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不生不滅の蓮華姫〜神仏から力を借りて斬って見せます悪縁を!自らの未来を代償に可憐な少女があなたの心のスキマで戦います!  作者: 慈孝
不動明王の蓮華姫誕生編

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9/12

『紅蓮、咲き誇る(前編)』

絶望の悪縁鬼が姿を現し、六人の蓮華姫たちは窮地に追い込まれた。

圧倒的な縁力を誇る“菩薩級”の念鬼を前に、希望は薄れる。


今回、戦場はさらに激化。

千手観音の決意、毘沙門の奮戦、そして――上空から迫る“紅蓮の光”。

運命を変える新たな炎が、ついに降臨する。


「りん! 大丈夫かしら!?」


「……怖いけど……皆んながいるから、大丈夫なのです!」

地蔵が歯を食いしばりながら通信を飛ばす。

「虚空蔵さん! 何かわかったのです!?」


「待って……感情の奥に“恋慕の糸”がある……。

 この娘、鎌倉西高校二年生。名前は……ゆうすけ?」


「了解、照会開始――鎌倉西高校、該当者三名。

 運動系……サッカー部の伊藤裕介が有力なのです!」

「鏡の存在確率、サッカー部室――20%なのです。」


「二割じゃ低すぎる!」

文殊が嘆く。


「こっちの戦況、長く持たないよ!」


「私が行く!」

声とともに、風が走った。

韋駄天だ。

次の瞬間には、もう姿が消えていた。


「……フットワーク早すぎなのです。」

地蔵が苦笑する。


千手観音は、なおも触手を受け止めながら声を張り上げた。

「毘沙門! 今から弾く! その隙に懐へ入って!」


「了解、突撃する!」


光腕がすべての触手をはじき、空間に一瞬の隙が生まれる。

毘沙門天が咆哮し、金色の槍を突き立てた。


「破ッ!!」

轟音とともに念鬼の体を貫く――が、黒煙が瞬時に再生する。

「なにぃ!? 効かん!」

次の瞬間、別の触手が生え、毘沙門天を弾き飛ばした。


「毘沙門、ダメージ大ですっ!」

地蔵の悲鳴。


「こちら韋駄天! サッカー部室に鏡は無し! 繰り返す、鏡無し!」


絶望の悪縁鬼が笑った。

「ふふ……どうした? 辛そうじゃないか?」


包丁の触手が蠢き、空間を切り裂くたびに、光が弾ける。

千手観音の腕が一本、また一本と消えていく。

「……くっ、持たない……!」


地蔵は祈りの印を結ぶ。

「縁結印、再生の加護を――!」

だが、回復の光は刃の雨に遮られた。


「どういう事なの?これ程の強さ、今までは……地蔵!」

「はい、念鬼の縁力を測定。縁カウンター作動!

 これは!エンゲージ9万6千EN!菩薩級なのです!」


縁力――それは過去から未来へつながる、万物を創造するエネルギー。

鬼と神は、同じエネルギーを有している。


「そんな、この千手観音菩薩を上回るというの?」


「感じるかい? これが“絶望”だよ。」

悪縁鬼の声が冷たく響く。

「希望を持つほど、縁は深く、

そして――断たれたときの苦痛も深くなる。」


千手観音の額に汗が流れた。

分かっていた。このままでは、全員が――消える。

「……毘沙門、文殊、地蔵、虚空蔵、韋駄天……。

 ごめん、私がもう少し強ければ……!」


光腕が砕け、念鬼が咆哮を上げる。

黒い波が押し寄せる。

つづく

→ 次回『紅蓮、咲き誇る(後編)』


ここまで読んでくださりありがとうございます!


絶望の悪縁鬼の強さ、そして“9万6千EN”という菩薩級の縁力。

六人の蓮華姫たちが束になっても苦戦する中、

空に現れた“紅蓮の蕾”は、まさに運命の救いでした。


次回『紅蓮、咲き誇る(後編)』では、

不動明王の蓮華姫――円城あかりがついに戦場へ降臨。

その炎が、絶望の夜を照らし出す――!


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※この作品はフィクションです。宗教・団体・人物等は実在しません。

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