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アネモネの言葉  作者: 七夜アキ
第2章*悪夢が消えるまで*
17/30

第17話

これはカイの想像でしかないが、おそらく伊織は白銀家の『養子』だ。

今の白銀家には、子どもがいない。

だから、養子を取る必要があった。

ならばなぜ、男児ではなく女児を選んだのか。

なぜ伊織が選ばれたのか。


伊織は白銀家の遠い親戚の子なのかもしれないし、元孤児なのかもしれない。

もしくは、何らかの才能を認められ白銀家の養子となったという可能性も無くはない。


「……伊織はこの家の子なの…?」

「そう。でも、違う」

「本当の子どもではない、ってこと?」


伊織は小さく頷く。


「なんでこの家の子になった…?」

「お父さん…、お義父さんに拾われた」

「理由は?」


何故オレはこんな事を聞いているのか。

人を遠ざける理由を聞きに来ただけなのではないのか。


何故、伊織は教えてくれるのだろうか。


「親に捨てられたから。異常だ、バケモノだ、気持ち悪い、って言ってた」

「……本当の親が?」

「そう。でも、今は親じゃない。あんなヤツら」


淡々と答えていく伊織。

自分の知りたかった情報が知れるのは嬉しいことではあるが、それが逆に怖くなる。


こんな事を聞いている自分が。

淡々と答えてくれる伊織が。

この状況を作ってしまったことが。


……………伊織の『親』が。



「なんでこんな事教えてくれるの。躊躇いはないの?」

「ない。だってカイが当たり前のように質問して、聞いてくれるから」

「……は?」


予想外の返答だった。


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