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自分の部屋に帰ると暗闇狼たちは待っていた。「別に散歩デモして来ればよかったのに」だが、暗闇狼たちは首を横に振った。といっても2匹しかいなかったが。
「そういうわけにはいけません。我が主の安全が第一です」その時、俺は心の中で呟いた。「殺気はいなかったけど」なぜか暗闇狼はその言葉をわかり、突っ込みを入れてきた。「ちゃんと近くで見張っていました」考えてみると気配はしていた気がする。
まさか… 俺は訊いてみた。「まさかあの少女?」暗闇狼は頷いた。「あれは偽の姿です」暗闇狼は女子の姿に変わって見せた。
服は真っ黒で黒も真っ黒だ。日本人だといってもおかしくないような髪型、体だ。頭からは狼の耳が生えていて、尻尾も生えていた。どうやら獣人のようだ。
「ということは本来女子ってこと?」少女に変わった暗闇狼は首を振った。「いいえ、これは仮の姿、本来は男性女性、関係しません」どうやら暗闇狼達には男女という性別は存在しないらしい。だから一人一人獣人の仮を男女両方持っているらしい。男子のほうを見てみると同じ齢だった。その時、一つの質問が頭を横切った。頭が存在しないのだが。
「ねえ、今何歳?」彼女は少し考えてから答えた。「6年生きてきました。約25歳です」暗闇狼によると1年間の間に3歳過ぎるらしい。だが、獣人姿は1年に1歳しか年を取らないようだ。だから暗闇狼事態が死ぬとき、獣人姿は30歳ほどらしい。
俺は驚いた。「男女入れ替えれるのかー、俺もそんなことができたらいいな~」ちょうどその時、彼女は何かをぶつぶつと話していた。「…どうして…」俺はころころと彼女の前に行った。「どうした?」彼女は俺を見てきた。「いえ、ただどうして心が読めたのかと思って…」俺は首をかしげた。「どういうこと?」彼女は俺をじっと見てきた。「やっぱり…いえ、ただこの力は人にしか聞かないものだからどうして主に訊いたのかと思って…主は魔物なのに」
そういえば話していなかった。かつてのことを。「その話なのだが…」俺はすべてを説明した。真横にはホノもいたが、地面をはって働いている雲のようなありに夢中でこっちの話など全く気がついていなかった。
「そういうことですか…」彼女は納得していた。「それなら説明が付きます。しかし今は魔物なのになぜ…!?」彼女は暗闇狼の姿にぱっと戻り、ほかの暗闇狼達と一緒に森の中へと駆けて行った。いったいどうしたのかはわからないがとにかく俺も追った。だが、さすがに追いつかなかったのでホノに追ってもらった。
「大丈夫だといいんだけどな…」取り残された俺は森の中をただ眺めているだけだった。
「とりあえず俺はこの街であれを探すか」




