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2.女子会

 夕暮れになり、ご飯を取るため混みあった宿の食堂に女四人で席に着く。

 ロリコン野郎は居ない。豆ジャム店でモチを喉に詰まらせたから。というわけではない、残念ながら。宿に戻ってすぐ、睡眠薬入りのお酒を渡したんで。食費が浮いて良かった、良かった。


「あのね、お姉ちゃん達に聞きたい事があるの。

 今までいっぱい倒した魔物の事とか、みんなが初めて出会った時の事とか。……ダメ?」


 不安そうに上目使いで聞けば、快諾ゲット。外見八歳って便利!

 皇帝サマのご要望に応えるべく、裏工作に使えそうな情報を聞き出さないと。


「そうですね、サポト様と最初に出会った私から話しましょうか」


 へぇ、もげ男もちゃんと考えてパーティーを組んでたんだ。

 パーティー唯一の前衛であるベルの獲物は、サーベル。剣技は優れているけど、どうしても攻撃が軽い。そこをゲス野郎の支援魔術で補えば、正に理想的な仲間といえる。

 

 単純に外見が良かったから、仲間にしただけの気も大いにするけど。

 メリハリのある引き締まった身体。月のような黄金色の髪を後ろで一纏めにした事で見えるうなじ。人形のように精巧に整った顔は、つりあがった深い青の目も相まって神秘的な印象を与える。

 こんな美人さんを、あのスケベ男が放っておくわけがない。


「サポト様との出会いは、魔物に馬車が襲われたところを助けていただいた時でした。

 奴隷として帝国に売られる道中の事です。奴隷に落とされた私は絶望し、生きることを諦めていました。奴隷商の護衛達も倒され、この先奴隷として惨めに生きていくぐらいなら、いっそ此処で魔物に殺された方が楽だと思った時です。

 サポト様は颯爽と現れ、支援魔術で戦う力を授けてくださりました。私の弱い心を叱咤してくださっただけでなく、生きる道を示してくださったのです」


 火事場泥棒だから、それ。お持ち帰りは、どんなに美化しても泥棒。

 まぁ、馬車が魔物に襲われ、残った荷物をネコババされたり、運よく奴隷が逃げ出せたなんてよくある話だけど。

 そもそも、実際に倒したのは剣士のベルだし、支援魔術しか使えないから後ろで見てただけの男に、そんなに有難がる必要ある?

 

 気になるのは、所作からしてベルは間違いなくお貴族様か大商人のお嬢様の筈。と思ったら、やっぱりビンゴ! 身元が分かれば、帝国の利になったりしないかなー。


「ベルさんって貴族様だったの!?

 ……でも納得。動作とか言葉遣いとか、すっごく綺麗だもん」


「うんうん、オーラが違うニャー! でも、ニャンでお嬢様から奴隷になったニャ?」


「背が高い私なんかより、二人の方がよっぽど可愛いですよ。

 ……恥ずかしながら、婚約破棄されたんです。覚えのない罪を着せられ、奴隷として国外追放されてしまい……」


 ちょっと待った。


 どこかで聞いたことあるような、その話。サーベルを巧みに操り、婚約破棄され、冤罪で奴隷になり帝国へ売却。そして、名前が『ベル』の元貴族令嬢。

 あれー、冷や汗が止まらないんだけど。


「ひどい、ベルお姉ちゃんは何も悪いことしてないのに! 誰がお姉ちゃんをイジメたの? 絶対に許せない!」


 お願いします知らない話であって下さい、あの話だけは勘弁して下さい!


 最初は言い難そうにしてたけどキャルとリカの説得もあり、ゆっくりとベルの口から告げられたのは、私の知ってる話に出てくる名前だった。


 終わった。私の人生終わった。


 皇帝サマご指名の侯爵令嬢様が、なんでもげ男のハーレム要員なんてやってるんですか、マリベル様!


