幕間
「流石だな。やはり歯牙にも掛けないか」
生徒会室の会長席に座る女は愉快な笑いと共に称賛の言葉をあげる。
先程、彼女は神楽坂 緋色を目にした。
彼女の目は明らかに変わっていた。
前まではどこか大きな空洞がある目で見ていたが、先程は空洞なんてひとかけらもない真っ直ぐな目をしていた。
その理由は恐らく、いや確実に焔 氷我の仕業だろう。
敗北は彼女の空洞を埋めた。
今回神楽坂を仕向けたのにはこの理由もある。
あの男なら埋められる、そう思っていたからな。
後輩の成長は素直に喜ばしい。
感謝しなければな。
今回は上手くほとんどのことが予想通りに回った。
しかし例外もある。
それは、焔と最近共に行動をしている御堂 愛光という女だ。
彼女は私の知っている情報では焔に近づかない、
いや、近づいてはいけないはずだ。
どうやら私の情報は不完全なようだ。
追々調べていくとしよう。
「コンコン」
突然扉をノックされる。
「入れ」
「失礼します」
姿を現したのはすらりと足の長い長身の男。
茶髪の髪に穏やかな顔をした男は爽やかな笑みと共に声をかける。
「会長、お疲れ様」
「あぁ、お疲れ」
男は生徒会男子副会長の 橘 海斗。
私と同じ三年生だ。
「どうしたんだ?」
「いやいや、会長の席がやっと空いたかなって思って」
橘は穏やかな笑いと共に目を鋭く細める。
「冗談だよー今はね。そんな怖い顔しないの。どうかしないと、来ちゃダメなのかな?」
「お前が用もないのに来るわけがないだろう。早く用件を言え」
「流石にそこまで言われるとショックだなぁ。よほど嫌われちゃってる」
「出ていくか?」
「分かった、分かった。じゃあ単刀直入に聞くよ、僕に隠し事してないかい?」
「何の話だ」
「惚ける?神楽坂ちゃんの変化見ちゃったんだよねー。前まで会長ラブだったのに今はそれほどって感じ。寝取られちゃったの?」
「人間として成長したんだろうな。喜ばしい限りだ」
「そうだねー。でもさ、なんで成長したんだろう」
「さぁな、ちょっとしたことで人間は成長する。そんなものだろう」
「隠すのかい?無駄だよ。もう僕の猫ちゃん達が調べてくれたよ。犯人は一年生の焔 氷我。right?」
「答えはI don't knowだ。それに知っているとしてもお前に教える気はない。何をするか目に見えているからな」
「ちぇーつまんないのー。まぁいいや、僕は僕で勝手に動くことにするよ」
「問題は起こすなよ。ましてや一年生相手に三年生が挑むだなんてもってのほかだからな」
「正当な理由があればいいよね?例えば、彼に暴行の疑いがあるとか。それなら生徒会である僕は動かざるを得ないなぁ」
「そうだな。好きにすればいい。確実に後悔するだろうがな」
「そこまで買っているのか。ますます興味が湧いてきた。でも僕が負けるはずがない」
「…」
「とは言わないよ。そこまでアホじゃない。彼は強い。それは君の頬の傷が証明している」
私は自分の頬に触れる。
「まぁ楽しみにしててよ。じゃあ行くね。僕だって暇じゃないんだ」
そう言ってこちらの返事を聞かずに出て行く。
あいつをぶつける予定はなかった。
だがあいつはどんな手を使っても焔に接触するだろう。
「はぁ…」
焔にとっては厳しい戦いにはなる。
だが、あの男なら乗り越える。
そして私は手元の紙を見る。
そろそろこれがある時期だ。
私も仕事をせねばならない。
そうして席を立つ。
「必ず君の元へヒョウを届けて見せる。シャル」
花蓮は愛おしみ、そして悲しみを含んだ声でその名前を呼んだ。
更新がテンポ良くできない。
すんません!
現実が忙しくって…
言い訳ですね。
気をつけます!
とか言っておきながら次は明後日ぐらいになりそうです…
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モチベがすごく上がります!
これからもどんどん執筆します!




