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Rebecca Trilogy / レベッカトリロジー  作者: 桃太郎V
The End of Story
19/29

Episode18:オーガスト、そして刺客

 ここはアメリカ・ニューヨーク州。世界に名だたる大都市。ふと気づけば8月下旬を迎えていた。E.G.ニューヨーク支部のワープゾーンから出てきた「レベッカ」一同は戦力になるべく仲間を探していた。


「(アレグロ雪郎:)野暮用ができたんで、一時的に離れることになる。それと、あんたら自由行動しても構わないぜ。」


 それだけの理由で、一時的に「レベッカ」一同から離れることになった。残された「レベッカ」一同は別行動を取ることに。未来人二人と亡命者二人、イギリス代表「マイケル」やイタリア代表「ロバート」は都市を楽しみ、「レベッカ」と愉快な仲間たちとお目付け役「ハルミ」や「ミュゼット」は引き続き仲間を探すことになった。


「(レベッカ:)仲間を探すといっても、情報が足りないな。ミュゼット、君は情報操作員なんだろう。情報ないかな?」

「(ミュゼット:)私に聞かれても......わからないのよ。アメリカでの亡命者は私だけ...ん?もう一人いたような...。雅史のこと?でも、どこにいるのかは知らない。未来人がいるとの情報はないし。」

「(レベッカ:)まぁ、やってみないとわからないことだし、探してみよう。」


 そうと決めた「レベッカ」は「雅史」とやらを探すことにした。都会で根気よく探したところで、またしても未来人に出会った。


「(雅史:)もしかして、ミュゼット?」


 未来人の傍はなんと、「ミュゼット」の知人「大原雅史」の姿が。


「(ミュゼット:)あ...こうしてまた会うとは。立ち話もなんだし、落ち着く場所に移そう。雅史の隣の知らない女も一緒にね。」


 落ち着く場所に移動後、「ミュゼット」は「レベッカ」一同に「雅史」を紹介する。


「(ミュゼット:)この人が大原雅史。私の知人だよ。」

「(雅史:)健太と杏璃の奨めでアメリカに逃げてきたはいいけど、アメリカの知人(ラファエル以外)がいなくてね。(いるわけないでしょ?)運良く僕の学園を知っている未来人に出会った、今も同行しているよ。この人はどうも人前でしゃべるのが苦手でしてね、筆談しなきゃっていうタイプだよ。」

『"以後、お見知りおきを。"』

「(レベッカ:)ジンやモルガンに続き、3人目の未来人か。ウェーブがかった黒髪かつドクターの妻の他、来年より内戦が起き、2017年にドカーン。いつものパターンだろうか?」

『"それとは別。二年後に雅史の母校『樋串武学園』は廃校になる。"』

「(雅史:)最初は信じなかったけどね。...それに僕の憧れの国に永住するとは思わなかった。好きなんだもん、アメリカ。...おっと、能書きはそれくらいにして自己紹介いくよ。僕は大原雅史、樋串武学園の元生徒...とでもいっておこうかな。今は自由の国の学校の生徒だよ。自由だから制服は留学?前のままだよ。」

『"ドロシー。未来人。"』

「(レベッカ:)ドロシー...よろしくだが、命がけの戦いになるけど大丈夫?」

「(雅史:)一度は逃げて済むと思った。でも逃げたところでなにも変わらないと考えると、なんかもう...僕だけが助かるだけで、逃げずに留めている杏璃と健太には悪いし。...よし、日本に引き返そう。僕は既に留学生なので今更、樋串武学園に戻る気はないの。ただ、二人を助けたいだけだからね。」

