第15話
屋外から屋内に移って約10分。
今は永遠に続くのではないかと錯覚してしまうほどの廊下を歩いている。
途中途中に高級そうな壺や絵画が飾ってある。
ドアも1つ1つが高級そうで、カイだけが場違いのようだった。
当たり前のようにメイドや執事が歩いているし。
通りすがりに毎回挨拶をされる。
……正直言って居心地が悪い。
オレは対人スキルが高い訳じゃないし(かなり低い)愛想が良い訳でもない。
さっさと聞いて帰ろう。
そう、思っていた。
「……居心地悪い?」
「え…?」
伊織が気まずそうな表情でそう問いかけてきた。
何故バレたのか。顔に出ていたのだろうか。
「もう少しで私の部屋に着くから。もう少し我慢して」
「別に。大丈夫だけど」
「……そう」
行き先が伊織の部屋だなんて聞いてない。
確かに、家に上がったのは玄関からではないけど応接間も、リビングすっ飛ばして同級生の部屋って………。ダメだろ。色々と。
「着いた。ココ私の部屋」
「っ、え…」
「え?何か問題でも?」
「ナンデモ?」
「……?そう」
伊織は意味が分からない、という様子だがそれどころではなかった。
彼女でもない女の子と2人っきりになっていいのか。その子の部屋で。
……ま、大丈夫だろ。オレたちまだ小学3年生だし。
「……カイ」
「ん?」
「何を教えるんだっけ?」
「……はぁ」
まさか忘れられていたとは。
……オレも忘れたけど。
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