 マジですかっていうか何してたの護送班っていうか責任者出て来いって魔物に襲われて死んでるってどんづまりじゃん私の人生が! 生き返って責任取ってもう一度くたばれ私の人生返せ! 


 頼んでいた熱々のスープがきて口に運んでも、香辛料がたっぷり入ってる筈なのに全然味がしないし、体が温まらない。冷や汗が全く止まらない!


「ニャンニャの、その女! ベルちゃんの婚約者を盗るなんて、最低ニャ!

 ま、そんな最低女には最低男がお似合いニャー。ベルちゃんは勿体無さ過ぎるニャン!」


「リカの言う通り、そんなクズ男と別れて大正解だよ、ベルさん。

 自分が浮気したくせに大勢の前で婚約を破棄した上、ありもしない罪を着せるなんて酷すぎるよ! しかも、奴隷にして国外追放なんて信じられない!

 もし会う事があったら、私の炎で跡形もなく焼き払ってやる! 優しくて綺麗なベルさんを泣かせた罪は重いんだから!」


 うんうん、酷い、酷過ぎる。流石、冷酷非道と名高い皇帝サマ直々の計画。惚れた女を奪い取る為に、普通奴隷にしたりしない。ついでで国も盗ったりもしない。

 マリベル様、男運無さすぎ。でも、ごめんなさい。背に腹は代えられないんで、側室行きは諦めてください。


 大丈夫、清らかな乙女でなければならないなんて気持ち悪い趣向は持ってないんで。恋愛関連は寛大だから、恋愛は。……仕事にも分けて欲しいな、その寛容さ。

 昨日のもげ男とのお熱い夜を止めれなかったからなー。知らなかったじゃ済まないのが、社会人の辛いところ。


 生き地獄決定おめどう、もげ男。女を横取りされて黙ってる輩に『皇帝』は務まらない。本来なら、皇帝が惚れた女を助けた事を感謝される筈なのに。世の中って理不尽。 

 後何回食べれるだろ、晩御飯。


「リカ、キャル、グリ、怒ってくれてありがとうございます。でも大丈夫です、サポト様に助けていただき、こうして皆さんとも出会えて、とても幸せですから

 さぁ、辛気臭い話はここまでにしましょう。次は、キャルとの出会いですね」


「ベルさんがそういう言うなら……。でも、最低男と最低女が出てきたら、絶対に私が消し炭にするからね!」

 

 キャルは魔力量が多いから出来るだろうけど、殺人は立派な犯罪だから。

 良かったねー、元婚約者の王太子様。黒焦げにされる前に骨になっていて。


 ちなみに、マリベル様を蹴落として王妃になった男爵令嬢は、国庫を食い潰して国が荒れた事に怒り狂った平民たちに豪遊先の別荘に火を付けられ、判別不能の遺体で見つかったらしい。

 いやー、王妃の証の指輪があって良かったねー。


「アタシは小さな村で育ったんだけど、去年は雨が全然降らないから麦も野菜も全然育たなくて。自分たちが食べる分すら無かったのに、領主様は今まで通りの税を納めろって言ってきて……。それで、兄弟の中で一番病弱だった私が売られる事になったの。

 そしたら、サポトさんとベルさんに会ったの。ね!」


「えぇ。あれは、夜に田畑を荒らす魔物退治の依頼を受けた時でしたね。お世話になる村長宅に向かう途中、落ち込んでいるキャルに出会いました」


 うんうん、天候不順で食料に困ることも、それにも関わらず税を引き下げずに贅沢三昧する領主も、食い扶持に困って子供を売ることも、農作物を荒らす魔物討伐の依頼も、どれもよくある話。


「売られる事に落ち込んでいたアタシに、サポトさんが声をかけてくれてね。事情を話したら、ベルさんも一緒になって『領主も酷いけど、親が自分の子供を売るなんてありえない!』って怒ってくれて。

 それでね、二人がすぐに贅沢三昧の悪徳領主を倒してくれたの!」


 ……ちょっと待った。何て言った、今。


「さっすがサポト君とベルちゃんニャ、悪い領主なんて要らないニャン!」


 リカまで自分の事のように喜んで肯定しないで。もう一度、ゆっくり言葉を咀嚼してご覧? 