「(レベッカ:)そうと決まれば、さっそく日本...やっぱ怖いな。」

「(ミュゼット:)日本へ戻るには雪郎がいないと意味ないじゃん!!」

「(レベッカ:)雪郎は今ごろ、どこで何をやっているのだろうか...?」


 「アレグロ雪郎」はどうしても外せない用事があって、なかなか戻らない。「マイケル」と「ロバート」は、アーケードゲームを楽しんでいた。


「(ロバート:)凄腕の狙撃手は伊達じゃないのは本当みたいだね。もしよければ、僕の組織に入らないかい?」

「(マイケル:)組織...か。いつかできるであろう目的のために設立してみたいものさ。...遠慮しとくよ。」


 未来人二人こと「ジン」と「モルガン」は、亡命者二人こと「アイ」と「晃樹」から目を離れないように見張りつつ、この場所で会話していた。


「(ジン:)核戦争のない世界...なるほど、そんな未来なのか。」

「(モルガン:)お互い様でしょ。...もしも並行世界の別人がいるという噂が本当だとしたら...。」

「(ジン:)それはありうるな。もう一人のレベッカがいるといいな。」


 2人で会話しているうちに、野暮用を済ませた「アレグロ雪郎」がカフェに来た。


「(アレグロ雪郎:)一度日本へ戻ることになった。原作者からのエマージェンシーだ。全員集合!!」


 集められたみんなは、日本へ戻ることとなった。


「(アレグロ雪郎:)原作者は今、奴の巣食う掲示板に出くわしている。奴の口からはアフガニスタンやイラクをどうのこうの、ズバリ、おそらく刺客を送り込む気だ。オオゴトになる前に、今すぐ戻るぞ。」

「(レベッカ:)兄貴の頼みと言えど、今から引き返してどうする?まだ仲間集めの途中だろうが。」

「(アレグロ雪郎:)案ずることはない。そんなこともあろうかと、助っ人を用意しておいた。自己紹介頼む。」


 「アレグロ雪郎」が用意したのは、男勝りかつ強気な女であった。


「(レジーナ:)私はレジーナ。レジーナ・バーグマンだ。それに...。」


 不思議なことに、「レベッカ」とは二年前より既に出会っていることが窺える。


「(レベッカ:)あれれ?どっかで会ったっけ?...まぁ、いいか。」

「(アレグロ雪郎:)原作者の安全が最優先だ。すぐに出発するぞ。」


 日本に引き返す「レベッカたち」なのだが。


「(レベッカ:)何か忘れてるような...ま、いいか。」


 「ロバート」や「マイケル」を置いて、ワープゾーンを潜り、移動した。


 久々のE.G.日本支部。そこには「原作者」が立っている。


「(原作者:)蹂躙されるのに堪えきれなくて、つい出くわしてしまった。留学しているというハッタリかますも、アフガニスタン、イラクといった心のない言葉を返された。」

「(レベッカ:)兄貴、刺客の件は?」

「(原作者:)どうやら我々の知らないうちに刺客がうろついているらしいな。戦闘前に、何か手を打たねば。」


 「原作者」は作戦会議を開き、戦略やフォーメーションについて話し合うことになった。


「(原作者:)刺客は奴との利害は一致しているとは思えない。やりたくない仕事をさせられているようなので、手を引くよう交渉する。応じなかった場合は、その時はその時で。」

「(アレグロ雪郎:)...シンプルな方法か。悪くない発案だ。」

「(レベッカ:)刺客といっても、本当はやりたくない彼らでしょ。うまく交渉できれば、仲間入りも夢じゃないかも。」

「(原作者:)そうと決まれば、作戦実行といこう。モグとアンジー楓が拉致されたポイントで。」


 作戦を実行した一同は、拉致されたポイントことネット利用可能領域へと向かう。誰かがじたばたした形跡が残してあるものの、「原作者」の言う「刺客」とは別物だ。木の陰から出てきたのは読み通り、例の刺客こと「アフガニスタン」と「イラク」だった。


「(レベッカ:)君たちとは戦いたくない。好きでここに来たわけないはず。巨悪に立ち向かうためには君たちの力が必要だ。どうか、力を貸してほしい。」

「(アフガンス:)ma inja baraye chenin mazkharfat niamodeh im, faghat baraye inkeh bebinim aya ma ghodrat piruzi bar shar ra darim ya khir.(我々は、そんなくだらぬ事の為に、ここに来たんじゃない。悪に勝つ力があるか、試すだけだ。)」

「(レベッカ:)まさか、物騒な武装でいくんじゃないよね?」

「(イラクイ:)bima 'anana qatalatun, fala khiar lana siwaa fiel hadha. la takhudh al'amr ealaa mahmal shakhsi.(我々が刺客である以上、こうするしかないんだ。悪く思うなよ。)」


