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駄々

作者: コオ

もういやだと全てを投げ出してしまえたらどんなにかいいだろう。

もういやだ。

いやなことだけ避けて通れるはずがないのに思う。やることから逃れられないことならば、楽しいと思えるようにすべきだろう。

権利が大事なのだ。今の立場を守って、逃げ出すことは許されなかった。

泣き叫ぶことが許されているのなら、泣き叫んでしまいたかったけれど、行う前から無意味だと分かっている行為を起こそうと思えなかった。

だから、結局なにもできない。

目の前にあるのがやりたくないことだから、やろうとも思えないし、やらずにいることも出来なくて、やらなくちゃなとうすぼんやりと考えるだけだ。

子供は自由だと結構簡単に言うけれど、そんなことはないと思う。やりたくてもできないことはとても多くて。幼さを理由に忘れることも出来なくて、後悔を覚えているものだ。大人は見下す言動を平気でとって、どれだけ傷ついたか理解しないものだ。

それは大人だってそうだろう。こんなに傷ついたんだって、傷をさらけだして見せることはできないのだから。

足りないものは怒りだ。行動の原動力だ。

ずぶずぶと沈んでいって這い上がることができないから、耳を塞いで目を閉じて、肺の中まで泥でいっぱいにして、叫べもしない。

泣く、涙は透明でも心の奥底まで汚らわしくて。

だってどこにも救いがない。

誰も助けてくれない。

叫んでみたところで、それはただの無責任な行動だろう。

言葉は出ない。言葉は出ない。

喉につまってしまっているから。肺に空気を送れないから。

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