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02 理由


 えーと、ただ今、居間の床で正座待機中。


 つまりは、アランさんちっくにおしおきされております。



 もちろん、"宝物庫の主"さんこと大ねずみの魔物を勝手に連れ帰って来たことがおしおきの理由ではありますが、


 なぜか当人、ってか当の"主"さんは、


 みんなから美味しいものをいただいて、大層ご満悦のご様子。



『すみません皆さん、突然お邪魔した上にご馳走までいただいちゃって』


 えらく腰の低い"主"さんなのです。



「先ほどは大きな声をあげ驚かせてしまい申し訳ありませんでした」


 いえいえ、プリナさんのせいではありませんよ。



「王城の関係者やシュメリ博士への報告は済ませているのだな」


 はい、イリーシャさん。


 あちらには討伐済みと報告しておりますので、"主"さんがここにいることはご内密に。



「ちっちゃいのにいっぱい食べるんだねっ」


 プリナさんのお料理がやめられないとまらないなのは、皆さんご存知の通り。


 スーミャも、ちっちゃいのにいっぱい食べるでしょ。



『……じゅるり』


 えーと、そのじゅるりは、プリナさんのお料理に、だよね。


 どっちも食べちゃダメだよ、ナルン。




 今日は、モルガナさんはお仕事でお出かけ。


 ゾディは通常勤務、つまりアリシエラさんの工房で待機中。


 フィナさんとフィグミさんは、仲良く夜までおやすみ中。



 みんなにも、後でちゃんと説明しなきゃね。


 間違って"主"さんが退治されちゃったりしたら、きっと、すっごく悲しい。



『お庭の隅っこで構いません、こちらに住まわせてほしいのです……』


"主"さんが、例の訴えるようなまなざしでみんなを見つめております。



 どうしましょう、皆さん。



 ……



 えーと、多数決、と言いますか、


 この場にいる全員は、同居に賛成。


 後は、不在組のご意見次第ですね。



「"主"さんのこと、何とお呼びすれば……」


 さすがはプリナさん、優しくも冷静な、我が家の管理人さん。



 えーと、"主"さんは今までお名前無しだったそうですが、


 なにか希望とかあります?



『皆さんに決めていただければ……』



 ということで、今晩の家族会議の議題は、


 "主"さんのお名前と今後の方針を相談することに決定。


 では、申し訳ないですが、僕は夜までおやすみさせていただきたく、



 ……えーと、10時のお茶の時間までこのまま正座、だそうで……



 ちょっと、ナルン。


 足が痺れてきたので、足の裏ふみふみはやめて……



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