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あの瓦礫は無事に消滅したみたいだ。
まぁ当然のことだが。
戦場で生き残るなら核兵器にも匹敵するほどの力が必要だ。
それに比べたらあのガラクタの塊なんて恐るるに足りない。
そして、目の前で蹲っている神楽坂を見る。
「おい」
神楽坂はピクリと反応し顔を上げる。
その目は心なしか憑物が落ちたような顔だった。
「なによ」
なんだこの女。
完全に負けたのにこの強気。
この試合が終わったら俺の奴隷になることわかっているのか?
「もういいだろ、降参しろ。お前じゃ俺には勝てない」
「分かってるわよ。はいはい降参します」
そう神楽坂が言うと、目の前に半透明のモニターが現れる。
そのモニターには、「win」と出ていた。
「で?私はこれからどうすればいいのよ。あんたの奴隷になっちゃったからね。約束は守るわよ」
「はぁ。その態度はどうにかならないのか。俺はおまえの主だぞ?」
「何言ってんのよ。私の方が年上よ。あんたに敬語を使われる理由はあっても使う理由なんてないわ。どうしても使って欲しいなら命令することね。敬語でも、ご主人様でも何でも言ってやるわよ」
「命令、俺に出来る限りの甘えた声と口調で喋れ。」
「ちょっ!ひょうくーん。そんなのやめてよぉー。うふふ。私こんなの言いたくないのにぃー。やめてくれないとぉー殺しちゃーうぞー?」
その口調とは正反対に顔を鬼のように歪める。
歯を食いしばっており、今にも歯が砕けそうだ。
「命令、やめろ」
「何してくれてんのよ、この変態!」
「お前がしてみろって言ったんだろう」
「本当にするとか思ってないわよ!あんたまさか、私にこんなことさせるために受けたんじゃないでしょうね!」
「そんなことには興味ない。命令、俺に敬語は使うな。それに、おまえから敬語だなんて気持ち悪いからな」
「殺すわよ?」
「命令。それはダメだな」
「チッ」
決闘が終わったため決闘場が消える。
一瞬光で視界が埋まったと思うと、次の瞬間にはたくさんの男達が泡の塊の中にいる様子が見えた。
この能力は、
「あれぇ〜貴方たちはぁ〜生徒会の書記さんとぉ〜うちのクラスの焔君じゃないですかぁ〜聞きましたよぉ〜それに見ましたよぉ〜とっても強いんですねぇ〜桃ちゃんびっくりですよぉ〜隠してたのはちょっとイラッとしますけどねぇ〜」
俺達の担任である五月女だった。
イラッとしているのは本当のようだ。
目が笑っていない。
側に愛光もいる。
「こちらには何故って聞くのは愚問ですね。御堂さんが連絡してくれたのでしょうか」
神楽坂が聞く。
「そうなんですよぉ〜貴重な放課後によびだすなんてぇ〜先生も暇じゃないんですよぉ〜それはそうと、何故書記さんはここにいるんですか?」
隠すのは無理じゃないか?
どうするんだ?
というのを目で聞くと
「私は今日問題のある生徒達が、コソコソと動いていたので尾行したところです」
「そうなんですかぁ〜それはお勤めご苦労様ですぅ〜じゃあ彼と決闘していたのはなんですかぁ〜?」
「彼も実行犯の一人ではないかと思ったので、嘘がつけないのを条件として決闘をしました。彼は無罪だったのですけどね」
「一応筋は通ってますねぇ〜納得しておきますぅ〜」
やはりこの教師侮れない。
腹の中ではまだまだ疑っているだろう。
しかし捕まえられた生徒が吐いたらどうするんだ?
「契約してるから大丈夫よ。決闘の応用よ。覚えておきなさい」
そう思っていたら、心を読んだかのように囁くような声で言ってきた。
しかしそんなことも出来るのか。
便利だな。
「じゃあ桃ちゃん行きますねぇ〜じゃあばいばーい」
そうして、男達を連れ学校の方向へ行った。
「行ったみたいだね。氷我くん!よかったよー!勝ったんでしょ?」
「あぁ、勿論だ」
「次は必ず勝つわよ」
「もうやるつもりはないぞ」
「あんたに拒否権はないわよ」
本当にこの女は…
「ず、随分と仲良くなったみたいだね」
「どこがだ。失礼だぞ。俺に」
「どこがよ。失礼よ。私に」
「う、うん」
「さてと帰ろうか。じゃあ神楽坂、勝手に帰れ」
「あんたに言われなくても帰るわよ!」
「さ、さようなら。神楽坂先輩」
「ふん!」
大股で数歩歩いた後に振り返る。
「今回私が負けた件で、生徒会も含めた上級生が動くわ。私からは決闘の条件があるから言えないけど、そのうちあんたのことはバレるわ。せいぜい足掻くことね!」
そうして、地面を踏み空に向かって飛んでいった。
すぐに目で追えなくなった。
「こ、怖い人だけど、さっきのってつまり、気をつけてねってことだよね」
「そうかもしれないな」
そうして二人寮へと歩き出す。
「今日はありがとね。私を守ってくれて」
「元々俺のせいだからな、お礼を言われることはしていない」
「お礼は素直に受け取ればいいの!」
「そうか。どういたしまして」
歩いて数分、女子寮へ着く。
「じゃあ、また明日愛光」
「うん、じゃあ…」
心なしか声が暗い。
「どうかしたか?」
「…ねぇ氷我くんってさ…いや、やっぱいいや!また明日!」
月明かりに照らされた彼女の顔には影が落ちていた。
すいません!
遅れました!
更新は止まりませんので(あしたとは言ってない)
これからもよろしくお願いします!
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