「(レベッカ:)交渉決裂...ではなさそう。条件次第で仲間入りしてくr...試すといってもね...武装した物騒な君たちを相手にどう戦うのか、思い付かないな。」

「(アレグロ雪郎:)なら俺がE.G.の圧力をもって、取り押さえてやる。なぁに、心配するな。俺には野暮用のついでに持ち込んだセンチネルシールドがある。この盾があれば、たとえ物騒な武装だろうが、どうってことない。」

「(レベッカ:)金属バットは?」

「(アレグロ雪郎:)もうとっくに卒業した。以後、使うことはない。ただ、アキレウスの槍ならあるが。」

「(レベッカ:)よし、それならこちらの方が人数的に勝っていて、頼もしい盾を加えると有利。恐くない。」


 「レベッカ達」を試すと称して物騒な戦闘が始まった。中東特有の銃器で乱射するも、「アレグロ雪郎」の盾により守られた。


「(アレグロ雪郎:)あんたら物陰に隠れてな!!」


 「レベッカ」を中心とする愉快な仲間たち、E.G.二人、「レジーナ」を除いた未来人や亡命者は物陰に隠れていた。


「(アレグロ雪郎:)そのまま押し進む。俺に続け!!」


 「アレグロ雪郎」は銃弾を防ぎつつ前に押し進み、「レベッカ」と「レジーナ」は隙をついて、刺客を取り押さえる。


「(アフガンス:)aya shma fekar miknid keh shma in ra barandeh shodeh id?(これで勝ったつもりか。)」


「(アレグロ雪郎:)観念するんだな。奴のいいなりで動いているに過ぎないあんたらじゃあ、俺たちには勝てんぞ。」


「(レジーナ:)...妙だ。降参もしてない、既に確信したってわけか。...雪郎!!ここから離れな!!こいつらは私たちもろとも消し飛ばすつもりだ!!」


「(アレグロ雪郎:)...あ。」


 回避したいところがもう間に合わない。大ピンチな「レベッカ達」だが、光の速さで現れた「マイケル」によって、難を逃れる。


「(マイケル:)遅れてすまない。ちょっとした別件があってね。」

「(アレグロ雪郎:)マイケル遅いじゃないか!!...もう少しで全滅するところだぜ。」


 「マイケル」に助けられたところで、日本支部に帰還した「レベッカ達」。


「(アレグロ雪郎:)...さて、誰一人欠けてないか点呼を取る。ひとり、ふたり、...15人。全員無事だな。それにしてもレジーナ、彼らの意図が読めたとは、たいしたものだ。マイケルも分家にしては、全員担ぐほどの力のおかげで俺たちは奇跡的に生還できた。感謝する。」

「(レベッカ:)それより、中東の二人はどうなったの?」

「(アレグロ雪郎:)どうやらマイケルの迅速な武装解除によって助かったようだ。」

「(レベッカ:)死なせはしない...ことが君たちE.G.のモットーだろう?」

「(イラクイ:)limadha saeiditina?(何故、我々を助けた?)」

「(アレグロ雪郎:)自分を犠牲にしてまで使命を全うする刺客がいるか!!命を粗末にするんじゃない!!あんたら、自分のすべきことが他にあるだろ!!ないなら与えてやる!!俺たちを助けたマイケルに感謝しな!!」


 命を粗末にする二人に激昂する「アレグロ雪郎」。


「(アレグロ雪郎:)俺たちE.G.の目的は、奴を止めることだ。仕留めるのではない!!報復の仕方、間違えるなよ。だから...手を貸せ。」


 中東二人は素直に「アレグロ雪郎」の願いを聞き入れた。


「(レベッカ:)さて、これからのことはどうするの?」

「(アレグロ雪郎:)これだけの仲間があれば問題ない。様子を見てから動くことにする。」

「(レベッカ:)それよりロバートは何処へ?」

「(マイケル:)彼なら、どうしても外せない用事があって、のちほど合流するそうだよ。」


 「ロバート」はかろうじて生き残った人々を中心に、セカンダリーチームを結成したらしい。


「(ロバート:)僕のプライマリーチームは全滅したけど、イタリアじゃない寄せ集めのセカンダリーならもう一度戦える。メグミ、アレックス、出るぞ。」


 「メグミ」のチームは日本到着時の地点は「ノウエツ」であることから瞬く間に全滅したのだ。「アレックスチーム」も至急援護に向かうも力及ばずに全滅。生き残った二人はアメリカに逃げ、メンバーを探している「ロバート」に出会い、セカンダリーチームの一員となり、現在に至る。