 誰が、誰の要望を受けて、誰に攻撃を加えることを、誰が許可して、誰が行ったのか。


「キャルの攻撃魔術があったからですよ。領主の私兵は数が多かった上、私の攻撃では軽いですから」


 待って待って待って! マリベル様まで何言ってんの!? いや、領主を倒した事を否定しない時点でアウトだったけど! 

 自己判断でなんの権力も資格も要請も無い人間が、国家に権力を認められた領主へ攻撃する事はご法度な事ぐらい、王太子の元婚約者なら考えるまでもなく分かる事。 紛れもない侵略行為!


 ちょ、皇帝サマが奴隷に落として絶望なんてさせるから、大分ぶっ飛んじゃってるよ、思考回路! 

 歳が十以上離れてるから傷心したところを慰めて落とすなんて、発想の小っさい事やるから! ……あぁ、男は歳を取っても幼稚って言うか。政と貪欲さと冷酷さだけはピカイチなのに。


「そんなことないよ! ベルさんがアタシに魔力がある事を教えてくれなかったら、魔力病で今頃死んでたもん。

 魔術の使い方だってベルさんが分かりやすく教えてくれたから、一緒に悪徳領主を倒せたんだよ! もちろん、サポトさんの支援魔術のお陰もあるけどね」


 うん、領主が無能だって事は分かった。

 キャルが膨大な魔力を持っていることを見抜けず、あまつさえ、魔力の使い方を教えてないから、魔力の溜め込み過ぎにより死ぬ可能性が高かった。兄弟の中で一番病弱だったというのは、間違いなくコレが原因。小さな村に魔術を教える人なんて居ないからこそ、領主が気に掛けるべき事柄なのに。

 マリベル様、ナイスフォロー。流石、魔術の名門一家のお嬢様。


 「そんニャ事が……。キャルちゃんが生きてて良かったニャー!」とリカが涙ぐみながらキャルに抱き着いてる隙に、運ばれてきた揚げ物の盛り合わせから、お肉を確保していく。

 あ、味も温かさも感じれるようになってきた。柔らかくて美味しい。


「キャルお姉ちゃんすごい! お姉ちゃんたちが悪い領主さまをやっつけたから、村の人たちもみーんな大喜びだね!」


「……そうだったら良かったんだけどね。

 村の人たちは、『領主様に攻撃するなんて何事だ!?』って怒ちゃって……。アタシは村から追い出されたの」


 当たり前! 

 

 良かった、村人は真っ当だった。悪を倒してハッピーエンドなんて、童話の世界しかない。

 正当な理由も無く権力者に危害を加えたとなれば、問答無用でそれより上の権力者から報復される。村人が怒らない訳がない。

 ちなみに『正当な理由』とは、『それより上の権力者に納得してもらえる利益』を指す。大義名分と利害関係をセットで取り扱うことを、人は根回しと言う。大人って汚い。 


「そんニャ、家族からも追い出されたなんて酷すぎるニャン!」


 いやいや、涙無しには語れない最期の家族愛だから。『追放』じゃなくて、『逃がしくれた』だから。本人たちに自覚があったかは知らないけど、


「大丈夫だよ、リカ。みんなと強くなって、家族を見返すんだから!」


「えぇ、必ず強くなって里帰りしましょうね」


 ごく当たり前のようにキャルの家族が生きていることを肯定してるけど、勿論演技ですよね、マリベル様。


 問題が起きれば責任を取らなければならない、問題を起こした本人とその監督役が。

 メンツが命の領主が危害を加えられ、ただ黙ってる訳がない。犯人には逃げられたけど、一緒に攻撃した娘の家族は居る。

 汚い大人の世界では、『責任を取る』と書いて『見せしめ』と読む。やっぱり世の中って理不尽。

 通りすがりの賊なら、領主も村人も全員ただの不幸な被害者で済んだのに。

 

