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その後はクラス毎に案内された。
白クラスの教室は少し汚い。
これも差が出ているんだろう。
座席表通りの席に着く。
俺は教室の一番左後ろの窓側みたいだ。
すごくラッキーだ。
席に座って机に突っ伏して開始を待っていると、
「おはよう!隣の席だね!私は御堂 愛光だよ!一年間よろしくね!」
元気な声が聞こえた。
横を向くと、綺麗な金髪を携えた、満面の笑みでこちらを向いている少女がいた。
「ガタッ!」
思わず立ち上がる。
「シャッ!」
思わずその名を呼びそうになる。
彼女はあまりにもあの子に似ていた。
「す、すまない、いきなりで驚いてしまって」
そんなわけがないのに見間違えてしまった。
やはり俺の中から彼女は消えてくれない。
落ち着いて自己紹介をする。
「お、おはよう。お、俺の名前は焔 氷我だ。い、一年間よろしく」
バッチリだな。
初期印象は完璧だ。
「氷我くんね!よろしく!てか緊張しすぎでしょー面白いね!氷我くん!」
いきなりの名前呼び。
それに俺の完璧な自己紹介がミスっていたらしい。
ショックを受けていると、教室のドアが開く。
桃色の髪型をツインテールにした、ほんわかした雰囲気のちっちゃい子供が入ってくる。
目はパッチリしていてフリフリのワンピースを着ている。
「大丈夫?迷子かな。お母さんとはぐれちゃった?」
メガネをかけたおさげのいかにも委員長な女子生徒が声をかける。
しかし、女の子は驚きの言葉を返す。
「失礼ですねぇ〜。桃ちゃんみたいなぁ大人の女性を捕まえて、迷子だなんてぇ〜。桃ちゃんはこのクラスの担任の五月女 桃香ですよぉ〜」
特徴的な語尾で喋る少女はどうやらこのクラスの担任らしい。
身長140センチぐらいで成人しているのか。
「はいはい〜みんな席についてねぇ〜ホームルームするよぉ〜まずは自己紹介と思ったけどぉ〜そこらへんは勝手にやっといてねぇ〜めんどくさいからここではやんないよぉ〜落ちこぼれのクラスに〜時間をたっぷりとってあげるほど〜桃ちゃんは暇じゃないのぉ〜」
教室の空気が悪くなる。
見た目に反してなかなか良い性格をしているようだ。
そんななか、やはり反発する生徒が出てくる。
「おい!ちっこいなりして何言ってんだ?落ちこぼれって舐めてんのか!」
いかにも不良という見た目の男子生徒が威圧するように大きな声を上げる。
「そんな怒んないでくださいよぉ〜皆さんが落ちこぼれなのは事実じゃないですかぁ〜ちっこいなんて失礼ですねぇ〜気を付けた方がいいですよぉ〜上に上がる為には〜人格もある程度必要ですよぉ〜それに〜あんまり桃ちゃんを怒らせないでくださいねぇ〜こんななりでも教師なんですからぁ〜落ちこぼれのあなた達より断然強いんですよぉ〜」
その語尾のせいで一言一言がすごく長い。
口調こそ子供みたいだがおそらく強いのは本当だ。
「もう我慢できねぇ!死ねやコラ!」
不良の生徒が殴りかかる。
その瞬間不良の生徒の腕の筋肉が膨張する。
おそらくあれが彼の能力だろう。
身体強化系だな。
大きくは3つに分かれる。
自分の身体を強化する彼のような身体強化系。
周りに変化を与える空間干渉系。
風を起こしたり、傷を治したり、自分以外に干渉する物全てはこれなため結構範囲は広い。
最後は物質創造系。
何もないところに武器を作ったり壁を作ったりするものだ。
質量を持つものを創造するときはこれになる。
彼の制服ははち切れるかと思ったが特注の制服らしい。
筋肉に応じて伸びている。
その腕が五月女に届こうとしたとき、男子生徒がこける。
いや、滑ったという方が正しい。
彼が踏んだ床には泡が発生している。
おそらく五月女は物質創造系だろう。
泡を作る能力だろうか。
男子生徒は五月女の隣を通り過ぎ壁にぶつかる。
瞬時に倒れた男子生徒を泡が包み込む。
中の男子生徒は呼吸ができないみたいでもがきながら気泡を口から出している。
「もぉ〜危ないですねぇ〜幼気な少女に殴りかかるなんてぇ〜紳士失格ですよぉ〜あぁ〜今の笑って良いんですよぉ〜あなた大人でしょう?ってねぇ〜さてとぉ〜早速問題発生ですねぇ〜ちっちゃい少女だからって舐めてましたねぇ〜もっと周りをよく見ないとぉ〜まぁ見たところで桃ちゃんには勝てないんですけどねぇ〜一応教師なんでぇ〜結構強いんですよぉ〜次はぁ〜 殺しますよ?」
最後だけやけにはっきりとした口調で何気なく殺意を発する。
クラスの生徒全員が恐れをなしている。
