第2話
「2人とも落ち着いて」
伊織も伊織で、トゲトゲした姉弟と一緒にいる所為なのかクールである。
「レイ、多分カイはそんなつもりで呼んだんじゃないと思う」
「でも…」
「カイ。誘ってるつもりじゃなかったかもしれないけど、さっきのはアウトだから」
珍しくドヤ顔をしていたカイの表情が、どんどん曇っていく。
それと反比例するかのように表情が明るくなっていくレイ。
「レイ。レイも好きだけどオレにとっての1番は伊織だから。邪魔しないで」
カイは少しだけ、本当に少しだけシスコンである。
「うわ…。キモいんだけど。いつも無口なカイが伊織のことになると熱くなるのって何時になっても慣れない…」
「はあ? レイ、お前だって伊織大好きじゃんか。伊織のことになったら熱くなるのだって人のこと言えないんじゃないの?」
2人の言い合いが激しくなってきたところで伊織が口を挟む。
「カイ、レイ。ちょっとうるさいよ?黙ろうか」
ニコリとドス黒いオーラを放ちながら言われてしまったのでは黙るしかない。
「「ごめん…」」
さすが双子。そっくり過ぎて笑えてくる。
「……あ、2人ともごめん。用事思い出したから、先に帰ってて?」
それは、何の前置きもないレイの告白だった。
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