第9話
この回には、心ない発言が少し含まれています。お気をつけください。
この回はレイ視点の物語となっております。
伊織と出会ったのは小学校低学年のとき。
第一印象は、『お嬢様』と『綺麗』だった。
その時の伊織は今思えば、孤独だったんだと思う。
1人だけ笑いもせずにただただ窓の外を眺めていた。
当時の私はそんな伊織が嫌いだった。
理由は人付き合いが悪かったから。友達も作らず、クラスでも浮いていた。
そしてカイが惹かれていたから。
今までカイが私以外の女子に興味を示した事なんてなかったのに。
綺麗な顔だから。家が金持ちだから。私たちの事見下してるんでしょ?
毎日毎日、友達とそんな話をして笑っていた。
……………伊織が抱えている闇も知らずに……。
今日も伊織は1人で窓の外を眺めていた。
すると何人かのクラスメートが伊織に近づいていく。
「なあ、お前って『見捨てられた』んだろ?」
「親に捨てられるってどんな気分なんだよ」
「親に捨てられて金持ちに拾われたってか?そんなの羨ましすぎるだろ!そんなんなら俺らも親に捨てられたいわ〜」
その言葉は今まで反応を示さなかった伊織の表情を崩した……………。
誤字、脱字等ありましたらご連絡ください。
この回を読んで不可解な想いをした方、申し負けありません。
もう少し、レイ視点の過去にお付き合いください。