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【46】国を作ろう



国を作るために必要なこと、それは何か。帝国に於いてはまず、帝国の許可が必要だ。


「そのためにはまず皇太子と連絡を取る。大陸の通信システムはまだ外部と通じない。通じさせるためにもゲートで一度……最後の砦に行かないとな」

「私たちが大陸に渡る時に通った砦だね!」

ゲート自体は民も利用するものらしく、階層の各地に設置してあるようで魔王城にもあったので行き来は便利である。


「そう。夕暮れの地にゲートで繋げるとはいえ……その間城を任せたいのだが」


ラシャが見た方向ではクレアとジェシーが向かい合っていた。


「いや、絶対クレアの方がいい!」

「でも……私は数百年前の法しか知らないし……ジェシーの方がっ」

「私は下位貴族だし、クレアが知らない分を私が補えば……」

「うう~~っ、そもそも女性の官吏なんてアリなのかしら」

「……それはっ」

ジェシーは根本的なことに気が付いたらしい。


「でも帝国の法に詳しいジェシー、何でもそつなくこなしそうなクレアくらいしかいねぇだろ」

とジェームス。応援に来てくれた魔族のみなさんやレキ、キハダも同意見のようだ。


「領主経営なら幾千の経験がありますが、帝国の法はちょっと……」

さすがはレキ。多分領主経営で優秀なのはダントツで地底種だろうな。


「地球だとここから転生者無双が始まるのに」

「キハダ、そう言う場合も法律に詳しい専門家キャラがいるものだよ?」

「……思えばそうだったかも」

キハダが頭を抱えれば。


「新しい遊びなのれす?」

「あっちにもこっちにもだーくえるふいるのれす」

「あっちにはろりこんのおにーたんいるのれす」

かわいい森の精たちが登場しキハダを慰めているが……その、一瞬レキの顔が蕩けそうになっていたのは……見なかったことにしよう。


「他の地区で詳しいものがいないか呼び掛けてみよう。それまでは……アリーシャはどうしたい?ここの領主はアリーシャだ」

「ええとね、クレアとジェシーに任せたい!」


「その……でも」

「クレア、アリーシャが言ってるんだ。帝国の法も主が不在の時代理で務めるのは令嬢や妻、妃のこともある。つまり女でも代理ができる。私もクレアの補佐を頑張る」

「うう~~、しれっと私の補佐の座に収まってるのね」


「性格的にも性質的にも、クレアは向いているでしょう?」

レキの言葉にクレアが何とも言えない表情を見せる。


「女性が賢しいのは嫌われるのよ」

「それは……その」

その風潮をジェシーも身をもって知っているのか俯いてしまう。


「んなもん、嫌う男がバカなだけだろ?お前ら2人とも官吏の顔も似合ってるぞ」

「ちょ、ジェームスったらっ」

ジェームスの言葉にジェシーの頬が赤い。

「あら……それは素敵な名言ね」

クレアは降参とばかりに微笑む。


「留守は任せて。その間にジェシーに最新の帝国法を学ぶわ」

「ああ、任せておけ」

2人の意見も纏まったようだ。


「それからジェームスは一緒に来るだろ?」

「……だが、ラシャ。俺は……」

「俺は魔法は得意だが物理は……」

「分かった分かった、そうだった」

ジェームスはニカッと笑う。もう六神の影響を受けた闇の魔物は生まれないだろうが。しかしまるで最初のメンバーである。私たちは砦に向かうためクレアやジェシーたちに城を任せゲートをくぐった。



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