「(アレックス:)同じ失敗を繰り返してしまう甘い考えは、承知しないぞ。」

「(ロバート:)そんなことわかってるって。...細かいことは気にしない。とにかく、日本海に近いノウエツへもう一度向かおう。」


 「ロバート」が率いるセカンダリーチームは、再びノウエツへ向かうために、ワープゾーンで移動。そこには危険地域であり、イレギュラーの懐に入ったように、刺客を含めた目前の敵がいた。


「(ロバート:)一筋縄ではいかない...な。お二人さん、ここを守り抜くぞ!!」


 ワープゾーン防衛戦が始まった。


「(ロバート:)この僕、ロバートから長官、聞こえますか!?ワープゾーン能越よりニコチュウに接触しています!!大至急援護を!!」


 思ったより厳しい戦いに。


「(ロバート:)ワープゾーンを守る戦力が足りていません!!増援求む!!」


 「エルエー」からの通信が入った。


「(エルエー:)ご安心ください。全てのワープゾーンは私が完全に管理しています。例え何者であれ、一歩も通しませんよ。...悪いな。」


 「エルエー」が管理しているとはいえど、わざとらしく侵入できるよう放置していた。


「(メグミ:)ロバート、やっぱ私たち三人じゃ無理だったんだ。一旦退いてタイセイを建て直してはどうだ。」

「(アレックス:)無理だとわかっていて、ダメ元で出動したのが間違いだったようだ。」

「(ロバート:)君たち、すまん。」


 これ以上守りきるのは無理と判断した「ロバート」は、撤退を余儀なくされる。刺客はそれを見逃すはずもなく、「メグミ」と「アレックス」を捕らえ、「ロバート」だけが日本支部へ逃走していった。


 その時、「エルエー」が管理しているワープネットシステム全体は一時的に停止された。


「(エルエー:)司令部、こちらエルエー。ワープネットシステムに何が起こっているのですか?」

「(司令部:)悪用防止のため、ワープネットシステム全体を停止させました。最高責任者の命令です。」

「(エルエー:)そうですか。それは困りましたね。」


 「ブラー」がE.G.本部に戻ってきた。


「(エルエー:)君は、ブラー!?いつの間に本部へと戻って来たのですか?」

「(ブラー:)ぜぇぜぇ...ぜぇ......。愛美から聞いた情報によると、テリーに原作者と関わった人間は殺されるらしいです。更に、テリーの秘密や情報、本拠地が掴めました。順番に言いますと、テリーの、ペラペラ...その、ペラペラ...つまり、ペラペラ...テリーの本拠地は、ノウエツです!!」


 「ブラー」は口にしてはならないことをペラペラ喋ったことで、「エルエー」は一変する。


「(エルエー:)この情報を知っている者はあなただけですか?」

「(ブラー:)はい、僕だけです!!」

「(エルエー:)これでよいです。」


 「エルエー」は褒め称えようと腕を振りかざし...「ブラー」を目掛けて拳を振り下ろす。


「(ブラー:)ちょ!!!ブラーを攻撃してどうするのですか!?ニコチュウみたいな冗談はよしてください、おながいします。う、うわっ!有益な秘密情報を提供したのにどうしてブラーはこうやって殺さればならないのか、さっぱり理解できません!!!」


 「ブラー」は逃げる。しかし、「エルエー」が彼を生かしておくはずもなく、彼の退路を断とうと仕掛けようと動く。


「(コチウニ:)逃げられるのも計算の内なんだよ。でも、逃げ切れないのさ。」


 非常口を封鎖して閉じ込め、侵入者駆除システムを発動させる。


 そして「ブラー」こと「近藤ジローラモ」は前後の壁に挟まれ死亡。その後、「ブラー」の遺体は燃えるゴミとして遺棄された。


「(コチウニ:)我がぎみ。申し訳ありません。E.G.の連中がワープネットシステムを止めやがりました、私の正体もそろそろばれそうです。」

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