当たり前だろう。
生徒に対して正当防衛を理由に殺そうとしているのだ。
通常の学校ならあり得ない。
ずっと笑顔なのがさらに恐怖を煽る。
泡が弾け男子生徒が解放される。
激しく咳き込んでいる。
「いまぁ〜普通の学校ならあり得ないとかぁ〜おもっちゃいましたぁ〜?はいざんね〜ん。皆さんのいるここは異能学校で〜す!将来戦う職業に就くためなんですから〜普通なわけないじゃないですかぁ〜ここではぁ〜理不尽や暴力が普通ですよぉ〜でも皆さんが振るうときはぁ〜注意してくださいねぇ〜成績が下がる可能性がありますからねぇ〜」
理不尽なんて当たり前だ。
どこに行ってもついて回る。
この世界は腐っている。
「さてぇ〜今彼の成績は下がりましたぁ〜
皆さんはそれを視認することができますぅ〜
今日スマホもらいましたよねぇ〜いいな〜
最新機種なんですよぉ〜その中のぉー成績表ってアプリ開いてく〜ださい。見たら分かったと思うんですけどぉ〜そこには自分のポイントと順位が乗っていますぅ〜皆さんはそこのお馬鹿さんのぞいてぇ〜五万ポイントですねぇ〜このポイントがぁ〜今回のクラスを分けてます〜
一から十万ポイントで白
十一万ポイントから二十万ポイントで青
今回は十五万ポイントもらってます〜
二十万一ポイントで赤
二十五万ポイント貰っているって感じですねぇ〜
黒は五百万ポイントですけどぉ〜皆さんには到底関係ありませんねぇ〜
ポイントを〜得る方法は二つあります〜
ひと〜つ!たまにあるテストや行事で良い成績を残すぅ〜
ふた〜つ!他の人間と決闘して奪う〜
これが一番手っ取り早いですねぇ〜勝てば良いんですからぁ〜決闘方法や賭けるポイントはぁ〜二人の合意があって初めて成り立ちますぅ〜同じクラス内でやるのはお勧めしませんねぇ〜気まずいですからねぇ〜桃ちゃん個人としては面白いから全然良いんですけどぉ〜
クラスが変わるのは月末ですぅ〜
月末に上位者から順にクラスを選べますぅ〜
自分の成績表の隣に数字が書いてあると思います〜
皆さんは今81ですかね〜?
そこのお馬鹿さんは違いますけどぉ〜
次にぃ〜クラスが上がるメリットですかねぇ〜クラスが上がるとぉ〜先ずは生活環境が良くなりますぅ〜寮はクラスによって違ってぇ〜娯楽とかの量と質がぁ〜全然違いま〜す。あと就職にも断然強いですねぇ〜
今日はそんなところですかねぇ〜他になんか質問あるひとぉ〜いませんねぇ〜じゃあこんなところで失礼しますぅ〜誰かこのお馬鹿さんの面倒みてあげといてくださいねぇ〜ちなみにぃ〜0ポイントになったら退学ですからね〜さようなら〜」
終始ふざけた口調で出て行った。
隣の愛光もびっくりしている。
しかしもう帰って良いんだろうか。
帰って良いなら帰りたいんだが。
「ねぇみんな!これからみんなで遊びに行かないかな!クラスの親交を深めるためにもさ!」
と思っていたらいかにも爽やかなイケメンが提案をする。
この学校は敷地が凄く広い。
スマホの中に地図が入っていたが、
昔はあったとされている、夢の国よりも広い。
クラスカラー毎に敷地が分かれており、その中に娯楽施設がある。
クラスはいく雰囲気になっているらしい。
「焔くんだっけ?君はどうする?」
「すまん。朝から体調が悪いんだ。遠慮しとくよ。」
「そっか残念だなぁまた明日ね!」
爽やかな笑顔で駆けていく。
俺は最低限までしか関わるつもりはない。
だからこんなことは無駄だ。
バックを担いで帰った。
のだが、寮の前で上級生に絡まれる。
おそらく二年だ。
クラスカラーは白。
「おい、お前決闘しようぜ?お前の賭けるポイントは一万でいい俺は五万かける。どうだ?悪くないだろ?」
完全に舐めてるな。
勝てば五万ポイント魅力的に見えるのだろう。
だが、俺は上に上がるのなんざどうでもいい。
だからといって負ける必要もない。
「先輩が賭けるポイント、五千ポイントでいいですよ。」
どうせ逃げれはしないだろう。
先輩は顔を真っ赤に染めた。
「舐めてんのかオイ?いいぜ!決闘状展開!」
男がそういうと周りがコロシアムのように変化した。
「これは、スマホに入っている、決闘用アプリだ。この中でどれだけ怪我をしても現実には持ち越されない。じゃあ始めるか」
そうだったのか。
あの先生は何も教えてくれてないな。
思わずため息をつく。
面倒い。
「帰るか」
そう言った俺の足元には先輩が倒れていた。
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