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コマンダー03  作者: 前頭禿夫
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目覚めよ!コマンダー03

説明しよう! コマンダー03は秘密結社によって作られた指揮官型怪人である!

「点呼!」

「イーッ!」

「イーッ!」

「イー?」

「レディ様、コマンダー01から03、集合いたしました」

「ご苦労、みな楽にせよ」

 ……はて、ここはいったいどこでしょうか。

 たしか私は、昨日は10回目のお見合いに失敗したのち、悲しくネットサーフィンをして眠りについたはず。男は40でも大丈夫、などという無責任な意見を鵜呑みにしたのが悪かったのですが、それはさておき。 はて?

 はて?

 はて?

 どこですかここ。

 何で目の前には、こんな少々薹がたった、バインボインの女性がいらっしゃるのでしょうか。

「これよりお前たちには、目標地点Mにおけるイ号作戦を実施してもらう。何か質問は?」

 なんというか、お顔は、その、非常に化粧が濃い、はっきりいえばケバい(死語)のですが、何にもましてなんでしょうか、この身体。

 峰不@子もびっくりなんですが。ボンキュッボンとはこのことですか。

 しかしこの格好……特撮の、悪の女幹部みたいですね。ハハ。

「レディ様、何も質問はないようです」

 むむ。この人は、なんでしょうか、助手?

 女性なのに男性用の軍服みたいな服装に、髑髏の眼帯をしています。

 中学生の男の子が憧れそうな格好ですね。つまり、いえ、明言は差し控えましょう。不必要に人を怒らせるものではありません。社会人として常識ですね。

 大体、それとなく窺ってみれば、私の右隣に並ぶ二人は全身黒タイツ。ちらりと目を動かしてみれば、私も黒タイツ。他人のことをどうこう言える状態ではなさそうです。

 あ、左胸に03と白文字で記されてますね。

「よろしい。さあ、行くがよい我が精鋭よ!」

「イーッ!」

「イーッ!」

「イー」

 まったくよくわかりませんが、とりあえずここは右に倣います。02番さんに続いて移動しましょう。

 集団や組織においては、自分を明確に出すというのは、まずその集団や組織を理解してからの話です。

 しかし01番さんも02番さんも、背筋が伸びていい姿勢ですねぇ。軍隊の行進のようです。私もがんばって同じように歩いてみましょう。できているかどうかよくわかりませんが。

 さて、現実逃避もこのあたりが限界かな。


 いったいどういうことじゃこりゃああああああ!

 何これ? 何コレ!

 え、ショッ@ーなの? デスト@ンか!? 仮面つけた皆さんと戦うの? 戦っちゃうの?

 意味わかんないいいいいいいい!

 ある朝目覚めると、自分が一匹の毒虫になってた男の話レベルで不条理だ!

 本郷@さんと同じように、いつの間にか誘拐されて改造されたのか、私は?

 お、落ち着け! 仮にその状態だとしたら、下手に人格が残っていることがばれてVSショッ@ーライダー戦と同じことになったら洒落にならん。

 え、1号2号の協力攻撃で倒しただろうって? そりゃTV版じゃ! このまま行けば原作版一直線のにおいがプンプンするぜぇ!

 石@森先生の原作版はすばらしいよね。

 いや、それはさておき、とりあえず様子見だ。 仮面つけた正義の味方さんがでたら、01さんと02さんの後ろから不意打ちして、そっちに寝返ろう。おお、もしかして2号フラグか、これ。


 そんなことをグダグダ考えているうちに、エレベーターらしきものの前に到着。

 01番さんを観察していると、ドア横のモニターに手のひらを当てている。お、青いランプが点灯した。

 続いて顔を近づけている……また青いランプ。何だ、指紋と虹彩認証かな。

「イーッ!」

 最後にその上にある、網状になっている壁面に向かって叫んでいる。また青ランプ点灯。音声認証?

 するとエレベーターの入り口が半透明になる。おお、すごいぞこれ。かっこいい。

 02番さんも続けて同様の手順を踏んでいる。どうやらこれがエレベーターに乗るために必要なようだ。

「イーッ!」

 02番さんも完了。よ、よし私の番だ。

 まず手を……OK。続いて顔を、と。よしこれもOKだ。最後は音声だな。

「イー」

 ……あれ、反応しないぞ?

「イー」

 もう一度やってみる。……あ、あれ!? 青ランプが点灯しないぞ、何か間違ったのか、それとも……!

 内心あせり始めたそのとき、壁面から野太い男性の声がかけられる。

「元気が足りん! もいっちょ、オイッスー!!」

 えーっと、……8時だよ?

「イーッ!!」

 動揺しつつ、志@うしろー! うしろー! と叫ぶ小学生の気分でこちらも叫んでみる。ちょっと面白いかもしれない、この悪の組織(?)。

 何事もなかったかのように青ランプさん点灯。エレベーター入り口が半透明になる。

 やれやれ、よかった。

 一息ついて中へと入ると、01番さんと02番さんが並んで待っていた。今のやり取りは見られていたのだろうか。ちょっと恥ずかしい。

 02番さんの後ろに並ぶと、エレベーターが動き出した気配がする。

 ちょうどいいのでエレベーター内部を観察してみようと思っていると、ポーンという軽い音とともにドアが半透明になった。なんと、もう到着したのか。目的地が近かったのか、エレベーターの性能がすごいのか。わからないな。

 先ほどまでと同様に02番さんについていく。よかった、03番で。01番だったらどうにもならなかったよ、本当。

 少し歩くと外へと続いてるらしき自動ドアが見えてくる。なぜそう判断したのかといえば、横書きで「いってらっしゃい」と書いてあるからだ。日本語ではないが、なぜか読める。やはり改造されたのだろうか、私は。

 ちらりと横に目を走らせると、総合案内所のような場所が見える。

 受付嬢らしき二人が座っている。う、目が合ってしまった。特に反応なし。どうやらわれわれに興味はないようである。

 自動ドアが開かれる。さあ、出発だ。目的は幼稚園バスジャックか、要人誘拐か。はなはだ不安だが、行くしかない。

 というか、いったいコレはどういう状況なのかそろそろ誰か説明してくれませんかね?

勢いとノリだけで書いております。のんびり進行予定です。

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