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 日差しが真っ暗な俺の部屋に差し込み朝を告げる。


「朝か」


 軽く背伸びをして今日の予定を確認する。

 どうやら今日は異能高校の入学式だ。

 俺が入学する高校である。

 遅刻なんて許されない。

 しかし俺の時計は無情にも今の時刻を告げている。

 入学式の開始は9時。

 今の時刻は8時半。

 普通に登校したら40分はかかる。 


 おいアラーム何やってんだよ。


「はぁ」


 ため息をつく。

 汗でびしょ濡れになった服を着替え、軽く朝食を食べる。

 今日から寮生活なため荷物を全てまとめて、学校へ向かい始めた。









 席について入学式の開始を()()()()()

 あと、10分程時間がある。

 早く着きすぎてしまった。

 仮眠をして開始を待つことにした。


「皆さん、おはようございます」


 9時ちょうどに式典あるあるの長ったらしい、校長の話が始まった。

 壇上に立っている校長は、どこにでもいそうなのんびりした優しそうなおじいさんだった。


「この度は入学おめでとうございます」


 きっと長くなると思い、仮眠に入る。


「私から話す事はあまりありません。強いて言えば、全員欠けることなく卒業してくださいということぐらいですかね。後は生徒会長さんに任せます。皆さんの高校生活に幸があることを願っています。以上です」


 と思っていたのだが、あっさりと終わる。

 次は生徒会長の話が始まるみたいだ。

 ありふれたものだろうと思いやっぱり仮眠を取ろうと思う。

 と思っていたのだが、周りがざわめいた。


 何が起こったかと思うと、全員壇上を見ている。

 つられて俺も見ると、そこには青い髪を腰まで伸ばした可愛いというよりは美しい女性がいた。

 そっくり左右対象の顔を持ち、悪い印象は持たせないが鋭く厳しいイメージを与える目が印象的だった。

 どこかで見たことがあるような気がするが気のせいだろう。

 どうやら周りはあの生徒会長に見惚れているようだ。


「生徒諸君おはよう。私は生徒会長の桐崎 花蓮(きりさき かれん)だ。」


 彼女が透き通った少し低いが美しい声を出すと、ざわめいていた体育館が嘘のように静まり返った。

 それ程までに圧倒的なオーラを纏っている。

 男のような喋り方をする。

 男装してもバレなさそうだ。


「まずは入学おめでとう。数少ない異能高校の中で難関と呼べるこの学校に合格した諸君らは全員が優秀と言えるであろう。外部から見たらな。しかしこの学校では諸君らはすごくもなんともない。今までチヤホヤされてきたんだろう?その生まれ持った能力のおかげで」


 能力とはやはり天恵(ギフト)と呼ばれる異能力のことだろう。

 八年前この世界には危機が訪れた。

 それは十二年前全世界に変化が訪れたことから始まる。

 その変化とは幾人かの人間に特殊能力が突然与えられたことだ。

 ある日、アメリカの女子小学生が走って遊んでいた時、ありえない速度で走ることができた。

 アメリカの機関は血眼になって調べた。

 その結果、左手の甲に謎の痣が発生していた。

 当然人為的なものではなく、突発的なものだった。

 女の子が意図的に能力を使うとき、この痣が輝いて人外の力を発揮することがわかった。

 次第に全世界に痣を持つ人間が現れ始めた。

 多種多様な能力が現れ、その力を持つ人間たちは各国の発展に尽力した。

 これが十二年前の出来事だ。

 しかし、八年前、それは突然に起こった。

 アメリカが突如壊滅したのだ。

 天恵を持つ集団によって。

 その集団は各国のありとあらゆる天恵を持つものたちによって組織として形成されていた。

 反逆者達(リベリオンズ)と呼ばれた。

 今までも、異能犯罪者と呼ばれる者たちの犯罪は多数あった。

 しかし、これは遥かに規模が大きい。

 国による行動の制限などにより、不満が溜まったもの達が反逆を起こし、全世界に敵対を示した。

 反逆者達対全世界の戦争が始まった。

 日本も例外ではない。

 天恵を持つ者には天恵を持つ者でしか抗えない。

 反逆者達の中には核爆弾さえも防ぐ者がいる。

 18歳以上の異能力者たちは戦争に駆り出された。

 今もその戦争は続いている。

 天恵を持つ者の育成として置かれたのがこの特殊異能高校だ。

 異能の発現する確率は1/5000人で決して多くはない。

 能力もバラバラだ。

 そのため、異能力の発現した人間は周りから羨望と同時に畏怖の眼差しで見られた。

 俺からしたらこんな能力忌まわしいが。

 長くなったが、生徒会長の言うところはこういうことだろう。


「諸君らが凄くないというのは、君たちほとんどの者の異能力はまだ未熟で、とても使えたものじゃないからだ」


 一瞬目があった気がしたが気のせいだろう。

 一部の自信があるであろう生徒が、彼女を睨みつける。

 だが彼女の言っている事は全て事実だ。

 彼女は立ち振る舞いだけでも尋常ではない強者だということが窺える。

 そんな彼女から見たら、生徒たちは赤子のようなものだろう。

 彼女対一年生全員でも彼女が勝ってもおかしくない。


「諸君らはここでその力を磨き合い反逆者達に対する力を得るために来たのだろう?この異能高校ではそれが十分にできる。諸君らには受付でカラーリングを腕につけられたと思う」


 確かにいきなり腕に巻かれた。

 俺の制服の二の腕の部分には白色のカラーリングがついている。


「その色が示すものは現時点での諸君らの強さだ。上から順に黒、赤、青、白となっている。それはそのままクラス分けに適用されている。黒は生徒会役員のみだがな」


 俺は最弱クラスみたいだな。

 彼女の腕には黒と赤色のカラーリングが巻かれている。

 黒もクラスは赤として扱われるのだろう。


「つまりどういう事かというとこのカラーリングは日々の成績によって色が変わる。単純明快だ。卒業までに赤や黒まで登り詰めればいいんだ。そこまでたどり着いてやっと優秀だと名乗るがいい。諸君らの成長を期待している」


 そこまで言うと生徒会長は壇上から降りる。

 そうして、入学式は終わった。

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