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特に問題なく朝を迎えた。
インスタントの朝食を食べているとスマホが鳴る。
クラスの掲示板アプリに通知が入っている。
アプリを開くと、
「おはようございま〜す。桃ちゃんだよ〜今日はね〜能力テストをするよ〜テストって言ってもこれはポイント関係ないから安心してねぇ〜各自制服で訓練場に来てね〜」
文章でもこの喋り方なのか。
それにしても、能力テストとはなんだろう。
体力テストのようなものか?
だが、能力テストということは、天恵の力も測るのだろう。
朝の準備を終え学校へ向かう。
寮から学校はそこまで遠くない。
白クラスの範囲の中でも一番学校に近いところに寮があるからだ。
男子寮と女子寮はそこそこ離れているが。
学校の近くまで来た時、見知った顔を見かける。
彼女もこちらに気づいた道で笑顔でこちらに向かってくる。
「氷我くん!おはよう!」
元気な声で挨拶してきたのは、御堂さんだ。
「おはよう、御堂さん」
「愛光でいいよ!今日は、能力テストだね!模擬戦って誰とペアなのかな?」
「模擬戦?」
「え?氷我くん、スマホ見てないの?」
どうやらスマホに情報があったらしい。
面倒くさいし、意味もないので見ていなかった。
「そうなのか、昨日は疲れて寝てしまったんだ。」
「そっかー今日は能力テストっていってもただの模擬戦みたいだよ?天恵を使った、だけどね」
「俺は弱いから、なるべく同じぐらいの人と当たりたいな」
「弱気だなー氷我君の天恵楽しみだなぁ」
一般的に天恵をいきなり聞くのは失礼とされている
様々な天恵があって、少なからずコンプレックスを持っている人も多いからだ。
「対して面白いものでもないぞ」
そんな話をしていると訓練場につく。
クラスのほとんどが集まっておらず俺たちはかなり早い方らしい。
そして開始時刻になる。
が、二名まだ来ていない。
二分遅れて到着する。
「すんませーん」
「遅れましたぁー」
女子二人組が軽い感じで入ってくる。
「おはよう〜二人とももう時間過ぎてるの知ってるかな〜?」
「謝ったじゃないですかぁ〜」
反省の様子は少しも見られない。
「謝罪なんていらないよ〜?ただポイントが下がったってことを言いたかったの〜」
「はぁー!?なんでよ!」
女子生徒が反発する。
しかし、
「なに〜逆らうの〜?いいよ〜でも、その代わり覚悟はしてね?」
ここでの反発は、命に関わる。
「い、いや、何もないです!すいませんでした、気をつけます!」
昨日の出来事を知らないものはこの場にはいない。
この女子生徒たちも例外ではない。
怯えたように、クラスの後方へ走って行く。
「うんうん〜いい判断だね〜さ〜てと、今日はそれぞれの能力を見るために模擬戦をしてもらいたいと思いま〜す。ペアは適当に二人組で分かれてねー」
俺はこういうペアを作るのが苦手だ。
理由は察してくれ。
「氷我くん!組まない?」
「え?あ、あぁ。ありがとう。よろしく頼む」
余った人と組もうと思っていたが、愛光に誘ってもらった。
助かった。
何組かが模擬戦を終え俺たちの番が回ってくる。
この訓練場は決闘場と同じような作りになっていて、舞台の中の怪我は引き継がないみたいだ。
やはり異能力は種類がたくさんあった。
影を操ったり、爆音で攻撃したりなど様々なものがあった。
「氷我くん!やるからには全力だからね!」
「勿論だ。お手柔らかに頼むよ。」
彼女の能力が何かは分からない。
だが、本気で平凡を演じよう。
「はじめ〜」
その掛け声がかかると同時に俺は天恵を発現する。
俺の能力は至ってシンプルだ。
自分の掌から炎を出すことができる。
射程は半径1メートルだ。
両手を後ろに向け炎を出し加速しながら距離を詰める。
さて、どう対応してくるか。
彼女は、大きく後ろに飛んだ。
身体能力は普通みたいだ。
身体強化系ではないな。
しかし、そのぐらいではこちらの方が早いので距離は当然近づいて行く。
あと三メートルになった。
攻撃をしようと一度火を止め、掌を愛光へ向ける。
向けようとしたのだがそれよりも早く、愛光の右手がこちらに向く。
愛光の右目は輝いている。
すると、右手から激しい光を伴う光の矢が飛んでくる。
俺はそれを全力で横に跳んで回避する。
「速いぞ!あいつ!」
「あの至近距離で避けるのか!」
周りの生徒が声を上げる。
だがそんなことはどうだっていい。
手を抜くはずだったのに本気で回避してしまった。
それ程までにその攻撃は速く洗練されていた。
同時に見覚えがあった。
『ヒョウ!』
でも、そんなはずはない。
自分に言い聞かせる。
あいつは死んだ。
俺の目の前で。
凍り始めていた床を熱で溶かし模擬戦に戻る。
その後は落ち着きを取り戻した。
愛光はこのクラスではかなりの実力者のようなので、圧倒されたように負けた。
「私の勝ちだね!氷我くん!でもギリギリだったよー凄く強いねー!」
「全然だよ、途中からは手も足も出なかったよ」
「そうかなー?手を抜いてたように見えたよ?」
少し驚く。
あの一度の回避しか全力は見せていない。
普通はまぐれと思うのだが、愛光はただ勘が良いのか、それとも…
「いやいや、そんなことはないよ。俺はずっと全力だったよ」
「そっかーじゃあまた明日ね!」
「あぁ、また明日」
今日はこれで終わりだ。
また爽やかイケメン君の誘いを断り、寮に帰る。
まっすぐ帰る予定だったのだが、俺は途中で遠回りをした。
人が通らないような道を選んで。
ちゃんと理由はある。
「出てこいよ。分かってるぞ」
俺は誰もいない後ろに話しかける。
「バレていたか」
そう言って、後ろの暗がりからその美しい青い髪を靡かせ、太陽に照らされながら出てきたのは、この学校の生徒会長。
桐崎 花蓮だった。
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