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第19話
真っ暗な部屋。
あぁ、今までの事は夢だ、悪夢だったのだ。
そう気づくのに少し時間がかかった。
恐らく放課後のリオの言葉が原因の1つなのだろう。
それだけでこんなに汗をかいて、焦っている自分。
1番辛いのは自分ではないのに。オレは何をしているのだろうか。
廊下に誰かがいる。
母さん達は寝ているはず。では、一体誰なのか。
キィィィっと音を立ててドアが開いた。
そこに居たのは、
レイだった。
自分と同じように汗だくで、息を切らしたレイがそこに居た。
「ねぇ………、視たでしょ?…っ、視たんでしょう⁉︎」
自分とレイ意外には通じないであろうこのやり取り。
そして、カイとレイでなくては成り立たない会話。
『カイとレイが同じ夢を同時に視た時は何かが起こる』
つまり、伊織に何かがあった。もしくは、何かが起こる。ということだった。
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