第三話 人間なんて
どうして、あの時の人間がここにいるんだっ・・。
人間の私の家にやってきた私は、ベランダに座って海を眺めていた。
すると、そいつは私を見つけ「人魚・・?」と聞いてきた。
私はいそいで人間に化け、そいつを睨みつけた。
人間の姿になるのは3ヶ月ぶりだった。そして、篠崎リンそれが私の人間のときの名だった。
「篠崎・・?」
「・・不法侵入だぞ。」
私はそう言って、立ち上がった。
歩くのも、もちろん3ヶ月ぶりである。
「あ、ごめ・・」
「何の用。」
そのまま歩いて人間に詰め寄る。
「い、いや・・。お前が学校来てないって言ってたから・・・」
「お前には関係無いだろう。」
また睨みつけて、私はほこりかぶった自分の家を見渡した。
・・・汚い。
「掃除、手伝おうか。」
「いい。一人でできる。お前は帰れ。」
人間はただぼーっと突っ立っている。
「か、え、れ!」
そう言って私は人間を突き飛ばした。そして、そのまま玄関まで引きずって家から追い出した。
「二度と来るな。」
バタンッとドアを閉め、3ヶ月ぶりに鍵をかけた。
「・・・はぁ・・」
思わず出るため息。私は、近くにあったソファーにもたれかかった。
「やっぱりここは落ち着かないな・・・」
そして立ち上がりベランダに出て、人がいないのを確認すると海に飛び込んだ。
また人魚に戻り、私は深く潜った。
もう、人間にならないって決めたのに・・な。
泳いでいると、一人になれそうな洞窟を見つけて私はその中に入った。
そして、海藻にくるまり眠った。
「俺・・中にバック置きっぱだし・・。」
追い出されてから10分間、俺はまだチャイムを連打していた。
「おいっ篠崎!俺のかばん取ってくれ!」
返事は、もちろんない。(いない。)
「俺が勝手に入ったのは悪かったけどっ、そこまですることないだろ?!」
返事は、無し。(いない。)
「篠崎!」
今度はドアをばんばん叩き始める。
もちろん中に私はいない。
「篠崎おら聞いてんのか!?篠崎ぃぃいいぃ!!!」