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巨神兵と7人のミニスカ侍  作者: 紅頭マムシ
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第九十八話 ミニスカで繋がれ!世界の輪

突然の新キャラ紹介


ツカサ・シキリヤ:朝の情報番組「グッドモーニング毒蝮ステーション」の司会進行を務めている。どこだか忘れたけど、とりあえず日本以外のどこかとどこかの国のハーフ。


十代永助:42歳。ティーンのファッションに特に詳しいファッション評論家。論点を置くのはティーンなのに反して嫁は自分よりも4つも年上。女性の好みについては、どっちかというとロリよりも熟女好き寄り。愛妻家としても有名。

「というわけでティーンの流行ファッション調べでした。以上内田がお届けしました」

 先日、無事にとり終えたティーンの流行ファッションについてのVTRが朝の情報番組「取れたて!グッドモーニング毒蝮ステーション」で流された。


「はい、ということでしたが~、どうですかティーンファッション評論家の十代永助じゅうだいえいすけさん」

 番組の司会進行役ツカサ・シキリヤは評論家に意見を求めた。 

「そうですね~、男子学生がミニスカを穿きたい、こんな時代が遂に来たんですね~。以前には、逆に女子生徒が冬場は寒いし、それから常時パンチラに対して警戒を行うことに神経をすり減らすといった理由でズボンで登校することを学校に訴え出たというケースがありました。時代は巡り、次は男子が従来女子の身に着けるファッションであるミニスカを穿きたい、ということが起きたんですね。驚きはしましたが、順当に言って、男子からこの主張が沸き起こることは納得も行きますよね」

「はぁ~そうですか~。確かにそう十代さんのおっしゃることも一理ありますね。しかし、私としてはまさか男子がミニスカを穿くなんて、これは最先端過ぎてついていけませんね~」

「最先端と言うのは、それだけ先の細いものなのです。太い胴とは面積が違うんです。尖った先、そこに目をつける者、そして辿り付く者は最初はわずかなものなのですよ。最先端が流行を極めて世に浸透しきった時、かつての細かった最先端は誰もが乗れるように太くなるのです。そのようにしてファッション業界のおしゃれ道は、細い先端がどこまでも伸びてやがては広く長い道になるんですね」

「はは~、さすがはファッションのカリスマ、その思想からしてもう徳の高さを匂わせていますね」

「いえいえ、そんな大したものじゃありませんよ。まぁ例えばね、あのセーラー服だってかつては海軍の服だったわけですよ。それが歴史を経て、十九世紀も後半に迫ると女性、中でも子供が着るようになった。ごつい軍人の着ていたものが、今の日本ではうら若き乙女のシンボル的な役割を果たすころもとなっているじゃないですか。歴史を経て、着物、いや性に対する価値観そのものも変わってきているわけですよ。もしかしたらこの例のようにして、何年も先になると、ミニスカが男女問わずの正装になったりなんてことも、笑い飛ばせるジョークではなくなるかもしれません」

「はぁ~これはこれは御もっともな意見ですね。今日はあなたを呼んで本当によかった。よくもこんな変化球な事実を前にして、既存の概念や先入観をすてたクリアな分析が出来たものだ。すばらしい。皆さん彼に拍手を」

 テレビ番組の会場には拍手が巻き起こった。

「いつかは男性もミニスカを穿くのが当然になる未来が着ても不思議ではないんですね~。で、どうですかね、十代さんも最先端に乗っかって今日からミニスカを穿くなんてことは~。はっは~」

「ふっふ、それはありえないですよ、シキリヤさん」

 ファッション評論家の十代は自分がミニスカを穿くことはないとシキリヤの提案を切り捨てた。

「それでは十代さん、貴重な意見をありがとうございました。そして取材協力のために忙しい青春の貴重な時間を下さった学生の皆さん、インタビューに行ってくれたうっちゃん、協力してくれた皆本当にありがとう~。それではあなたの朝をちょっとだけ幸せにする、小さなハッピーお届け人シキリヤ・ツカサでした~また明日~」

 シキリヤはテンション高めに視聴者に向けて手を振った。


 そしてこれまでのやり取りを映していたこしのり宅のテレビの電源は切られた。

「わ~十代永助~すごい深いこと言ってる~僕らはファッションリーダーになれるぞ!うしラー、いやみつラーかな」

「アホ言ってんじゃないよお前は、これは年内限定ファッションなんだよ。それよりどうだよ。俺もちょっとだけ映ってただろう。室の背中に乗ってたのわかった?」

「ああ……映ってのかぁ……」そう言ってスミレはおでこに手をやった。

「丑光を追いかけ回しているのが映ってたな~」と堂島が言った。

「なんや、わいの映るところマジで一瞬やないか」と熊の室が言った。

「お前が走るの速すぎるからだろ」と根岸が言った。

「根岸君はインタビューを断っているところを撮られてたね」

「ああ、あの日は急いでいたから、というか断ったのに、そのやり取りも流すのかよ」

「ティーンではないけど、私も最後に映っていたよ。テレビに出られるとは嬉しいな~」と言った田代は、実はテレビに映るのは初めてのことではないのだが、なにせテレビを持っていないので映ったことを知る手段がない。

「よし!僕らでミニスカを広めてミニスカをワールドスタンダードにしようよ!」そう言って丑光は立ち上がった。

「勝手にやってろよ~」とこしのりは言った。

 

 彼らミニスカ侍が揃ってテレビに出ていたので、それを録画したのをこしのりの部屋で鑑賞していたのであった。これは例のミニスカ侍ミーティングの一環での上映だったのだが、こっちがメインになってその後は特に何も話し合わなかった。こしのりの部屋は、今では作戦本部となっていた。尚、彼らの誰一人として出演の際の契約書的なものを書いていないので、ミニスカ侍達の顔には薄いモザイクがかけられていた。スミレはモザイクだけでも助かったと想っていた。彼女は出たくなかったのだ。


 私は、国や性別を問わずにミニスカが世に広く普及することを願っています。

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