 これ絶対、指名手配されてる。キャルにどこの国の村か訊いてみれば、はい、聞いたことありました。

 おまけ話の、後任は前任より酷い悪徳領主って事も含めて知ってる。必ずしも状況が良くなるなんて、誰も保証してくれない。事後処理って大事。

 

 でも、分かった。この非常識パーティーが起こした騒動を、帝国がフォローすれば良いんだ。

 キャルの件なら、善良な領主になれる人材を全面的にバックアップし、絶対的な信用を得られるご意見番を用意すれば良い。

 侵略は帝国の十八番。足掛かりがさえあれば、ハイエナのごとく骨までしゃぶり尽くす。

 高学歴者にして常識がある筈のマリベル様が絶不調な今、脳内お花畑のパーティーを誘導するなんて楽勝。諜報員としての腕が鳴る。


 キャルは膨大な魔力を持ってるし、帝国にお持ち帰り決定。

 顎にかかる若草色の髪と、マーマレードのような眩しいオレンジ色の瞳。外見通りの元気っ()は、軍からも引く手あまた間違い無し。モテ期おめでとう、キャル!


 って、玉ねぎの揚げ物を私のお皿に入れないで、マリベル様! 

 すぐさま正面に座るリカの口元に運べば、嬉しそうに食べてくれた。マリベル様は怒ってるけど、キャルが自分にもして欲しいと言うので、まだ残っている玉ねぎをプレゼント。私の残り少ない晩御飯に、玉ねぎが入る余地は無い!


「ニャら、最後はリカニャ。

 サポト君たちには、神殿から追い出されて困ってた時に拾ってもらったニャン!」


 冒険者パーティーに一人は回復魔術師が欲しいもの。もげ男に拾われるとは運が無い。 

 単に、男心をくすぐる可愛い女子だったからの気がするけど。

 ゆるふわパーマで薄いピンク色の肩まである髪と、コロコロと感情が変わる金の瞳。喜怒哀楽がストレートに出る尻尾と耳。猫の獣人って、一部の人に熱狂的に好かれてるし。


 なんで追放されたのか訊いてみれば、納得。ドジっ子で、物を壊したりミスで仕事を増やしたりと色々やらかしてたらしい。

 おまけに、リカはぶりっ子というか、女に嫌われる女の特徴がある。女性陣からは毎日イジメられ、最終的に窃盗の罪を着せられたらしい。


「リカほど素晴らしい回復魔術師はいないというのに、自分たちの能力の低さを棚に上げて不当な差別を行うなど、神職者にあるまじき事です」


「すごいんだね、リカお姉ちゃん! どんな回復魔術が使えるの?」


「ふふん、リカの回復魔術はすごいんだよ!

 この前大蜘蛛を退治したんだけど、リカがいなかったら死んでたね……」


「そんニャ事ないニャ! サポト君の支援魔術があったお陰だし、それに、邪神をやっつけたのはキャルちゃんとベルちゃんだニャン!」


 ……邪神? 大蜘蛛じゃなかったっけ……って、ちょっと待った。


 リカの信仰する宗教は、食事の前の祈りの言葉からして、この国のもので間違い無い。此処の宗教における『邪神』と呼ばれる存在で、大蜘蛛と言えば……。


「リカ、キャル、食事中に巨大タランチュラの話なんて止めましょう」


 ヤバい、すっごい嫌な予感がする。


「邪神をやっつけたなんて、すごいねお姉ちゃんたち! でも、邪神なんてどこにいたの?」 


 褒められたリカが嬉々として教えてくれたのは、予想通り隣国だった。


 邪神じゃなくて、それ護神様! アウト、完全アウト!


「それって、いつ倒したの!?」


 食い気味になるのは許して欲しい。

 あの永世中立国の護神が不在となれば、一刻も早く動かないと他国に盗られる!

