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04 遠出


 朝、元気にお目覚め。


 というわけで今日は、ジオーネの街までみかんを、


 じゃなくて、みかん箱を探しに。



 朝食も済ませて、いよいよ出発、


 なのですが、



「……」


 えーと、なぜかプリナさんとふたりきりでお出かけすることに。


 みんな、気をつかいすぎですよぅ。



「……大丈夫ですか、サイリさん」


 全然平気ですよ、プリナさん。


 以前のジオーネでの事件のことですね。



 あの件は、ジオーネにも新鮮海鮮丼にも、罪もトラウマも無いのです。


 プリナさんが気に病むことなんて、これっぽっちも無いのですよ。



「おみやげなど催促せぬので、存分に楽しんでくるが良い」

「もちろんスーミャさんとイリーシャさんに海産物をおみやげにしてはいけない」

「これはフラグでは無いのです」

「あえて言うならトラウマ回避のための心遣い」


 ちょっと、モルガナさん。


 朝からトラウマ刺激発言はいけませんよ。


 ほら、スーミャとイリーシャさんが、悲しげな遠い目を。



 こほん。


 では、行ってまいります。



 ……



 ジオーネ『平和の館』にて、


 こちらにお住まいの皆さんにご挨拶。


 ノルセリエみかんを扱っていそうなお店についても、聞いてみました。



「ノルセリエみかん、ですか……」


 どこか良いお店、ありますでしょうか。


 メリルさんでしたらご存知かと。



「南町の外郭沿いにある『スイーツ・パラダイサー』でしたら、もしかしたら……」


 有名なお店なのですか。



「贈答用の高級フルーツを扱うお店で、各国王家にいつでも旬のフルーツをご提供出来るというお店だそうですが……」


 ……なにかあるようですね。



「産地での買い占めや市場での高値専売などで、芳しく無い評判が……」


 なんか、そういうところから買うのは、シャクに触りますね。



「直接ノルセリエでお探しになられた方がよろしいかもしれません」


 そうですね。


 プリナさん、いかがでしょう。


 どうやら遠出することになりそうですが。



「……お供します」


 それでは、と。


 えーと、『Gふなずし』の地図によれば、


 ノルセリエは、エルサニア王国南端のオーバンの街からキルヴァニア国境沿いに街道を西に進んだ、海沿いの町。


 付近の海流がヤバすぎて漁業は不可、平地が狭くて耕作にも難、程良い起伏の日当たりの良さを活かした高級果物の特産地として有名、と。


『ゲートルーム』でオーバンまで行って、後は乗り合い馬車で3日くらい。


 思ってたより遠いけど、プリナさん、大丈夫かな……




「サイリさん、ちょっと」


 こんにちは、アランさん。


 腰の方は大丈夫なのですか。



「その節はごめんね、急に2号をお願いしちゃって」


 いえいえ、困った時はお互い様です。


 それに、なかなか興味深い依頼でしたよ。



「それで、もしよかったら『マリネ』を使ってほしいんだけど」

「乗り合い馬車よりも楽しい旅を保証するよ」


 よろしいのですか、愛車をお預かりしても。



「俺はほら、腰がこんな感じだし」

「『マリネ』のサイドカーモードなら、プリナさんと楽しくふたり旅出来るよ」


 ありがとうございます。


 でも、自転車すら未経験なのに、いきなりバイクの運転なんて……



「大丈夫、『ナビ』で行き先登録したら、後はアクセルでスピード調節するだけの半自動運転モードもあるから」

「自分のペースでのんびり走れば良いんだよ」


 では、お言葉に甘えちゃいますね。



「それじゃ早速、屋上の運動場で運転操作のレクチャー、かな」


 お願いします!



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