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証拠

目を閉じて、すうっと息を吸い込む。

空の青の残像、遠くの救急車のサイレン、はるか下で聞こえるサッカーのかけ声。

少し冷たい風が体の中を通り抜けた。ここで一旦まぶたを上げる。太陽の光に思わず目を細める。いい天気だ。



尖った先を腹に強く突き刺す。重い痛みが響く。

血が、あたしの黒くて生臭い血が、太ももを伝って、最初の一滴がコンクリートにぽとりとシミを作った。二滴、三滴…

あっというまに地面は赤黒く染まった。

風が髪を結う。

意識もだんだん薄れてきて、自分が立っているのかもわからなくなって、がくんと膝から崩れ落ちる。

後悔は、ないの。むしろ、これからの可能性にどきどきしてる。



おねがい神様、このままあたしをつれていって。



―さよなら、あたしの短き人生。

ろくなことなんてなかったよ。




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