 

「三日前ニャー」


「お姉ちゃん、わたしトイレに行ってくる!」


 ヤバい、ヤバ過ぎる。マリベル様の件が霞むレベルでヤバ過ぎる!


 永世中立国タラリュア。

 小国でありながら護神の巨大タランチュラにより、絶対的な国土防衛を可能にする農業大国。

 侵略者に対して大量の子蜘蛛が襲ってくるが、これが一番厄介。一匹一匹がAランクの強さで、赤子の爪ほどの大きさしかない為見つけ難い上に攻撃が当たり難い。

 タラリュア国内では、この大量の子蜘蛛は豊作の証とされ、農業の神としても崇められている。

 本人というか本蜘蛛にとっては、この国にしか生えない毒草を食事にしていて、単に自分のご飯を守ってるだけらしいけど。国をぐるりと囲むように毒草が生えているので、国境は自動且つ経費ゼロで守られている。帝国にも欲しいな、その警備システム。


 問題なのは、この毒草。

 心臓発作や幻覚作用など、後ろめたい事にピッタリな効能がてんこ盛り。無味無臭で溶かしても変色しない上に、遅効性、即効性ともに簡単に調合出来る。それも、一切検出されることなく。

 

 急いでトイレに駆け込み、小窓からこっそり外へ。人気が無い事を確認し、物陰に隠れる。特殊な口笛――音が出ない――を吹いて待つこと数十秒、一匹のハムスターが現れた。『蜘蛛神、討伐済』を暗号化した紙を小さく丸めてハムスターに食べさせれば完了。

 うん、いつ見てもその頬袋は癒される。仲間への連絡、よろしく。

  

 これでタラリュア国に調査隊が派遣され、本当に護神が倒されたか判る。もし本当なら、一早く帝国の傘下に置き、毒草の流出を阻止しないと。


 本っ当に面倒な事をしてくれた、あのお花畑パーティー。

 まぁ、世界一美味しいと名高い農作物も手に入るし、虎視眈々と狙っていた国だし、余計な戦費が減るしで万々歳。掛けられる指名手配は、もげ男を差し出して解決。

 ――とはいかない。出来たら、楽だったのに。


 Aランクの子蜘蛛たちに加え、Sランクの護神を本当に倒したとなれば、その戦力は見逃せない。それも、たった四人で――いや、たった二人の攻撃――剣士と攻撃魔術師だけで倒したなら、英雄クラスといっても過言じゃない。


 落ち着いて考えてみれば、マリベル様の件だっておかしかった。

 皇帝サマご指名の女性に付けた護衛は、当然帝国が誇る精鋭部隊。それが魔物に負けた。なのに、支援魔術を受けたマリベル様は勝てた。実戦経験がろくにないお嬢様がだ。護衛達が弱らせていた分を差し引いても、異常事態といっていい。


 もし、この異常事態を可能にしたのが支援魔術だとしたら――。 


 おめでとう、もげ男。皇帝サマは有能な人材が大好きだから、マリベル様にお手付きした事は許されるよ。有能で使える間は。失態の帳消しが出来れば、老衰も夢じゃない! 


 勿論、リカの帝国行きも決定。 

 大量の子蜘蛛と護神――大量のAランクとSランクを倒したという事は、激闘の連戦を維持できるだけの回復魔術を使えるという事。見逃せる筈がない。

 

 ……タラリュア国に掛けられる指名手配、どう躱そう?

 早く深夜にならないかなー、大量の頭痛の種を仲間にお裾分けしたい。経過報告がこれほど待ち遠しい日が来るとは……。


 さて、戻らないと。

 人が居ない事を確認し、行きと同じくトイレの小窓から中へ。急いで席に戻れば、私の取り皿に赤色と緑色の揚げ物がのっていた。しかも山盛り。


 私の残り少ない晩御飯に、人参もピーマンも不要! 

 マリベル様、キャル、リカが悪戯が成功したような顔をしている。よし、その喧嘩買った。全部食べてもらうから。諜報員の誘導術を思い知れ!

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