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作戦会議

コインランドリーには、いつものように黒いスーツの男が待ちかまえていた。


ここでふと思った。

っていっても作者が。

これからずっと「黒いスーツの男」と表記するのはいろいろと面倒臭い。


ということで、せっかくだし涼介に名前を聞いてみてもらうことにした。


「今頃ですけど、お名前なんていうんですか?」


「あぁ、そういえばまだ言ってなかったね。俺の名前は咲乱修斗(さきみだれ しゅうと)。変な苗字だろ?」


「まぁ確かに珍しい名前ですね」


会話はそこで終わってしまったがが、これからは咲乱で呼ぶことができる。


咲乱は今度はB50のボタンを押した。どうやらそこが最下階らしい。

ドアが開くと、まず目に入ってきたのは天井から下がる大きなモニターで、下には10人ほどのオペレーターらしき人がそれぞれ別々のモニターを見ている。そこには世界の国々の重要施設の映像や、何かの数値の文字列が映っている。


「ここが、司令室だ」


「うわぁ、かっこいい!」

マンガで見たことのあるような風景に涼介は興奮した。


後から清田と美香も来て、同じような反応をした。


奥にいくと、見上げなきゃいけないほどの高い椅子に座っている一人の人物がいた。

彼は涼介たちに気づくと、横にあったレバーを引いて、下に降りてきた。


「ようこそ、我が司令室へ。私がここの施設の長官だ」


涼介たちは挨拶をした。そして、すぐに本題に入った。


「例の人間武器庫(マンマガジン)のことだが、彼は昨夜、横須賀市郊外の工場を襲った。襲われた工場を記録していって規則性を探したところ、ちょうど次にはこの近くの工場が狙われる。そこで君たちの出番だ」


長官の説明は朝の校長の話並みに長かった。正直だるかった。

話を要約すると、次に狙われる工場の前で待ち伏せろ、ってことだ。


やっと家に帰してもらえることになったので、お腹も減っていたし涼介たちはファミレスに寄った。


話題はもちろんその人間武器庫(マンマガジン)のことである。


「なぁ、ぶっちゃけ俺ぼんやりしてて長官の話ほとんど聞いてなかったんだけど、何をすりゃいいんだ?」


「俺もそんな聞いてなかった」


「もう二人とも、それだからだめなのよ」

美香はやっぱり真面目なやつだった。

これでも天然キャラなはずなんだけど。


「明日の夜10時に、指定された住所の工場で待機してろっていってたでしょ?」


「夜10時かぁ、中途半端だなぁ。どうやって親に言い訳しよう」


「なんだ、お前まだ親にこのこと話してなかったのか?」

清田が驚く。


「え、お前らこのこと全部話したのか!?」


美香と清田はうなずく。?」



「えっウソだろ!?だって普通こんなバカげたこと話したって信じてもらえないし、そんなの危険だから駄目だ、って止められるに決まってんだろ」


「いや、俺が親の目の前で実際にこの能力見せたら、なるほどってスッと理解してくれた」


なんだよそれ。どんな親バカだよ。


「私も何か予知するところを見せたら、すごいね、って褒められてそのままオッケーだった」


どっちが普通の親の反応なんだ?と少数派になってしまった涼介は頭を抱える。

でも、やっぱりこのことはきちんと話しといた方がいいなと涼介は思った。

ずっと隠したままこの先行くのも気が引けるっちゃその通りだった。



家に帰ると、今までのことを全て親に話した。

すると、予想とは裏腹に、


「そうかい、まぁ好きにしなさい」


という恐ろしい答えが返ってきた。


「エッ?いいんですか!?息子がこんなに危ないことをやろうとシテルンデスヨ!?」


「こんな馬鹿息子、死んだら死んだでそれもまたおかしいことじゃないでしょ?」


涼介は別の意味でショックを受けた。

心に深い傷を負ったまま涼介は自分の部屋に戻ったのであった。



なぜだか無性に悲しくなったので、涼介はベッドに入って携帯をいじくりまわしていた。

SNSで散々日頃の愚痴を書いていたその時。


突然何かの爆発音が外で鳴った。

驚いた涼介は急いで窓を開けると、真っ黒な煙が舞い上がっていた。


「一体なんだ!火事!?」


煙の中から、人らしきシルエットが浮かび上がる。

しかしそれは人であって人ではなかった。

右手にはよくあるシューティングゲームで見たことのあるような銃をつけ、左手には大きいロケットランチャーのようなもの、そして肩からは二丁の機関銃が下げられている。


そう、それはまさしく、人間武器庫(マンマガジン)だった。





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