしなければならないものがあった。自戒の念として、ここに記載させていただく。

 最初に魔法の才があるかの判別をしたとき、当然ながら才のない者もいた。ところが、実験をしている最中にふと気が付くと、才なしとした中にも極々僅かに才が見いだせる者がいた。

 あまりにも極小な才であったため見逃してしまったのだろう。今後はこのようなことが無いよう、もっと詳細に判定出来るようにするべきだ。

 だがしかし、今の調べ方ではやはり限界があるだろう。何か方法はないものか。

 ……こんな実験なんかよりも、よほど考察しがいのある題材だ。

 なんにせよ、馬鹿げた実験ながらも成果は生まれるもの。昔より言われていることを実験出来たことはとても面白く、有意義……だったというには甚だ疑問ではあるが、久しく連絡を取っていなかった馬鹿共と共に新たな実験を行えたことは有意義であった。

 今後も何か思いつき次第、現状を疑い、常識を取っ払って実験を行っていきたいと思う。

 願わくば、このような下品な書を手に取ってくれた者の、なにがしかの一助になれれば嬉しい。

 ……無理、であろうなぁ。一助とは言わず、「暇つぶしとして見たにしては面白かったな」とでも思ってくれれば幸いだ。



 ワインズ・エンハーソン






 ……



 ……



 パタリと本を閉じる。

 ワインズ・エンハーソン。

 彼は魔法に革命を起こした者として知られている。

 もともと魔法とは一部の才あるものにのみ行使可能な力であった。それが実はどんな者であっても、大小の差はあれど魔法を行使出来ると証明したからだ。

 そう。今は誰でも魔法が扱える。

 そして、彼がその証明を行うための切っ掛けと言われているのがこの本である。

 ……冗談だろう? と思うかもしれないが、マジなのだ。笑っちまうね。

 最後の『終わりに』に書かれた内容から発展させて彼は魔道具を作った。そしてそれは、今では全国民が五歳の時に必ず受ける必要のある儀式へと使われるようになる。

 ワインズはこれを『才の目』と名付けたが、およそ百年の時を経て、魔道具はさらに発展。魔道具によって才能を測り、どの特性に向いているかを確認する『神託の儀式』へと姿を変えていった。

 さて。

 俺がこの本を読んで何を思ったのか。それを語っていきたい。

 彼はこう書いた。


『「私の修行を受ければ、君は一年で魔法を撃ち出すことができるだろう。何、長い? そうか、では三ヶ月にすることも出来る。ただし魔法は尻から出る」

 彼はこんな冗談を弟子に言ったのだ。冗談だろう。冗談に決まっている。冗談であれ。

 確かにそんなことを言われれば「では三ヶ月で!」とは言わず「みっちり一年間お願いします」と言うに決まっている。』


 と。

 ……本当であろうか?

 俺は魔法の才能がほとんどない。正確には魔法を外部に出力する才能に乏しく、魔力を体内に循環させる強化魔法しか使えない。だから剣の道を選んだし、それを後悔もしていない。

 しかしながら、剣だけでは出来ないことがある。何度魔法が出せたらと思ったことか。

 だが、仮にケツからであっても、僅かな可能性でも威力の高い魔法が出せるというなら、それは俺にとって福音である。


 だって、そうだろう?



 ケツから炎を出すなんて最高に面白いじゃないか。


 むしろ俺はケツから魔法を出したいね! そんなの絶対おいしいじゃん!!!







 その大道芸人の名は、ゴティーコ・ニジラと言ったとか言わないとか。

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