第百九話 いまだかつてないカウントダウン
今日は2017年の12月25日、世ではクリスマスと呼ばれる一日である。そして巨神兵が動き出す約1週間前であった。
ミニスカ侍達は今日もこしのりの自室に集合してミニスカ侍ミーティングを行っていた。
「という訳で、泣いても笑ってもポーカーフェイスを決めても残りは一週間を切った」とこしのりが言った。
「いや~色々あったけど、マジでやりあうんだね。今から緊張するよ」と丑光は返した。
「皆、最後かもしれないから言わせてくれ」こしのりは真剣な顔つきで話を続けた。「俺がミニスカ侍第一号となり、その後に色々あって皆が集まってくれた。俺はこのことについて皆にありがとうと言いたい。ミニスカを穿いてくれてありがとう」
「へへっ、よせよこしのり。僕たちの仲じゃないか」照れくさそうに丑光は返した。
堂島は「へっ、俺は留美たんとあの店を守るために闘うだけだ。お前に礼を言われる筋合いはねぇぜ」と返した。
「俺も俺で目的があってミニスカを穿いただけだ。感謝などいらない」と根岸が言った。
「わいもや。お前の所にいけば美味いもん食えるから来てるだけやで、それと嫁と子供のためな」皆の前で照れくさいので、室は大事な物の順を入れ替えて説明した。
「思い返すと私は火事で燃えたズボンの代わりがほしくてコレを穿いて、ミニスカ侍の説明は後で聞いたからね~。それでも快くこしのりに協力するつもりだよ」と田代は言った。
「私の場合は、私の意志はお構いなしで無理やり穿かされたんだけどね。しかも誕生日に!」とスミレが言った。
「そうだったな……とりあえず、お前たちは最高だよ。この7人なら何だって出来る気がするぜ」こしのりは全員を見回してそう言った。
8月から始まった彼らの数奇な運命を想い帰すと、短い期間の割に実に色んなことがあった。皆それぞれこれまでを振り返っていた。なにせ今日より先の思い出が増えていくかどうかは自分達の手に掛かっているからだ。
皆の総意により、巨神兵が動きだすとされるその時までそれぞれが残りの時間を楽しみ、修行後の休暇に当てようということになった。最後の戦いを行う前にはたっぷり休むのがよかろうという知識を何かの漫画で得ていた丑光の提案であった。31日の晩を待たずに攻め込むのはどうかという意見も出たが、攻め込むにもどうすれば良いか悩むし、本音の所はこの後に及んでもまだ「面倒臭い」ということからどうせならラストまで待とうということになったのである。物語の展開としてもそちらの方が盛り上がるので、私としてはありがたいことである。
丑光は腰を上げて言った「さぁさぁこれからカウントダウン開始だね。世界滅亡までのか、新年あけましておめでとうまでのどちらかのカウントダウンがね」
「それも俺達次第で変わるってわけだ。じゃあ皆、31日にはここに集合だぜ」こしのりのこの言葉でミーティングは終了した。