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巨神兵と7人のミニスカ侍  作者: 紅頭マムシ
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第八十七話 襲来!小さな巨人

 もう十一月も後半に迫った日のことである。

 こしのりの学校では、クラスメイト全員がこしのりとスミレが放火犯を捕まえたことを知っていたので、二人はお手柄カップルと賞賛される一方でひやかしも受けていた。

 クラスがその話題で沸く中、あの「巨神兵LINE」に巨神兵、または愛称きょんちゃんからメッセージが発信された。

(今日の16時半にミニスカ侍は毒蝮山の頂上に集合せよ)

 巨神兵はその日の朝にこのメッセージ一件のみを発信し、それからは指定の時間まで何もメッセージを発しなかった。このメッセージを受け取ったLINEメンバーのミニスカ侍四人は、LINEメンバーでないこしのりにこれを伝えた。こしのりは少々不満そうな顔をしたが、言われた通りミニスカ侍五人で山に登ることにした。もう一人の田代は、住所も連絡先を持たない上に、日中はどこで何をしているのか不明なので、声をかけることが出来なかった。


 学徒の務めである学問を積むことで日中に疲れを溜め込んでいた彼らは、てっとり速くエネルギー補給が出来て、おやつ代わりにもなるということから飲むゼリーをごくごくやりながら山を登った。スポーツ選手がよく飲んでいるアレである。


「いや~スポーツなんて全然しないけど、これは好きでよく飲むんだよね」と丑光はご機嫌に言った。

 陽気な丑光はこんな感じだが、他の者は巨神兵からのこんな指示は始めてなので、一体何事かと少々の不安を感じていた。

「巨神兵は何の用で呼び出すんだろうか」と根岸が言った。

「もしかすると、やっぱり侵略は止めて、どっかの惑星に移住するとか言い出すのかもよ」とこしのりは返した。

 何が待っているか分からない不安の上に、普通に山道で疲労し始めた一同は、徐々に口数を減らしながら歩を進めることになった。そして、何とか指定の時刻どおりに山の頂上に着くことができた。

「疲れたね、で、ここで何が起きるんだ」最後尾の丑光が到着後にそう言った。その時こしのりの携帯にメールが入った。

(姿を確認した。今そっちに行く  這い寄る巨神兵)

 メールを読んだこしのりは「何だって!ここに来るって言ってるぞ!」と言った。

 こしのりがメールを確認して5秒程経つと、一同の目の前の地面が盛り上がり始めた。地面は、横幅1メートル、高さ2メートル程持ち上がって土の柱となった。一同は急なことに驚いて声が出ない。それから地面は静かに下がって行き、やがて元通り平らになった。しかし、平らに戻った地面には先程までいなかったあるものの姿が見えた。そこいたのは、、土で出来た身長1メートル程の小さな人型の像であった。丸っこい顔をし、短い腕に小さな手、足も同様に短かかった。可愛らしい子供のような見た目である。

「なっ、なんだコレは!一体どこから出てきたんだ!」

「頭が悪いなこしのり。今見たとおり、我は土から出てきた。そう、あそこに見える巨神兵が地面を伝ってここまで来たのだ」こしのりにそう返したのは、謎の土の小僧像であった。一同の目の前にいる土の像は、口どころか、手も足も動いていた。

「わっわっ!謎の土の小僧が喋っているよ!どういうことだい!」丑光は取り乱した。

「お前はもっと頭が悪いな丑光。我が巨神兵で、移動に便利なこの体でお前達に迫り、そして喋っているのだ。そういう訳だ」土の小僧はそう答えた。

「なんやコイツ、これで巨神兵やて。こんなチビなら巨神兵やなくて小神兵こしんへいやな。はっは~」そう言いながら熊の室は土の像、またの名を小神兵の頭をポンポンした。

 その時、へらへらと笑っている室の腹に強い衝撃が走り、次の瞬間、室はこしのりのすぐ横をすごい速さで飛んで行き、一同が背にしていた林の中へと背中から突っ込んでいった。一瞬すぎて目で追うのがやっとのことであった。小神兵が室の腹に重いパンチを一発食らわせて吹っ飛ばしたのである。

「……」一同は急な出来事に驚き、口を開けたまま黙っているしか出来なかった。

 室を吹っ飛ばして舞い上がった砂埃の中から再び小神兵の姿が浮かび上がった。

「中間報告、と言うには残った月日から考えて遅すぎると思うのだが、ミニスカ侍六人が出揃った所で現在のお前達の腕がいか程のものか、今日はそれをチェックしに来た」可愛らしい小僧に見えても、その力は巨神兵が持つ強力なものである。それが分かった室以外の四人は、ふいに訪れた恐怖に凍り付いていた。こしのりにとって小神兵の襲来は、去年スーパーアイドルグループの「マップス」が解散を発表した時以来の衝撃であった。

 今、彼らの平和な日常に亀裂が入ろうとしている。

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